厚生労働省は仕事とストレスの関連について興味深いデータを発表しました。なんと仕事で何らかのストレスを抱えていると感じている人は仕事をしている人の半数を占めるという回答があったのです。
ストレスは万病のもと。心はもちろん体の不調をも招きます。心と体は密接に関連しているため、どちらかのバランスが崩れると、仕事でのパフォーマンスも発揮できなくなり、やりがいを感じなくなります。
また1日の大部分を占める仕事が辛くなると、当然QOL(Quality Of Life)も著しく下がってしまいます。果たしてストレスを感じずに済む仕事はあるのでしょうか? 転職を考える人には興味あるトピックではないでしょうか?
今回はストレスのない仕事をランキング形式で紹介したいと思います。
もくじ
仕事でストレスを抱えている人は全体の半数以上!
厚生労働省が平成27年に行なった調査によると働いている人に55.7%の人が仕事における問題でストレスを抱えていると回答しました。2人に1人は仕事に大きな充足感を感じられずに、何らかの問題を抱えているということですね。
ストレスの要因となる理由はさまざまです。仕事での対人関係や仕事の責任などの重圧などが代表的な要因のようです。
また、最近では電車の中でも駅でも転職エージェントの広告をよく見かけますよね。転職を容認する風潮になってきたこともあり、「よりストレスを感じずにすむ仕事につきたい」と考えている人は多いのではないでしょうか?
今回はストレスフリーに働ける職業を5つピックアップしてみました。もちろんどの仕事にもそれなりの大変さはありますし、専門性という点においても誰しもができるものではないかもしれませんが、参考にされてはいかがでしょうか?
ストレスのない仕事ランキング5選!サラリーマンにおすすめの職業は?
それでは、ストレスフリーに働ける仕事を5つ紹介していきたいと思います。今回ピックアップした職業は「IT企業の監視業務」、「農業などの一次産業」、「工場のライン勤務」、「警備員」、そして「フリーランス」として働く方法です。
農業はいうまでもなく天候に影響を受けますし、毎日の作業も大変ですから体力的にはチャレンジングな仕事といえます。他にも警備員も立ち仕事となることが多く、体にはある程度の負担がかかります。しかし、対人関係など心の健康の面ではストレスを感じにくい仕事が多いのではないでしょうか?
IT企業の監視業務でストレスフリーに働く
今は目に見えないWeb上のネットワークがインフラの時代。企業が導入しているシステムも常に誰かが見守ることでトラブルを早く発見し対応をしています。サーバーがダウンしたりすれば多くのユーザーに影響が出ることからIT企業の監視業務は非常に重要な仕事といえるのではないでしょうか。
実際にIT企業のネットワークやサーバー運用監視のお仕事はこの分野を志す人が最初に投入される部門とされているようです。実際に人々の生活を支えるITインフラを見守る仕事を始めてみれば、その仕事にやりがいを感じ、「さらに多くのことを学びたい!」と感じる可能性もあるかもしれませんね!
監視業務は未経験の人でも募集していることもあるので興味のある人はぜひいちど調べてみてはいかがでしょうか?
脱サラもおすすめ!マイペースに農業を始める
脱サラの代名詞ともいえる「農業」。都会の慌ただしい喧騒を離れ、自然の中で農業を楽しむ。これに魅力を感じるサラリーマンは多いのではないでしょうか?
とはいえ、農業は自然相手の仕事ですし、年によっては農作物の出来が悪く売り物にならないこともあります。常に天候を気にしないといけませんし、朝早く起きての畑仕事が欠かせません。体を動かすことが苦にならない人にとっては問題ないかもしれませんが、体力の自信のない人にとってはなかなかハードな仕事になるかもしれません。
とはいえ多くの人がデジタル漬けになっている昨今、レンタル農場なども都会で人気を集め、都市部のオアシスとして機能しています。農業に興味がある人は単身田舎に移り住む前にいちど都会でできる農業にチャレンジして適正を確認してみてはいかがでしょうか?
工場のルーチンワークで自分の仕事に集中する
上司部下の関係など煩わしい人間関係に疲れきっている人には工場で淡々とルーチンワークをこなすのはいかがでしょうか?体をリズミカルに動かすことで仕事をしている感覚が実感できますし、自分が普段何気なく使っているものが作られている舞台裏で働ける醍醐味もあります。
工場でのライン作業はどこの配属になるかによって、大きく内容は異なります。イヤフォンで音楽を聴きながら、自分の作業に没頭できる仕事もありますが、食品工場などでは衛生面で細心の注意を払う必要があり、重いものを動かす作業も必要です。
しかし、どれも体を動かす仕事なので、普段はオフィスでずっと座っているサラリーマンにとっては魅力的な仕事と言えるかもしれませんね。
ストレスが少なく自由度の高い警備員もおすすめ
日本は安全面で世界的に評価の高い国です。そんな安全大国日本を陰ながら支えているのは警備員の人たちです。警備員として働くメリットは地域や担当する企業の安全を守るというやりがいと、シフト制で残業が少ないため、時間の融通がききやすい点ではないでしょうか?
