近年では多くの方が新たな環境を求め、転職活動をしています。現在では転職市場が“売り手市場”とも言われており、転職に関するハードルも低く働き方の選択肢が増えている状況でもあります。
ただその中で、転職は就職とは違って“孤独”であるのも事実。いざ転職活動をするとなると不安を感じてしまう機会も多く、この“不安”と向き合っていかなければいけません。
そこでこの記事では、転職活動における“不安”に対しての向き合い方や、解消するための方法を紹介していきます。
もくじ
不安とどう向き合う?転職をスムーズに進めるために
転職をする上で、多くの方がさまざまな不安を抱えています。しかし、これらの不安と上手に付き合わなければ、一歩が踏み出せずにチャンスを逃してしまうかもしれません。
- 転職先が本当に決まるのか?
- 希望する会社に入社できるのか?
- 面接で自分をアピールできるのか?
- 活動に時間がかかってしまわないか?
- 金銭的な余裕がなくなってしまわないか?
など、本当にさまざまな不安を感じるでしょう。転職活動をする上で、これらの不安と向き合うことは必要不可欠です。
ここでは、転職活動における不安との向き合い方について紹介していきます。上手に不安と付き合いながら、スムーズに転職活動を進めていきましょう。
不安からは逃げない!まずは向き合うことから
転職活動中は多くの不安を感じるでしょうが、その不安から目を背けて、「なんとかなる」と楽観的に転職を進めてはいけません。不安と向き合って解消しなければ、その不安から逃れようと判断を焦ってしまうでしょう。
転職というのは、あなたの人生にとって本当に大きな分岐点。さまざまな不安を感じてしまうのは当たり前のことですので、それらと正しく向き合って解決しながら活動していくことが大切です。
もちろん、不安に対して真っ向から戦う必要はありませんし、無理に押し殺す必要もありません。まずは、不安を感じている自分を認めることから始めましょう。
転職活動において、焦りは禁物です。あなたが納得できる転職を実現させるためには、ある程度の“不安と向き合う時間”が必要であることは覚えておいてください。
何に不安を感じているのかを紙に書き出すと効果的
では、不安と向き合うには何から始めればいいのでしょうか? オススメの方法として、不安に感じていることを“紙に書き出すこと”が挙げられます。紙に書き出して見える形にすることで、自分が抱えている不安を客観視できる状態にしましょう。
多くの人は不安を感じているとき、頭の中でどんどん悪い方法へ考えてゆき、無意識のうちに不安を大きくしてしまいます。「アピールできるスキルがない」→「自分には何もないのかもしれない」→「それでは転職がうまくいくはずがない」→「面接を受けるのが怖い」というように、どんどん悪い方向へ考えを進めてしまった経験はありませんか? こうなれば頭の中は不安でいっぱいになり、他のことを考える“余裕”がなくなるでしょう。
しかしこの“不安の連鎖”を紙に書き出すと、ひとまず頭の中が空っぽになります。その上で書き出された不安を客観的に見ることで、「あぁ、自分は〇〇に不安を抱えていたんだ」と、一目で“結論”にたどり着けるのです。
また、実際に書き出す際には、できるだけ自分に正直に不安を書いていくようにしましょう。少しでも「こんなこと書きたくない」と思ってしまうと、あなたが感じている不安への理解が遠のいてしまいます。
不安の解消!「どうすればいい?」と対策を練る
さて、自分に正直になって転職に関する不安を書き出した後は、それらの不安に対して「どうしたらいい?」と対策を考えるようにしましょう。おそらく、不安を紙に書き出したあなたの頭はスッキリしており、課題を客観的に見られるため、普段よりもクリアな思考で物事を捉えられるはずです。
ここでのポイントは“2つ”。「なぜ?」と深掘りすることと、不安を客観的に見ることです。たとえば、自分に長所がないことが原因で「転職活動がうまくいくのか?」と悩んでいる場合。「長所がわからない」という原因に対して、まずは「なぜ?」と深掘りをします。
「長所がわからない」→「なぜ?」→「過去の振り返りが不十分かもしれない」→前職や学生時代をもう少し具体的に振り返る
というように、不安の原因になっているものに対して“原因の原因”を突き止めるようにしましょう。「そんな簡単に原因がみつかるの?」と感じるかもしれませんが、不安を紙に書き出した状況では頭の中にも余裕があり、不安を客観的に見られるため、普段よりも深く物事と向き合えるはずです。
転職活動の不安に対する具体的な対応策とは?
