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どちらを目指す?スペシャリスト、ゼネラリストのメリット・デメリット

「スペシャリスト」、「ゼネラリスト」という名前を聞いたことはあっても、詳しく知らない人が多いかもしれません。専門的知識を持ったスペシャリスト、広範囲の知識を持ったゼネラリストと一般的に説明されます。

個人の性格や特徴で、どちらかに分類されることもあれば、どちらかを選んでキャリアを積んでいくことも可能です。スペシャリストとゼネラリストのそれぞれのメリット・デメリットや、どちらが有利なのか、詳しく見て行きましょう。

もくじ

スペシャリストとゼネラリストのメリット・デメリット

「スペシャリスト」は、技術者や専門家ともいわれるもので、特定の分野に詳しい人のことです。職業で言うと、医者や弁護士、看護士、コンサルタント、デザイナー、プログラマーなどがスペシャリストです。

基本的に同じ職種を長く続ける人が多いのですが、関連する部署への異動をすることがあります。関連部署を経験し「営業のスペシャリスト」や「事務系スペシャリスト」と呼ばれることがあります。

「ゼネラリスト」は、分野を限定しないで、広い範囲の知識や技術を持っている人のことです。大企業の総合職や公務員などが主な例です。

2~3年で異動や転勤があり、1つの企業で様々な部署を経験することが多いでしょう。そして会社全体を見ることができる人材として、マネージャーや管理職になる傾向にあります。

スペシャリストのメリット・デメリット

スペシャリストのメリットは、専門的分野がハッキリしていることです。職種が限定されて採用されることが多いので、入社してからのギャップが少ないといえます。

得意分野に集中して仕事をしながら、自分の能力を高めていくことができる利点があります。そして、高めた能力を生かして、転職することも可能です。

デメリットは、専門分野が社会にどれだけ求められているのかによって給料や需要が左右されることです。得意とする分野の人材が不足している場合には、高待遇であったり、採用されやすいでしょう。一方で、需要のない分野であれば、就職が難しいことがあります。

ゼネラリストのメリット・デメリット

ゼネラリストのメリットは、様々な部署を経験することができます。会社で必要な管理職候補として、幅広い知識を身につけていきます。様々な経験を通して、好きな分野や得意な分野があれば、将来的にスペシャリストになる道もあります。

デメリットは、ゼネラリストは基本的に1つの会社で働くことが前提となっている点です。これまでの日本のでは、デメリットにはなりませんでしたが、会社の倒産や転職したい希望など何が起こるか分かりません。

特に、ゼネラリストが20代で転職する際に、能力をどのようにアピールできるかというのは難しい点です。スペシャリストなら、得意分野がハッキリしていて、別の会社で能力を高めてきたことがアピールしやすいでしょう。ゼネラリストの場合は、20代での転職が難しいと言えます。

スペシャリスト、ゼネラリストどちらを目指す?

スペシャリストとゼネラリストそれぞれのメリットとデメリットをご紹介しました。どちらを目指せばよいのかは、個人の性格がどちらの特徴に合っているのかによって変わってきます。

2つの分類の基本的な特徴の違いは、1つのことに集中し知識を深めていくことが好きならスペシャリスト。特定の分野に捉われず幅広い知識を持ちたい人はゼネラリストです。

スペシャリストに向いている人とゼネラリストに向いている人の特徴を知ることで、自分にはどちらが適しているのか考えてみましょう。家族や友人に自分がどちらのタイプなのか聞いてみるのも良いかもしれません。

スペシャリストに向いている人の特徴

スペシャリストは、専門知識を深めていくので、探求心や向上心が強い人が向いていると言えます。専門分野が自分の好きなことだ、というパターンが多いでしょう。

1つのことに集中して取り組み、技術や能力を高めていくことが好きなタイプです。最新の動向に敏感で、どのように知識を深めていくか、何が必要とされているかを知っておく必要があります。

就職前に好きな分野や得意分野がある場合、専門学校で勉強したり、大学のその分野を専攻することが多いでしょう。

ゼネラリストに向いている人の特徴

ゼネラリストは広い範囲の知識を持つことが求められます。広い視野を持って物事に取り組む姿勢が特徴です。1人で何かに集中して取り組むスペシャリストとは正反対です。

管理職候補として社内で育てられるゼネラリストは、人をまとめる力が必要です。プロジェクトに向けてチームをまとめていく調整力がその1つです。チーム全体を見て、何をするべきか判断し、物事を進めていきます。

