“外資系企業”と聞くと、あなたはどのような印象を受けるでしょうか?
「英語力が必要」「働き方がまったく違う」「能力や成果が評価される」「給料が高い」など、イメージは人それぞれだと思います。
そのなかで、あなたに「外資系企業に転職したい!」という思いがあれば、外資系企業の特性や考えられるリスクを把握したうえで転職をする必要があります。
そこで今回は、
- 外資系企業への転職で考えられるリスクとその対策
- 外資系企業で求められる能力やスキル
- 外資系企業への転職におけるおすすめエージェント
- について、紹介していきます。
もくじ
外資系企業と日系企業は環境が何もかもが違う
そもそも外資系企業というのは、日系企業と何が違うのでしょうか?極端なことを言うと「何もかもが違う」とも言えるでしょう。
仕事に対する考え方や評価制度、求められるスキルなど、さまざまな点で日系企業と特性が異なります。
たとえば、日本で当たり前とされている“年功序列制度”は外資系企業では通用しません。
同時に終身雇用の考え方もないため、「少しずつ経験を積み上げていけば評価されていく」と考えて仕事をしていては、周囲から置いてけぼりにされる可能性もあるでしょう。
外資系企業では、「成果を出しただけ給料が上がる」「働き方が日本よりフレキシブル」「評価が平等にされる」など、日系企業と比べると多くのメリットがあるのも事実です。
しかし注意したいのが、このメリットだけを見て「外資系企業に転職したい!」と考えるのは“危険”だということ。メリットを見るとともに、事前に“考えられるリスク”も把握したうえで転職を考えるようにしましょう。
外資系への転職!知っておきたいリスクとその対策は?
外資系企業というのは、日系企業と比べると多くの面で違いがあります。その違いを知るとともに、考えられるリスクを転職する前に把握しておくようにしましょう。
特に、今まで日系企業で多くの社会経験がある方は注意が必要になります。実際に、外資系企業に転職を成功させた方の中でも「こんなに文化が違うのか…」と戸惑う方が多いようです。
では、具体的にどのような“違い”があるのか?ここからは、その違いによって“考えられるリスク”について紹介していきます。リスクを知り、事前に対策を練るようにしましょう。
英語力が必要!長期的には求められるスキルに
そもそも外資系企業というのは、外国法人または外国人からの一定以上の出資があって成り立つ企業です。
当然ですが、ある程度の英語力があればベストですし、少なくとも英語に対して“学ぶ意欲”がなければいけません。
外資系企業の中には、入社時「英語力は必要ない」と言って募集をする企業もあります。しかし、それはあくまで「現段階では必要ない」という場合がほとんど。
長期的な視点で見ると“英語力”が必要な場面もあるでしょうし、英語を話せないことでチャンスを逃すこともあるはずです。
もし同程度の能力で、英語を話せる人と話せない人がいれば、間違いなく英語を話せる人がチャンスを獲得していくでしょう。
「英語力がなくても大丈夫!」という求人も見られますが、それを見て「英語を勉強する必要はない」と思ってはいけません。
たとえ英語を話せなくても、「英語を勉強して理解できるようにしよう」という“意欲”は絶対的に必要になります。
働き方が大きく異なる!日系企業とはまったく違う
外資系企業における特徴のひとつとして、働き方や評価制度が日系企業と大きく異なることが挙げられます。日本では“当たり前”とされている制度も外資系企業では通用しないということを覚えておきましょう。
