仕事ではたくさんの記事や報告書、メール連絡、文書連絡などを見る機会があります。また、調べものをするときには、本屋や図書館で分厚い資料を読み情報を得ることもあるかもしれません。そのようなときに、必要とされる技能の一つに「要点をおさえる力」があります。膨大な量の情報の中から、自分が必要としている情報をいかにピックアップできるか、などが求められると言えます。
今回は、この要点をおさえるために必要なことは、どのようなコツなのか?そして話をする際には、どのようにしてまとめたらよいのかについて見ていきます。
もくじ
仕事ではなぜ要点をおさえた話し方が評価されるの?
仕事をするときには、客先や社内の人向けに話す機会も多くなります。たくさんの人から注目されて、話さなければならないので、かなり緊張するものです。そして、いざ話すときに話の内容が、まとまっていなくて何を言っているのかが分からない、と場合もあるのです。
このように、会議や打ち合わせ、営業など他の人に話したり、また説明する場面では、要点をおさえた内容で話すことが重要なのです。要点をおさえた話は、聞いている人も聞きやすく間延びしないので、分かりやすいという特徴があるのです。ここでは、要点をおさえるための方法や練習について見ていきましょう。
要点が見えない話し方をしたときのデメリット
まず初めに、要点をおさえない話し方をした場合のデメリットを挙げていきましょう。要点が見えないと、第一に相手に言いたいことの内容が伝わりません。また、要点をおさえていない話し方は、どうしてもダラダラと長くなりがちです。このことで、聞き手が飽きてきてしまう可能性があるのです。
そして、仕事において要点をおさえない場合は、相手に誤解を生む可能性があり、これは本人にとっても会社にとってもデメリットになると言えるでしょう。また、自分が覚えたいことがあったり、資料を作るような場合も、要点をおさえてまとめる能力が必要なのです。自分の頭でまとめたものを、書き言葉にして表現する、ということができないと、仕事上です不都合が出てきます。
要点をおさえる練習:①文中から必要な言葉を選び出す
要点をおさえるための第一関門は、長い文章の中から、必要な言葉のみを選び出すということです。これは、キーとなる言葉を自分の目で見て、内容を理解した上でピックアップしなくてはならないので、速読力と文章の内容の理解力、そして重要な言葉を見つけ出す力が必要です。
この作業は、何か特別な能力が必要という訳ではありません。必要なことは、できるだけたくさんの書籍や文章を読み、その中から必要な言葉や節などを蛍光ペンなどでマークしてみる、という練習です。そして、これを何度も繰り返してみることをおすすめします。何度も行って慣れてくると、だんだんコツを掴み早くできるようになるでしょう。
要点をおさえる練習:②話すときの優先順位を決める
人前で話すときや、誰かに対して製品PRをするなど、ビジネスの場面では人に自分の考えや、製品についての情報を提供して、PRをするというときは、話すときにコツ必要です。話すときは、話の内容の順番をますは決めておきましょう。そして大事なことは、結論をまず先に伝えるということです。そして次に相手が知りたいと予想した事柄を優先的な順番で、話してみましょう。
話が長くなると、相手は「結局この人は何を伝えたいのだろう?」または「結局答えや結論は何なのだろう?」とだんだん飽きてきてしまいます。そうならないために、まずは「結論を申し上げます」ということから入りましょう。
要点をおさえる練習:③相手が知りたいことを強調する
もし、会社の取引先に対して、サービスや製品の説明をしている場合や、問合わせが入ったような場合、自分の知っていることを長々と一方的に話すことはNGと言えるでしょう。相手が知りたいことは、まず結論でそして次が、自分が知りたいことへの回答なのです。
前もって相手が知りたいことが分かっている場合は、そのための下調べを行いできるだけたくさんの情報を提供するとよいでしょう。そして、そのことをやや強調して話す練習をしてみるとよいでしょう。もし聞き手が、自分が知りたい情報をたくさん提供されると、とてもよいイメージを持ちます。そして、自分の知りたいことを分かってくれている、という信頼関係もできるでしょう。
要点をおさえる練習:④全体像と詳細の両方を入れる
要点をおさえるためには、まずその文章全体で何を伝えたいのか、何が重要なのか、ということを読み取って結論として伝えます。この作業はキーワード探しということになります。そしてキーワードは1つだけとは限りませんので、見落としがないようにしましょう。
その作業が終わったら、つぎの段階は段落ごとの概要をまとめてみましょう。このとき、あくまでも概要をまとめるということなので、長い文章にならないことが重要と言えます。このように全体像に関してと、段落の詳細の文章がまとまっていることが大切なのです。このようにして、文章をまとめ後は、自分で内容を読み返して確認をしてみると、案外気付かなかったことがあるのです。
要点をおさえるトレーニングには何がおすすめ?