ここまで、転職活動に対する不安との向き合い方を紹介しました。まずは自分が抱えている不安と向き合い、紙に書き出して整理した上で不安を解消していきましょう。
とはいえ、「〇〇の場合はどうすればいいの?」と具体的な悩みを抱えている方も多いはずです。もちろん抱えている不安によって解消方法も違いますし、正しい向き合い方も変わってきます。
ここからは、転職活動に対する不安の代表的な例をいくつか取り上げ、それに対する“オススメの対応策”を紹介していきます。
内定を取れるかが不安!ポイントは視点の切り替え
おそらく、ほとんどの方が抱えているのが「転職先が決まるのか?」という不安でしょう。特に初めて転職する方は新卒以来の活動でしょうし、内定をもらえる自信が持ちにくいかもしれません。
「転職先が決まるのか?」という不安に共通して言えることが、何かしらの“別のこと”が原因になっているということ。
- 自分のスキルや経験に自信がない
- やりたい仕事がぼんやりしている
- 面接でしっかり話せるかわからない
- すでに何社か選考に落ちてしまった
- 長所がないと考えている
など、「転職先が決まるのか?」というのは表面的に出ている“ぼんやりした不安”であり、少し深掘りすると別の不安が出てくるはずです。その別の不安に対して「なぜ?」と深掘りすることが不安解消のコツになります。
また、言ってしまえば、採用というのは“相性”に依存します。たとえ選考に落ちたとしても、それはあなたと企業の相性が合わなかっただけ。「転職活動はあなたと相性の合う会社を見つける活動である」と考えると、少し気持ちが楽になるはずです。
面接でアピールできるか不安!長所を把握する
転職活動において、絶対に避けられないのが“面接”。自己PRや志望動機、前職での経験など、「面接でうまくアピールができるのか?」と不安を感じている方は少なくないでしょう。その不安を解消する方法は、あなたの“過去”を徹底的に振り返ることしかありません。
「面接でうまくアピールできるのか?」と悩んでいるということは、あなた自身が自分の長所やアピールポイントを理解していないということ。それでは相手に伝えられませんし、不安を感じてしまうのは当然のことです。
そこで自分の長所を知るためにも、“過去”を徹底的に振り返りましょう。というのも、面接で長所をアピールする際には、必ずと言っていいほど“根拠”を求められます。たとえば長所が提案力ならば、根拠は「前職でクライアントが抱える問題に対する提案を繰り返し行い、結果的にクライアントの問題が○%改善された」というもの。
つまり、面接における長所のアピールは“過去の経験ありき”なのです。この根拠をおろそかにして「自分の長所は〇〇です!」とアピールしても、面接官に「なぜそう思ったの?」と返されるだけでしょう。
中には「自分に長所はない」と悩む方がいるかもしれませんが、絶対にそんなことはありません。過去の成功体験や周りから感謝されたこと、職場で褒められたことなど、本当に些細なことでもいいので、「これは長所と言えるんじゃないか?」と思える部分を探してみてください。
前職の不安は解消されるのか不安!希望と向き合う
転職するということは、前職に対して何かしらの“不満”を感じていたはずです。その不満に対して、「今回の転職でその不満を解消できるのか?」と不安を感じている方も多いでしょう。
その不安への対処法は、「なぜ自分は転職を決意したのか?」について深く考えるということ。実は、多くの方がこのことをおろそかにして転職活動を進めているのが事実です。
おそらく「そんなことはもうわかっている」と感じる方がほとんどでしょう。しかしその中の多くが、転職理由の“深掘り”をおそろかにしています。
「上司の〇〇な性格が嫌だった」ではなく「上司の〇〇な性格に対して△△と感じたから□□な仕事がしたい」、「〇〇の営業をしたい」ではなく「自分は前職で△△と感じて、□□のスキルを活かして〇〇の経験を積みたいから、〇〇の営業がしたい」など、できるだけ深い部分まで考えましょう。
ここでも大切なのは、「なぜ?なぜ?」と深掘りをすること。転職理由を細かく深掘りすることで明確に活動の“軸”が生まれ、前職で抱えていた不満を解決できる可能性がかなり高くなるはずです。
不安を少なく転職活動を進めるための方法は?