社内の人たちや、外部の人たちとの連絡を円滑にするコミュニケーション能力も必要です。大学のサークルなどチームで何かすることが好きな人に向いています。

どちらを選ぶかよりも自分に何ができるか見極める

就職や転職でスペシャリストか、ゼネラリストかどちらを選んだら良いのか迷うことがあるかもしれません。キャリアを積んでいく上で、どちらかを絶対選ばないといけない場合以外は、特に選ぶ必要はありません。

一般的に企業に新卒で入社する際には、ゼネラリストとして採用されていることが多いでしょう。日本ではまだまだ1つの会社で勤め上げるという考え方が多く、会社の様々な部署を経験して、管理職になる人材を育てていきます。

自分に得意分野があり、その能力を生かして仕事をしていきたい場合は、職種を限定して仕事探しをすると良いでしょう。

転職しやすいのはスペシャリスト?ゼネラリスト?

転職の際に有利になるのは、スペシャリストかゼネラリストどちらなのか。ということが話題になります。実際は、どちらかが圧倒的に有利ということではありません。

理由は会社によって、求めている人材が違うため、一概にどちらが有利かとは言えないからです。ただし、年齢やその時代の流れによって、スペシャリストかゼネラリスト、どちらかが有利になることはあります。

例として、20代、30代ではスペシャリストのほうが転職しやすいことが上げられます。そして今の日本の流れとして、柔軟性のあるゼネラリストが求められている傾向にあります。

20代、30代ではスペシャリストのほうが転職しやすい

転職する際の年齢によって、ゼネラリストかスペシャリストかどちらが有利になるか変わることがあります。20代、30代ではスペシャリストのほうが転職しやすいと言われます。

その理由は、スペシャリストには得意な専門分野があるので、できることが分かりやすいためです。いくつかの部署を経験したゼネラリストの場合は、転職した先の会社でその経験が生かせるかどうかが不明な場合があります。

企業は、すでに求めている能力を持っているスペシャリストを採用することで、即戦力となることを期待しています。20代、30代では、転職の際にスペシャリストが求められる傾向にあります。

柔軟性のあるゼネラリストが求められている

1つの会社で生涯務める人が多かった一方で、日本でも転職する人が増えてきています。これまでは転職には専門的知識を持ったスペシャリストが有利であると言われていました。しかし、日本では、現在の流れとして、柔軟性のあるゼネラリストが求められていると言われています。

営業でも接客でも、お客様の様々なニーズに柔軟に対応できる人材が必要です。スペシャリストとも連携しながら、まとめていくことができるのはゼネラリストです。

多様化するニーズや環境の変化にも適応していくには、柔軟性をもったゼネラリストが求められています。

スペシャリストからゼネラリストへの道もあり

一度スペシャリストかゼネラリストか決まったからと言って、変更できないものではありません。スペシャリストかゼネラリストか決めてキャリアを積んでいたとしても、思わぬところで転換する場合があります。

日本では、社内で経験を積み管理職になっていくゼネラリストが一般的でした。他の会社からスペシャリストが転職してきても、その人が管理職になるケースは少なかったかもしれません。

しかし、日本でもスペシャリストと呼ばれる人が増えています。スペシャリストとして活躍し続ける以外にも、専門的知識があるからこそ、管理職に抜擢されることも出てきました。

まとめ

スペシャリストとゼネラリストの基本的な違いや特徴、それぞれのメリットデメリットがお分かり頂けたでしょうか。どちらが自分に向いているのかは、それぞれの特徴と個人の性格によって変わります。

スペシャリストかゼネラリスト、どちらか一方が有利というものはありません。どちらか選ぶ際には、社会の流れやタイミングによって有利になる方が変わります。メリットデメリットも含めて、どちらを目指したいのか考えてみましょう。

一度決めてもスペシャリストからゼネラリスト、その反対へのキャリアチェンジも可能です。どちらを選ぶにしても、終身雇用の形態がなくなっていくなか、仕事に困らないようにキャリアを積んでいくことをお勧めします。

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