生きていく上では、どうあってもストレスと縁を切ることは難しいものです。
家庭や職場、ありとあらゆる場所にストレスの種は存在しており、とりわけ、大人になってからは仕事が生活の大部分を占めますから、職場の滞在時間が長くなります。
そうなると必然的に職場でのストレスが増えてしまいます。
職場でのストレスの多くは人間関係に起因して起こります。
どうすれば職場の人間関係から生まれるストレスと上手く付き合っていけるのかを考えることは、非常に重要なことです。
なぜそうなるのかの原因と対策を考え、ストレスと上手に付き合えるようになりましょう。
もくじ
職場の人間関係はストレスの温床となっている
転職や離職、精神疾患などの原因の筆頭は職場でのストレスです。
その事実は国や会社も把握しているにも関わらず、効果的な施策はなかなかできない状態が続いています。
しかし、これは仕方のないことであるとも言えます。
人間関係が発端の問題は、その多くが被害を感じた人側の申告だけだからです。
物証がない場合がほとんどなので実態がつかめず、当事者間でも水掛け論になるため立証が非常に難しいのです。
暴力や傷害事件にまで発展すれば警察も動くことができますが、そこまでの状態になることは稀です。
この、そこまではいかないけど。という状態が続くことが精神的なダメージを蓄積、大きくしていきます。
これらの要因が、職場の人間関係から発生するストレスを見て見ぬふりをするしかないという類の問題にしている大きな要因の1つです。
このことから考えるべきことは、職場の人間関係が元で起こるストレスや実害に関しては、当事者でなければ容易に入り込めないということです。
難しいことですが、自分自身を高めること、考え方を変えることが解決への近道です。
どんなに頑張っても周りを変えることは非常に困難です。
この事実をしっかりと認識することから始めましょう。
職場の人間関係に悩むあなたは、真面目でスキルもある人です
真面目な人ほど、職場での人間関係でストレスを溜め込んでしまいがちです。
頼んだ仕事を最低でも期待値と同等、もしくはそれ以上で行うあなたは、周りから良くも悪くも頼られてしまいます。
また、そういう人ほど生来の気質として適当が嫌いという人が多く、そのために往々にして貧乏クジを引いてしまいます。
さらに、こういうタイプの人はスキルも比較的高めなことが多いために、より輪をかけて損な役回りをしてしまうことになります。
自分が損をしていると分かっているのに、生来の気質が邪魔をして適当に流すことができないというジレンマの中から、ストレスは生まれてきます。
自分自身の生き方を捻じ曲げることは、それ自体もまたストレスを生み出します。
真面目な人ほど、この袋小路に迷い込んで抜け出せなくなってしまい、ひどい場合は精神疾患を患ってしまうことにもなってしまいます。
スキルがあり真面目で、本来ならば職場で必要とされる人ほどこういう事態になってしまうというのは、なんとも腑に落ちないことです。
あなたはストレスが体に与える影響を軽く見てはいませんか?
ストレスはそのまま放置しておくと、思っている以上に深刻な問題に発展する場合があります。
蓄積したストレスが、体にどのような悪影響を及ぼすのか、どのようなサインを出してくるのかを知っておけば、
もしその症状がでてしまった場合でも、その原因を探ることができるため、適切な対応を取ることができます。
自分だけでなく、家族や友人などがそうなってしまった場合でも知っておけば気づいてあげることができますから、覚えておいて損はありません。
不眠はストレスが溜まっている典型的なサインの1つ
一口に不眠と言っても、その原因がハッキリしているかどうかでその性質は大きく異なります。
とても楽しみなことがあり気分が高揚して眠れない、大事な会議が控えていて緊張して眠れないなどです。
これらは原因がハッキリとしているため、この原因が取り除かれれば不眠は収まります。
こういうことは誰しも1度や2度は体験することですので、気にする必要はありません。
問題なのは原因がハッキリしない上に、不眠が慢性的に続く場合です。
こうなってしまうと不眠症とされ、病気の一種と診断されます。
引き起こす原因は必ずしも1つではありませんが、ストレスが引き金となっていることは広く知られています。
この様な症状が出ているということは、あなたが表面的に感じている以上に、心はストレスを抱えてしまっている可能性が高いです。
早く手を打たないと自律神経のバランスが崩れ、さらに適切な睡眠が取れなくなり負のループに陥ってしまいます。