例えば、終身雇用制度や年功序列制度は、外資系企業では通用しない考え方のひとつです。
日本だと「少しずつ経験や勤務年数を積むことで評価されながら、ひとつの会社でずっと働き続ける」という考えが一般的かと思います。しかし、外資系企業では「仕事における成果や能力で判断する」という考え方が非常に強く、“クビ”も十分に考えられるのです。
また、日系企業と比べると「福利厚生が少ない」という特徴も持つ外資系企業。日系企業と比べるとさまざまな点で異なるため、その違いを知って対応する力が必要になります。
外資系=高給ではない!成果がすべてを左右する
外資系企業に対して、「給料が高い」とイメージを持つ方は多いはずです。確かに、仕事の成果を出せば日系企業に勤めているよりも多くの報酬を得られるでしょう。
しかし、逆に言うと「成果を出さなければ多くの報酬を得られない」とも言えるのです。
外資系企業のほとんどは、“成果主義”の考え方を取り入れて人事評価をしています。つまり、「仕事の成果を出せる人には正当な報酬を与え、成果が乏しい人には報酬を与えない」と考えているのです。
また、外資系企業の給料の高さには理由があります。
- 仕事の責任が重い
- 福利厚生の少なさ
- 退職金制度がない
- 終身雇用のような将来への保障がない
- などが挙げられます。これはどちらが良いという問題ではありませんが、「自分はどっちに合っているのか?」と考える必要があるでしょう。
クビもあり得る!自身のスキルや成果がすべて
“成果主義”の考え方が強い外資系企業。「仕事の成果や能力が足りていない」と会社から判断されると、会社を“クビ”になる可能性も十分に考えられます。
日系企業だと終身雇用の考え方が根付いているため、よっぽどのことがない限り“クビ”という処分を与えられることはないでしょう。
しかし、外資系企業では“能力不足”を理由にクビを言い渡されることは少なくありません。
もちろん、外資系企業でも「明日から来なくていい」と言われることはないでしょうが、日系企業と比べると“社員を解雇するハードルが低い”ということは覚えておきましょう。
外資系企業では、常に優秀な人材が求められています。仕事の成果を出し続け、常に自身の能力を会社へアピールし続ける必要があるでしょう。
そのためにも、常に仕事に対して向上心を持ち、自身を高めていく努力を続けることが大切です。
積極的な姿勢が必要!指示待ちでは成功しない
仕事に対して積極的に取り組めない人は、外資系企業では「成功する可能性は低い」と言われています。
上司からの指示を受けて仕事をする傾向が強い日系企業とは違い、外資系企業では自分から仕事を見つけて改善していく意欲が大切です。
日系企業では上司からの指示を受けて仕事に取り組むケースが多いですが、外資系企業では「自分から積極的に仕事を見つけて、自分なりに仕事のやり方の改善や効率化に取り組んでいく」という考え方が“当たり前”になっています。
ですので、「自分から仕事を見つけて取り組む」という姿勢が大切です。逆に言うと、この姿勢をアピールできなければ周囲から評価されることはないでしょう。
また、外資系企業では「人と育てる」という考え方が弱いとも言われています。
日系企業では丁寧に仕事を教わる機会が多いですが、外資系企業では「周りからスキルを盗んで成長する」という姿勢で自分から学ぶことが必要です。
外資系企業で成功するために必要な能力とは?