要点をおさえる方法や、まとめるための勉強は現在の日本の学校ではあまり行われていません。そこで自分で日頃できる「要点をおさえるための練習」にはどのようなものがあるのかを、いくつかご紹介していきます。ここでは短い文にするための練習と、四字熟語のボキャブラリー、主語と述語を入れた文の練習などについて、解説していきますので、ぜひ参考にしてみて下さい。トレーニングで、長い文章を読むことが徐々に苦ではなくなるはずです。
短い文で概要やタイトルを作成する練習をする
要点をおさえてまとめる作業で、効果的にできる方法は、文章全体についてのタイトルを作成してみる、ということです。タイトルというのは、文章全体の概要ですので、とても重要な部分です。この作業のときは、文字数は少なすぎても多すぎてもNGです。おおよそ25文字~32文字ほどにするとよいでしょう。そして、あまり冗長的な言葉を使わずに、本文でキーとなる言葉をいち早く確実に見つける必要があります。
このときに気を付けたいことは、宣伝文句やキャッチコピーなどのように、宣伝目的の人目を惹き付ける言葉にしないということです。あくまでも文章の内容を表す言葉としてまとめましょう。そしてこの作業を何度も行うことをおすすめします。
新聞などの長い文章を読み、自分で要約してみる
タイトルを作成することに慣れてきたら、次にさらに長いボリュームのある文章にざっと目を通し、自分自身で要約するという作業を行ってみましょう。練習する材料は身の回りにある雑誌や新聞、本など何でもかまいません。また、映画を鑑賞した後に、その内容をこれから観る人に対して説明するという場面を想定しても良いでしょう。
ここで必要なことは、できるだけたくさんの文章を読んでみるということです。自分で内容が分かることと、相手に対して内容を伝えるという行為は、似ているようで全く違うものです。自分にインプットした内容をいかに効果的にアウトプットできるかを練習していきましょう。
一つの文を熟語 (4字熟語も含む) にする練習とする
日本語はひらがなとカタカナ、漢字が混ざり合った言語です。そして、外来語をそのまま音で表すときにはカタカナが使われます。漢字については熟語や4字熟語などの便利な漢字があります。これは漢字自体にそれぞれ意味がある言葉ですので、組み合わせることで文章を要約するということにもなる練習方法なのです。
練習では、一つの文から、その内容を示す熟語や4字熟語を作成してみましょう。この作業ではわざわざ書き出す必要はありません。目を通しながら、口にだして熟語をどんどん作成していくという風にしてみましょう。とにかく数をこなしていくことで、スピードもアップしてコツを掴めるようになります。
文法を正しく使う (主語・述語などの位置)
要点をまとめて、相手に伝えるときに気を付けたいことの一つが、文章の主語と述語を適当な位置に入れ込むということです。日本語はあまり主語を強調しない言語です。そしてそれ故に、途中から内容を聞き始めると何がテーマで主語なのかが分からなくなりがちなのです。このことを避けるために、主語と述語を文章に入れて、「これが」「それが」という言葉は、できるだけ控えるようにするとよいでしょう。
また、主語と述語は入れる位置も間違えないように注意が必要です。そして、ひとかたまりの文章にするときには、同じ述語が何度も連続して続かないように工夫したいところです。そして、使う言葉は簡潔で丁寧な言葉の表現にすると、誰が聞いても失礼に当たらないないようになります。
まとめ
ここまで、要点をおさえてまとめることの重要性、また文をまとめるための練習方法などについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。要点をおさえるということは特別な能力や才能が必要な訳ではありません。そして最初からすぐにできる人もあまりいないのです。
文章をまとめるためには、毎日少しずつでも文章を読み、考える機会を作ることが有効的と言えるのではないでしょうか。そして、タイトルを見かけたら、本文の内容をどのようにまとめてあるのか、という視線で見てチェックすると、自分の作成にもいかすことができるようになります。要点をおさえることができると、話すスキル・書くスキル共に上達させることができるのです。