人と話していると、「この人は何を考えているんだろう…」と感じることはありませんか?仕事やプライベートなど、人生において人との関わりは必要不可欠です。人の気持ちが理解できないとなれば、その関係性にも支障が出てくることでしょう。
たしかに、人の心を完全に理解するというのは極めて困難なことです。しかし、だからといって相手の気持ちを理解するのを諦めてはいけません。人の心を理解するための努力は、人と関わる限り続けるべきです。
そこでこの記事では、「人の心がわからない」と感じる人の原因や、その対策方法について紹介していきます。
もくじ
人の心がわからない原因は「自分だったら…」と置き換えること
では、なぜ「人の心がわからない」と悩むことになるのでしょうか?このような悩みを抱える人は、人の心を理解しようと試みるときに「自分だったら…」と考えてしまう傾向にあります。
あなたは人の気持ちを考えるときに、無意識のうちに「自分だったら…」と置き換えて考えてはいませんか?もしそうであれば、人の心を理解することが遠のくばかりです。
人というのは、それぞれ考え方や価値観がまったく違います。にもかかわらず、相手の心を考えるときに自分を基準にして考えるのは得策ではないでしょう。
人の心を理解するには、基準や視点をできるかぎり“相手”に向ける必要があります。これはとても難しいことですが、このことさえクリアすれば「人の心を理解できる人」に近づけるはずです。
人の心がわからない!相手の気持ちを知るためにできること
人の心を理解するためには、できるかぎり相手の視点で物事を考える必要があります。相手の立場や考え方、感情などをできるだけ理解したうえで判断するようにしましょう。
相手のことを理解するのは難しいことですが、少しずつ時間をかけて理解できるようにしていく気持ちが大切です。
ポイントは、「あの人だったら…」という相手視点の考え方。その相手視点を手に入れるための方法を、ここから紹介していきます。できることから少しずつ、実践していくようにしてください。
自分を理解する!まずはあなたの感情と向き合おう
あなたは、自分としっかり向き合って自分の気持ちを理解できているでしょうか?実は、人の心を理解するうえで、自分の気持ちを正しく理解することはとても大切なのです。
自分のなかにある感情に対して「〇〇があったから、こう感じたんだ」と理解することで同じ感情を相手でも感じられます。
極端な例になりますが、あなたが「いま自分が落ち込んでいるのは、人から認められなかったからだ」と理解できたとしましょう。その状態で人が怒られて落ち込んでいれば、「あの人は怒られて落ち込んでいるんだ」と理解できるはずです。
意外にも気づけていない人が多いのですが、自分のことを理解できていないのに人の気持ちを理解することなど不可能です。自分の気持ちを理解するほど、人の心も理解できるということを覚えておきましょう。
相手の立場を想像する!人は自分と違うことを考えている
先ほどお伝えした通り、人の心がわからない最大の原因は「自分だったら…」と考えてしまうこと。人の心を理解するためには、常に「相手だったら…」という視点で考えるべきです。
人というのは、それぞれ置かれている立場や物事に対する考え方が異なります。このことを理解しないかぎりは、人の心を理解することは到底できません。
相手の立場や考え方を理解するために必要なのは、相手のことを全体的に観察すること。日頃の言動から、多くのことを学ぶようにする意識が大切です。
人は誰だって、多くの面を持っています。良い点や悪い点も持っていますし、好きなことや嫌いなこともあるでしょう。人をひとつの点で見ることはせずに、全体的に観察するようにしてください。
人の話を聞く!相手の心を知るためには会話から
先ほどの“相手を観察する”と共通する部分がありますが、人の心を理解したければその人の話をよく聞くようにしましょう。人が話すことには、その人の価値観や人格を理解するためのヒントが多く潜んでいます。
そのヒントを逃すことなく、人の気持ちを理解するようにしてください。たとえ「この意見には賛同できないな…」と感じても、相手の話は最後まで聞くようにしましょう。話を聞いたうえで、その人の考え方を理解することが大切になります。
もちろん、相手から多く話を聞くためには、話を聞く姿勢がとても大切です。相手に合わせた話題や相づち、声のトーンなどを意識しながら会話を進められるようにしましょう。この意識を続けていれば、相手も心を開いてくれるはずです。
決め付けは厳禁!相手の感情や性格を決めつけない