外資系企業には日系企業とのさまざまな違いがあり、その違いから考えられる“リスク”があります。そのリスクを転職前に正しく把握して、正しい対策を立てられるようにしましょう。
また、働く環境や価値観が異なるということは“求められる能力”が異なるということ。転職先で成功するためには、その求められる能力を発揮して会社に貢献しなければいけません。
では、外資系企業ではどのような能力やスキルが求められるのでしょうか?求められる能力を正しく把握して、外資系企業から“求められる人材”になれるようにしましょう。
高い向上心!常に自分のスキルを高める思考が必要
外資系企業では、仕事における成果や能力によって評価がされます。ですので、成功をおさめるには、自分の能力やスキルを高めるための“向上心”が必要になります。
会社側が「成果を出している人」や「能力が高い人」を評価する姿勢を見せているため、社員も「仕事の成果を出そう」「能力を高めよう」という“向上心”を強く持った人が多い傾向にあります。
ですので、もし「現状維持で良い」と考えていれば周囲から遅れをとるのは当然のことです。
仕事に対して積極的な姿勢を見せないと、「あいつはやる気がない」と上司から判断されることになって、チャンスを逃すことになりかねません。
「自分を高める」という向上心を持つとともに、自分から積極的に仕事に取り組む姿勢を見せ続けることが必要になります。
コミュニケーション能力!空気の読みすぎはダメ
日系企業と比べると、外資系企業にはさまざまな価値観を持つ方が集まっています。多国籍な職場であるケースも多いため、一定以上の英語力を含めた“柔軟なコミュニケーション能力”が必要になるでしょう。
また外資系企業では、自分の考えや意見を発信できない人は「いないのと同じ」と評価されます。
例えば会議でも、ただ話を聞いてメモを取る人に対して「会議に出なくてもいい」と伝える会社もあるほど。普段から自身の考えと向き合い、その考えを周囲に発信するように心がけましょう。
ですので、日本人特有の「空気を読む」「暗黙の了解」という思考は、“必要のないスキル”とも言えます。
外資系企業で働くうえで「上司が言っていることに従う」という姿勢は、“不要な気遣い”なのです。
柔軟な適応力!日系企業とは働く環境がまったく異なる
繰り返しになりますが、外資系企業の働く環境は日系企業とはまったく異なります。ですので、外資系企業への転職をするには“新しい価値観に対応する力”が必要になるでしょう。
例えば、あなたが「数年勤めた日系企業から外資系企業への転職を考えている」場合、本当にたくさんの変化に対応していかなければなりません。
働き方はもちろん、評価制度や労働時間、社員が持つ価値観など、さまざまな点で「前の会社とは違うな…」と感じるでしょう。
外資系企業で働くのであれば、そのさまざまな変化を受け入れる必要があります。
もちろん、すべてのことに対して「Yes」と答えるイエスマンではいけませんが、新しい価値観を受け入れたうえで“自分の意見”を伝えられるビジネスマンを目指しましょう。
特定分野のスキルや経験!外資系では強みが活かせる
成果主義の考え方が強い外資系企業。そのなかで活躍をするためには、何かしらの“会社に貢献できるスキル”が必要となります。
人がしていない経験や持っていないスキルを持っている人は、外資系企業からも重宝されるはずです。
ですので、外資系企業への転職を考えている方は「自分に何ができるのか?」と「そのできることで会社にどう貢献できるのか?」ということを明確にしておく必要があります。
それを伝えて、企業から“必要な人材”と認められることが大切です。
また、何かしらのスキルがあれば、外資系未経験でも採用される確率がかなり上がります。「日系企業で〇〇の経験をしているので、この経験で会社に貢献できる」とアピールすれば、未経験であろうとも採用されるでしょう。
何がなんでも結果を出す根気!結果が出なければクビも
先ほどお伝えした通り、外資系企業では日系企業のような終身雇用の考え方はなく、最悪の場合“クビ”を言い渡される可能性も十分にあります。
ですので、「どんな状況でも結果を出す」という根気が必要です。
例えば仕事で失敗した時、日系企業では「これを経験にして次の機会で成功すればいい」と考えると思います。なぜなら、“確実に次のチャンスがあるから”です。
しかし、外資系企業では必ずしも次のチャンスが来るとは限りません。
また、日系企業と違って“努力”で評価される機会が少ないと言えます。ですので、“とにかく成果を出す”ということを意識して仕事をしなければいけません。
常に多くのことにチャレンジをして、周囲へ“成果”としてアピールをしていきましょう。
外資系企業を目指す!おすすめの転職エージェントとは?
外資系企業への転職を実現させるためには、日系企業との違いや独特な労働環境を正しく知ることが必要になります。
とは言っても、外資系未経験の方にとっては、その違いや特性を正しく理解することは難しいと思います。その場合、“転職エージェント”を利用してみてはいかがでしょうか?