また夜勤で働く場合は給与も高くなる傾向にあるので、収入を減らしたくない、という人は一度検討されてみてはいかがでしょうか?ただ夜勤の場合はどうしても体に負担がかかりがちなのでここは自分の体と相談しながらになります。
また警備員の視点から自分の街や日本という国を見ることで新たな発見があるかもしれませんよ。安全についてのプロフェッショナルになることは今後のキャリアにおいてもプラスになることは間違いありませんね。
フリーランスになって自宅で働く自由を手に入れる
最後に、これは職業というよりは働き方のスタイルになりますが、フリーランスとして自由度の高い人生をデザインするというのも選択肢の一つです。
今この文章を書いている私もフリーランスのライターとして仕事をしていますが、場所の制限はないので自宅でも、お気に入りのカフェでも仕事ができる場所の自由があります。満員電車に乗ることもなく、気の合わない同僚や上司と無理に顔を合わせる必要もないのでそうした面でストレスは大きく減りました。また出勤退勤の時間を気にすることないので時間的な自由もある程度あります。
反対に自分のことは自分でマネジメントしないといけないのでそうした面ではサラリーマンにはないストレスを感じることもあります。また、成果主義なので該当分野におけるスキルは必須です。
ストレスをためたまま仕事を続けるとどうなる?
ストレスを感じにくい仕事を5つ紹介しました。簡単で気楽な仕事はないのでどの仕事もその仕事なりの大変さがありますが、自分が抱えているストレスの種類に合わせて転職を考えるのがいちばん良いのではないでしょうか?
今自分がやっている仕事に強いストレスを感じている場合は早めに対策を講じる必要があります。とくに対人関係のストレスや仕事の重圧によるストレスは長く続きすぎると心身に支障をきたします。
焦って転職をするのは禁物ですが、しっかりと自分の心と体の様子を観察し、異常を感じる場合は専門医の診察を早めに受ける必要があります。
今すぐ転職を!鬱病の症状が出始めたら危険サイン
ストレスが長い間続くと、軽いうつ状態になってしまいます。自分で気がつくような明らかな体の不調もあれば、なかなか自分では気が付きにくい部分もあります。
うつ状態から本格的なうつ病になってしまうと、医師による専門的な治療が必要になってしまいます。うつ病は一度治ったとしても再発の可能性もあり、心に大きなダメージが残ってしまいます。最近はこうしたうつに悩む人が増えてきており、やはり私たちがストレス社会に生きていることを実感しますね。
なんとなく朝、体がだるかったり、胃がきりきりと痛んだり。今まで大好きだったものに興味を持てなくなったり…そうした心や体の変化がある場合は早めに心療内科や精神科で医師の診察を受けるようにしましょう。
仕事のストレスによる体調不良や病気はこんなにもある!
仕事のストレスによる体や心のSOSはいろいろな形で現れます。目もとの筋肉が無意識に動くチック症や過敏性大腸炎などが代表的です。またストレスは睡眠の質に大きく影響します。朝起きた時に疲れがとれていないと感じたり、なんとなく会社に行く気が起きない場合は一度医師の診察を受けることをおすすめします。
実際に体の痛みを感じていなくても、ちょっとした体の不調が徐々に大きくなってしまうこともあります。ストレスによる変化は自分では気づきにくく周りから指摘されて始めて気がつくこともあるでしょう。
一人暮らしの人はどうしても周囲があなたの異変に気がつくのが遅くなりがちなので、普段からよく会う人が何人かいると安心ですね。
まとめ
ストレスのない仕事をするためにいちばん大切なのは自己理解です。転職先を考える際も自分がどんなことに幸せを感じるかによって次の仕事の充実度は大きく変わることでしょう。
例えば、収入が大きければ大きいほど幸せを感じる人は、収入を重視していない人に比べ、仕事のストレスを感じにくく、むしろそれをバネにして頑張ろうと考えられるかもしれません。しかし、収入だけでなく一緒に働く人とのコミュニケーションや仕事そのもののやりがいを求める人にとっては、日常の対人トラブルは強いストレスに感じるかもしれません。
つまり、転職先のリサーチは必要ではありますが、先んじてやるべきは自分が何をいちばん大切にしているのか、それを自問することです。
自分が大切なことをいちばん大切にする。そんな仕事ができれば仕事のストレスで悩むことはなくなるのではないでしょうか?