ここまで、転職活動に関する不安との向き合い方や、具体的な解決方法を紹介しました。あなたが不安を感じている原因を把握し、できるだけ細かい部分まで深掘りしていくことが大切です。
転職活動中に対して不安を感じるのは仕方ないことですが、中には「そんな不安を抱えなくていい方法はないのか……」と悩む方もいるでしょう。もちろん、完全に不安を感じない状態はむずかしいのですが、できるだけ“減らす”ということであれば、転職活動の進め方次第では可能です。
そこでここからは、少ない不安で転職活動を進めるための“方法”を紹介していきます。
何を求めるか?自分の希望条件を明確にする
転職活動において、もっとも大切なのは「あなた自身と向き合うこと」です。今回の転職では何を求め、どんな会社で働き、将来はどうなっていきたいのかについて、自分自身とあらためて向き合ってみましょう。
おそらくほとんどの人は、希望条件や自分の長所、今後のキャリアプランなどについては、すでに考えているはずです。しかし、それらは深掘りできているほど良く、その深掘りは転職活動をスムーズに進めるためにもっとも大切なことのひとつと言えます。希望条件やキャリアプランが明確ならば“企業選び”が楽になり、自身の長所が明確ならば“書類選考や面接”が楽になるはずです。
転職活動に不安を感じているというのは、あなた自身と向き合いきれていない状態とも言えます。まずは「自分はどうしたいのか?何ができるのか?」という部分を深く知り、スムーズに転職を進めていきましょう。
なぜ自分は転職をしたのか?目的を考えなおす
繰り返しになりますが、転職活動においてもっとも大切なのは自分自身と向き合うこと。今回の転職に関して「なぜ転職したのか?」という点については、できるだけ明確かつ根拠を持った理由を用意しなければいけません。
転職後の失敗例として多いのが「思っていた会社と違った」というパターン。
- 入ってみたが業務に興味が持てなかった
- 自分がやりたい仕事ではなかった
- 前の会社のほうが良かった
- 転職先で新しい不安や不満が出てきた
などの失敗が多く、これらに共通している原因は「転職活動中に“深掘り”ができていなかった」ということ。自分が転職を決意した理由を明確にしていれば、これらの失敗を回避できる確率は上がるはずです。
まずは「自分は前職の何に不満があったのか?」「転職先の会社には何を求めているのか?」などから深掘りしていきましょう。転職の目的が明確になれば「何をすればいいか?」と感じることは少なくなり、転職活動に対する不安も感じにくくなるはずです。
頼もしいパートナー!プロからのサポートを受ける
ここまでは、あなた自身が取り組める方法を紹介しました。ただ、それでも転職に対して不安を感じてしまう方がいるでしょう。その場合、転職エージェントやキャリアカウンセリング、職業訓練所などの“転職のプロ”の力を借りるのもひとつの手です。
特に転職エージェントは、多くの転職者をサポートして理想の転職を実現させてきた“プロ中のプロ”。あなたに合う求人の紹介はもちろん、応募書類や面接の対策、選考日程の調整など、転職に関するほとんどのことをサポートしてくれるサービスです。そのほかにも転職に関する悩みも気兼ねなく相談できるため、あなたが抱えている不安や懸念点も解消できるでしょう。
ただ気をつけたいのが、転職エージェントにも向き不向きがあるということ。「20代向け」「管理職向け」「IT・エンジニアに特化」などの特徴があるため、あなたに合ったサービスを利用してください。
まとめ
大前提として、転職活動は「あなた自身が望む働き方をみつけるための行動」であり、決してネガティブなことではありません。自分の希望や思いをしっかりと持ちながら、「自分と合う会社をみつける!」という気持ちで取り組みましょう。
とはいえ、転職活動には不安がつきもの。不安と向き合いながら、ひとつずつ深掘りをして解消していくことが大切です。
もちろん、転職活動をしていく上で「うまくいかないな……」と感じることもあるでしょう。頭の中で不安だけが大きくなってゆき、足が止まってしまうことがあるかもしれません。しかし足が止まったときこそ、今回転職をする理由や新しい職場で働く自分の姿を想像してみてください。新しい職場で働くあなたは、どんな姿をしているでしょうか?
転職は人生において大きな“分岐点”ともいえる活動ですので、少しずつ自分のペースで不安や悩みと向き合っていきながら、あなたが求める環境を手に入れましょう。