次第に近づく退職の日。長くても、短くても、お世話になった人たちに『感謝の気持ち』をダイレクトに伝えるために、贈り物としてのお菓子はとても重要なものです。
「でも、退職するとき、どんなお菓子を選べば良いの?」どうせなら、お世話になった職場の人たちに喜んで貰いたいと、悩んでいる方も多いと思います。
というわけで、今回は会社の系統を大きく3つに分けて、それぞれのシーンで相応しいお菓子の種類、渡す人、渡し方について考えていこうと思います。
もくじ
『歴史ある伝統的な会社』を退職するときに渡すお菓子
会社に『歴史と伝統』があるということは、既に持ち前の『スタイル』のようなものを確立しているため、良くも悪くも極端な変化を好まない体質があります。それに合わせるかのように、職場の雰囲気も落ち着いている傾向があるので、退職時にお菓子を渡す際にも『冒険しすぎない』ことが肝心です。
どんなお菓子?:『誰がもらっても失礼の無い無難なお菓子。』
せんべい、クッキー、チョコレートやマカロンなど、よく一般的に選ばれるお菓子がおすすめです。無理をして、あまり馴染みのないお菓子を選んでしまうと、貰い手によっては失礼にあたる場合があります。
後は、『年齢層が高く、甘いものが苦手な人が多い』、『女性より、男性のほうが多い』など、職場の傾向に、より合わせられるようにしたいところです。
誰に渡そう?:『重要度が高い人から順番に。取引先含む。』
会社の伝統として、とにかく対面や礼儀を大切にする傾向がある場合には、やはり自分の職場で関わりがある一番上の上司、更に会社として重要な取引先から渡す必要があります。
自分より目上の人になるため、お菓子の価格的にも、多少良いものを意識して選ぶ必要があるでしょう。但し、自分自身のお財布との相談にもなるため、自分と立場が近い同僚たちに渡すお菓子の価格を、相対的に安いものにするなど工夫する必要があります。
渡し方は?:『特にお世話になった人には手紙を添えて。可能な限り手渡しを。』
ひと昔前と比べると、相手によっては退職時の挨拶を、メールやSNS(フェイスブックやライン)で済ませる場合が増えてきています。
しかし、まだまだ『手紙の手間から生まれる思いやり』は重要なビジネスツールとして欠かせません。その関係から、『伝統』と『歴史』がある会社では、退職時の挨拶は可能な限り会ってしなければ、『礼を欠いている』と判断されかねません。
なので、退職時のお菓子もしっかりと顔を見て渡すようにし、特にお世話になった人には、簡単な手紙を添えるようにしましょう。
このあたりは『時間』と『手間』が自分にどのくらい許されているかが重要なので、まずは退職時にお菓子を渡す対象をリストに書きだし、重要度を上から並べた後、じっくり検討するのが良いと思います。
『家族経営の小さい会社』を退職するときに渡すお菓子
『家族』だけに経営陣の団結が強く、『小さい』会社なので、働く際にその経営陣たちと距離が近かった人も多いと思います。
また、小さいが故に1人あたり仕事の裁量も大きくなる傾向があり、その過程で同僚とも強固な絆が結ばれている場合も多いでしょう。その『特有のつながり方』を意識しながら退職時のお菓子を検討していきましょう。
どんなお菓子?:『自分の個性が感じられるお菓子。』
自分の『好きな事』を話すのは、相手を信頼している、相手から共感を得たいことの裏返しですが、退職時に渡すお菓子も同様に考えて、自分が好きなものを候補にするのが良いと思います。
例えば、自分の好物であるお菓子はもちろんのこと、ディズニーやサンリオのような自分の趣味であるキャラクターもの、以前に自分が職場で渡して好評だったお菓子、などが挙げられます。
『家族経営の小さな会社』では人同士の距離が近く、コミュニケーションが取りやすいため、親友に近い感情が生まれている場合もあるでしょう。
「自分からするとそうでは無い!」という人もいると思いますが、相手はそう感じている可能性があるため、『立つ鳥跡を濁さず』というわけで、できれば自己開示の意味が含まれる個性的なお菓子を選ぶと良いと思います。
誰に渡そう?:『関わりがあった全員に。』
規模的に小さい会社ならば、ほとんど全員に渡せるはずなので、それに越したことはありません。渡し損ねた人がいると、ちょっとした尾を引くことがあるので、リスト作りは抜けがないよう慎重に。
また、できれば自分と関わり合いが強かった取引先にも渡した方がいいでしょう。もしもフランクな仲なら、郵送でも問題無いはずです。
渡し方は?:『全員が揃う場で。一度に。』
会社の人数的に、スタッフ全員が一度に集まるのはそれほど難しくないため、そのような場を設けて、できるだけ一度に渡したほうが効率が良いでしょう。お互いの時間の節約になります。
『ベンチャー企業』を退職するときに渡すお菓子
『ベンチャー企業』は日が浅く、会社の風土が固まっていないため、歴史の長い会社よりも、様々な特徴があります。また、ベンチャーならではの、失敗に対する『寛容』さもあるため、退職時のお菓子が『特徴があって、普通ではないもの』であっても、ほとんど問題ありません。
どんなお菓子?:『会社の雰囲気にマッチするお菓子。』
まずは自分の会社がどのような会社なのかを改めて考える必要があります。実際に働いていたわけなので、それほど難しくはないはずです。その様子を思い浮かべながら、『感動や驚きのある意外性』のあるお菓子を選ぶと良いでしょう。
例えば、子供の頃を思い出す駄菓子、巨大なプリン、綿あめメーカーなどが挙げられます。
但し、選ぶ際には一般的なお菓子と同様に、ある程度の『保存性』も大切です。例えば、冷蔵庫が無いのに冷蔵庫保管のお菓子を選ぶのは、もらう側からすると食べるタイミングを急かされることになります。
誰に渡そう?:『関わりが強かった人。』
ベンチャー企業と一言に言っても、中には個人プレーが重要視され、ある日突然、となりの席の人がいなくなっているような、生き馬の目を抜く厳しいところもあると思います。
そこまでいかなくとも、比較的そのような要因があるなら、退職時のお菓子は『関わりが強かった人』だけで問題ありません。逆に、関わりが薄い場合には、相手も悪い気はしないものの、「別に大丈夫なのに。」と申し訳ない気持ちにさせてしまうことが考えられます。
渡し方は?:『かしこまり過ぎず、ラフに渡す。』
ベンチャー企業は、『多少の無礼は許す、気にしない』という雰囲気を作り上げていることが多いです。なので、あまり形式ばらず、友人に渡すような感じで問題無いでしょう。変に相手との壁を感じさせないのがポイントです。もちろん、最低限のマナーは忘れずに。
まとめ
退職時に渡すお菓子で悩んでしまうのは、『相手を喜ばせたい気持ち』と、『金銭面の問題』があるからだと思います。
しかし、結局のところ、お菓子はあくまでツールであり、それがどんなものであっても、行きつくところは『感謝の気持ち』がしっかり伝わるかどうかだけです。
なので、お菓子を選ぶ際に、時間とお金がかかり過ぎて自分に負担がかかるのも問題です。『背伸びせず、可能な範囲で』を意識するようにしましょう。
もしかしたら、新しい職場のための準備が終わっていない人、これから転職活動が始まる人も多いと思います。そんな大切な局面を迎える中で、退職時のお菓子を考えるあなたはきっと素敵な人柄に違いありません。
その思いが、これからの人生に良い流れを呼び込んでくれるはず。退職時に渡したお菓子で広がる笑顔を胸に、新天地でも頑張っていきましょう。