転職エージェントは、いわば“転職のサポート”を受けられる無料サービスで、未経験での挑戦をするうえでは本当に強い味方となるはずです。
そこで、ここからは「外資系企業への転職を目指す人が利用するべき“転職エージェント”」を3社紹介していきます。正しくサービスを活用して、理想の転職を実現させましょう。
JACリクルートメント:ハイレベルな転職に
『JACリクルートメント』は、外資系企業の求人紹介に強い転職エージェント。“総勢550名以上”のコンサルタントが所属しており、外資系企業に強いコンサルタントが多数いるため専門性の高いアドバイスが受けられるでしょう。
エージェント登録後はコンサルタントとの“キャリア面談”が実施され、面談は東京や大阪を中心に多くの地方でも受けられます。
特徴として“レジュメの添削”と“面接対策”が挙げられており、外資系企業で必要になることも多い“英文レジュメの添削”も対応が可能になります。
また、『JACリクルートメント』が得意とする年代は“30代以上”。
管理職の提案も多いので、「前職で管理職をしていて、今回は外資系企業でキャリアアップをしたい」と考えている方にとっては理想的な提案を受けられるはずです。
ロバートウォルターズ:転職に関するアドバイスが豊富
『ロバートウォルターズ』は外資系企業に特化した転職エージェントで、英文での履歴書・職務経歴書の書き方や面接での立ち居振る舞い、キャリアプランの高め方などのアドバイスを受けられます。
『ロバートウォルターズ』には、“キャリア相談”というサービスがあります。
このサービスは、まず職務経歴書や英文履歴書をコンサルタントへ提出し、その経歴書の添削や求人紹介が受けられるサービスです。
所属しているコンサルタントは外資系企業の求人紹介の経験が豊富なため、具体的なアドバイスが得られるでしょう。
公式サイトには「外資系企業の基礎知識」「英文履歴書の書き方」「英語面接で聞かれること」など、外資系企業への転職に役立つ“コラム”も数多く書かれています。
ですので、「未経験で知識はないけど、外資系企業に転職したい」と考えている方にとっては、得ることの多いサービスと言えるでしょう。
マイケルペイジ:歴史のあるリクルーティング会社
『マイケルペイジ』は、世界の一流企業に分野のスペシャリストを紹介するリクルーティング会社。
外資系企業を中心に転職支援や求人紹介を行っており、質の高いサービスを提供している会社です。
外資系企業の求人が業界問わず掲載されており、「外資系企業に入りたいけど、幅広い業界・職種の情報を知りたい」と考えている人は幅広い情報を得られるでしょう。
また、公式サイトには外資系企業への転職におけるアドバイスを中心に、転職時に役立つ情報や今後予想される市場の動向に関する記事が数多く掲載されているため、転職の際参考にしてみてください。
ただ、この『マイケルペイジ』は“スペシャリスト”を紹介するサービスになるので、求職者に求められる能力が高いのも事実です。
自身の強みを明らかにして、サービスの利用をしていきましょう。
まとめ
外資系企業への転職における最大のポイントは、「働く環境と求められるスキルが日系企業とは違うということを把握する」こと。
この点を正しく理解できなければ、あなた自身が理想とする転職の実現は難しいでしょう。
日系企業から外資系企業への転職をする際、多くの変化に悩まされると思います。
仕事に対する考え方や評価制度、求められるスキルなど、「こんなにも違うものなのか…」と感じることもあるはずです。
ですので、転職する前に多くの情報を手に入れて転職に臨む必要があります。
そこで、外資系企業に関する情報を得るために“転職エージェント”を利用するのもいいでしょう。
外資系企業に特化したエージェントでは、かなり多くの知識と経験を持っているため転職に関する具体的なアドバイスを受けられるはずです。
まずは外資系企業における“リスク”を把握し、それぞれの対策を練って知識をつけたうえで“理想の転職”を実現させるようにしましょう。