眠れないだけだから、などと軽く考えずに医療機関を受診するなどして適切な対策をとりましょう。
最近は睡眠を専門に扱っている睡眠外来がある病院もありますので、可能であればそういうところを受診することもオススメします。
食欲不振もストレスが溜まり始めているサインの典型
気にかかることがあると、食欲が落ちてしまうことはよくあります。
不眠と同様に多くの人が経験することですが、これも慢性的に続くようであればストレスが溜まっているサインになります。
慢性的な食欲不振が起こると、睡眠と同様に自律神経やホルモンバランスが乱れてしまいます。
こうなってしまうと各種臓器に必要な栄養素が適切に供給されなくなってしまい、機能が低下してしまいさらに食欲不振が深刻化していきます。
適切な治療を受けずにほったらかしにしていると、重度の胸焼けや逆流性食道炎などの消化器系の病気に発展することもあります。
なにより、脳にも適切な栄養が供給されていないので、仕事のパフォーマンスが低下してしまいます。
そうなると、また新たな職場のストレスを生み出してしまう可能性もありますので、早急に専門医の診察を受けましょう。
うつ病は早いうちにそのサインに気づくことが大事
不眠症や食欲不振の段階で早めに適切な処置を受けることができれば良いですが、そのサインに気づけないまま、うつ病を発症してしまうこともあります。
うつ病は気分障害と言われるもので、集中力の低下や気分の落ち込み、自信喪失などが起こります。
これだけを見ると、そんなことは誰でもあることだと思う人もいると思います。
事実、うつ病はその存在を広く知られるようになった現在ですら、ただ怠けているだけと揶揄されることもあるぐらいです。
ただ、通常のそれとは違う部分として、一体何に対してこんなに気分が落ち込んだりしているのかが分からないということがあります。
要するに原因不明で気分が落ち込むということです。
うつ病は心の風邪と比喩されるように、キチンと対処をすれば治っていくものですが、神経伝達物質の異常が引き起こしている病気です。
ですから、専門病院で早めに治療をすることが非常に重要です。
早ければ早いほど症状は軽く済みますから、なんかおかしいなと思ったら、些細なことでも心療内科を受診しましょう。
未だに偏見がありますが、何一つ負い目に感じる必要はありません。
パニック障害はうつ病を加速させてしまう可能性がある
これも気づかない間に蓄積したストレスが引き金となって、突発的に起こることがある病気です。
強い動悸、息切れ、発汗、吐き気やめまいが30分から1時間程度続き、死ぬのではないかと不安に駆られる症状が起こります。
これをパニック発作と呼び、パニック発作が慢性的に起こることをパニック障害といいます。
また、電車やエレベーターなどの逃げられない場所でパニック発作が起こることを広場恐怖といいます。
この広場恐怖は、外に出ること自体が恐怖になってしまうので、引きこもるようになってしまいます。
こうなってしまうと、外に出て社会生活を送れない自分に対して劣等感を抱いてしまい、さらにうつ病を加速してしまう場合もあります。
1度起こってしまうと、自分ではコントロールできないため、薬による症状の緩和という対処療法を行う必要があります。
発作が起こることに慣れ、許容できるようになるには恐怖に立ち向かわなければなりません。
ですから専門医の受診も大事ですが、周りのサポートもとても大事になってきます。
まとめ 職場での人間関係のストレスを軽くできる心を持ちましょう
すでに触れた通り、職場での人間関係でストレスを溜め込んでしまう人の多くは、真面目な人です。
真面目だからこそ、自分の生き方や考え方を簡単には変えることが難しいのです。
と言って、なんの落ち度もないあなたがストレスを溜め込んで病気になってしまっては何が何やら分かりません。
腑に落ちない部分も多くあるとは思いますが、少しずつ考え方を変えていきましょう。
自分の考え方にそぐわない人がいても、真面目に仕事をしてくれない人がいても、そんなこともあるか。と寛容な心を持てるようになりましょう。
ストレスは受け取り方次第で大きく変わりますから、あなたの心1つで軽減することも可能です。
心を軽く、考え方を楽観的にしましょう。
どうしても無理なら一度距離を取ってみることや、逃げてみるのも良い手です。
一番大事なことはあなた自身がストレスで潰れてしまわないことですから。
職場での人間関係のストレスを軽くできる心を持つことができれば、人生のストレスの大部分を軽くできるということです。
一朝一夕に身につくことではありませんが、他でもない自分自身のために考え方を柔らかくしていきましょう。