人の気持ちを理解するうえで、“決め付け”は絶対にしてはいけません。「あの人は〇〇な人だろう」「この人は〇〇と考えているだろう」という考えは、理解から遠のく原因となるだけです。
このような決め付けは、無意識のうちに態度に出てしまいます。あなたの心のどこかに何かしらの決め付けがあれば、無意識のうちに相手に対する言動に表れてしまうのです。
たとえば、あなたに「あの人は怖い人だ」という決め付けがあった場合。おそらく、その相手と会話する際も怯えた態度が出てしまうでしょう。そうなれば、その人との関係が良くなることはありません。
人の心を理解するうえで、「相手がどんな人か?」と考えるのは重要なことです。しかし、それを勝手に判断して決め付けてしまえば理解が遠のくことになるのを覚えておきましょう。
考えて発言する!「相手はどう思うか?」がポイント
くり返しますが、人の心を理解するには「相手の立場や考え方」を理解する必要があります。そのうえで、「いま〇〇と言ったら相手はどう感じるのか?」と考えて発言することが大切です。
言葉を軽視する方も多いですが、言葉というのは本当に大きな力を持っています。たとえあなたに相手のことを尊重する気持ちがあったとしても、言葉でそれを表さなければその気持ちは相手に伝わりません。
ですので、相手に対する発言には最大限の注意を払うようにしましょう。「自分の言葉で相手はどう感じるのか?」と常に意識しながら日頃の会話をしてみてください。
相手のことを考えた言葉を日常的に使うことで、相手から見たあなたは“自分のことを理解してくれる人”となれるはずです。
人の心がわからないのは病気?症状別の可能性がある病気は?
ここまで、人の心を理解するための方法について紹介しました。大切なのは、物事に対して「相手だったら…」という視点で考えることです。これを意識し続ければ、少しずつ人の心が理解できるようになるでしょう。
ただ、この方法で悩みを改善できればいいですが、なかには「この方法で改善できない場合」が少なからずあります。それは、何かしらの“病気”を患っている場合です。
ここでは、可能性のある病気について紹介していきます。万が一のこともありますので、あなた自身に思い当たる点がないかを確認するようにしましょう。
アスペルガー症候群:相手の言葉から察せられない
「人の心がわからない」と悩む人が、患っている可能性のある病気として“アスペルガー症候群”という病気が挙げられます。アスペルガー症候群とは、脳の機能障害であり発達障害のひとつです。
特徴としては、
- 相手の言葉の裏を察せられない
- 人を傷つけることを言ってしまう
- 空気を読むことが苦手
- 一度に複数のことを処理できない
- スケジュールやタスクの管理が苦手病院に行ってすぐに治るわけではないでしょうが、医師からのアドバイスを受けることで何かキッカケをつかめるでしょう。
- などが挙げられており、仕事においては周囲とのコミュニケーションに困る方が多いと言えます。もしこのような特徴に心当たりがあれば、速やかに医師の診察を受けるようにしてください。
パーソナリティ障害:コミュニケーションが不安定
もうひとつ、考えられる可能性として“パーソナリティ障害”という精神疾患も挙げられます。このパーソナリティ障害とは、一般の人と比べてかなり偏った考え方を持ち、その偏りが自身や周囲の生活に支障をきたしている人の症状を指します。
- 奇妙で風変わりな言動を起こす
- 感情的になって周りを巻き込む
- 不安感が強く他人に依存しすぎるこのパーソナリティ障害は、他の精神疾患を引き起こす原因となる可能性がありますので、もし心当たりがあれば、早めに医師の診断を受けましょう。他の精神疾患を併発してしまえば、より治療に時間がかかってしまう恐れがあります。
- という3つのタイプがあり、周囲から見ると「ちょっと変わった人」と認識されやすい精神疾患でもあります。
まとめ
「人の心がわからない」という悩みは、コミュニケーションにおいて解決するべき悩みです。すべてを理解するのは難しいですが、できるかぎり相手の気持ちを理解して、心地いいコミュニケーションを取れるようにしましょう。
ポイントとしては、人の気持ちを考えるときに「相手だったら…」と考えること。そのためには相手の立場や考え方を理解し、尊重することが大切です。
ただ、極端に「人の心がわからない」と悩むのであれば“病気”を患っている可能性も考えるようにしてください。つらい話になりますが、治療が遅れてしまえば取り返しがつかなくなる可能性もあります。
もし“病気”を患っていれば、できるかぎり早い発見や理解が必要です。ですので、改めて自分の現状を把握し、正しい対処ができるようにしましょう。