みなさん、卓越した話術といえば、どんな姿を思い浮かべますか?テレビの名司会者?お笑い芸人?優秀な営業職のサラリーマン?それとも、身近な友人でしょうか?
一口に話術といっても話すことは一人で成立することでなく、相手があって成立することですから、毎回シチュエーションも異なり、一つ覚えでは通用しません。
それぞれの場面や相手に合わせた話術を鍛えることによって、できる大人になって、人としての魅力をより引き出せるようにしましょう。
もくじ
言葉の果たす役割は10パーセント?
ノンバーバルコミュニケーションという言葉を聞いたことがありますか?ノンバーバルコミュニケーションとは「声」や「動作」、「表情」といった話し方であったり、ボディーランゲージ等の非言語におけるコミュニケーションのことです。
様々な研究がされていますが、コミュニーケーションにおける、ノンバーバルコミュニケーションの占める割合は7割以上、研究者によっては9割を越えるといった結果が出ています。
つまり、言葉選びに神経を使うよりも、声や表情やしぐさに気を使った方が有効だといえます。
話術は全身を使って行うものである
コミュニケーションの大半の部分がノンバーバルコミュニケーションによって行われる以上、「声」「動作」「表情」に気を使うことがトータルとしての話術を鍛えることになります。
電話やメールといったビジネスツールが難しいのは、そのいくつかが欠けてしまうことにあります。つまり、相手に伝達できる情報が少なくなってしまう分、失礼が起きないように定型句を多用する必要が出てくるのです。
反対に言えば、相手に直接会って会話できることは自身の伝えたいことを最大限に表現できるチャンスでもあります。ですので、ノンバーバルコミュニケーションを意識することで、より相手との会話を盛り上げることにつながります。
「声」「動作」「表情」の果たす役割とは?
「声」とは声質や話の調子、抑揚などがあたります。声の専門家ともなれば、相手の声を聴くことで身長や体重、病気の有無まで分析することが可能だそうです。最近話題の声優の方々も「声」を使い分けることによって複数のキャラを担当されるなど、大切なものです。
「動作」とは他の人に何か伝えるための身振り手振りのことを指します。レクリエーションのひとつとしてジャスチャーゲームがあるなど、意思疎通を図るための大切な表現手段のひとつです。また、相手との立ち位置の距離や方向によっても相手に与える印象が変わります。
「表情」は感情や情緒を、主に顔に関する動きによって表現することです。例えば、学校の先生などが、言葉の理解がまだ十分に発達していない子供に対して意思を伝えようとする時に使うなど、「表情」ひとつで自身の感情を表現することが可能です。
話術は、まず相手を観察することから
自分が何か伝えたいことがあったり、相手との距離を縮めたいなど、目的を持っていたとしても、それを前面に押し出すことはおすすめできません。
上司や部下であったりと、いつも顔を合わせる関係であったとしても、相手のコンデションは一定ではありません。
その日の体調がたまたま悪かったり、ビジネスにおいてトラブルを抱えている場合、反対に何かいいことがあって気分が良かったりする時など、相手のコンディションは日々変化していきます。
もちろん、ビジネスの場においては誰もが私情を表に出さないように努めるでしょう。しかし、プロのスポーツ選手ですら、一定の高いパフォーマンスを同じように出し続けるのは困難です。ですので、まずは相手を観察にどのような状態にあるのかを探る手間を省いてはいけません。
集団においても場の空気は変化する
その場その場の空気が変化するのは、複数の人や集団が相手になっても同じことです。例えば、みなさんの学校生活を思い出してください。イベントが控えていてクラスのテンションが高い時、先生に叱られてしまい落ち込んでいるときなど、集団においても場の空気は変化します。
ですので、会議やプレゼンの場においても、相手が疲れているのか、それとも議題が白熱しているのかこちらの提案することに興味を持っているのかといったことは絶えず注意を払う必要があります。
上級者になれば、空気をコントロールすることができる
相手の調子や場の空気を敏感に察知することができれば、それに合わせた話術を展開することができますが、話術に卓越した人はそれをコントロールすることができます。
知らず知らずのうちに相手との会話が盛り上がり、そのトークに引き付けられ、商談を成立させるといったことがこれにあたります。ここまで話術を巧みに操ることができれば、相手の想定していないような事態にまで持っていくことが可能です。
しかし、もちろんリスクも大きいです。相手をコントロールしようとしていることが相手に伝わってしまうと、相手は警戒して心を閉ざしてしまうからです。
ですので、話術を鍛えようと考えている人は、相手をコントロールして自分のペースに合わせてもらおうとすることは、リスクを伴うことですので、止めておいたほうが良いです。それよりも、まずは相手に合わせることによってコミュニケーションを図る方がよいでしょう。
自分の引き出しを増やすため準備をしよう
相手の調子や気分を把握することができたとしても、どのように接することが有効なのか分からなければ意味がありません。やみくもに相手との会話時間を増やしたとしても、話術は鍛えられません。
ですので、どのような声の調子や表情で相手に伝えたら、より有効なのか?相手が興味を持っている話題はどんなものであるのか?それについて、会話を続けるだけの知識を自分は持っているのか?会話をする前に事前に準備できることはたくさんあります。
話術を鍛える先生は私たちの周りにたくさんいる
話術を上達させたいと考えるなら、まずお手本となる人を探しましょう。自分が話しやすいなと思う人であったり、この人の会話はもっと聞いていたくなるなど、周りに参考になる人はいるはずです。
普段、あまり人に接する機会にあまり恵まれなかったたとしても、テレビであったり、ネットであったりと話術の巧みな人はたくさんいますので、良いところを少しずつ取り込んでいくことで話術は上達します。
引き出しが増えたら、会話の機会を増やしましょう
会話の引き出しが増えたとしても、それが自分にとって使いやすいものか、またどのような場面においてどのような調子で伝えるのが好ましいのか。いきなりのビジネスの場でそれは実際に試してしてみないと分からないことも多いです。
ですので、そもそもの会話の機会を増やすことによって、チャレンジしてみましょう。では、どうやって会話の機会を増やすかですが、今自分がいるコミュニティ以外の新しい集団に入ることによっても得られます。
例えば、地域のスポーツ愛好会やネットでの同好会、習い事に参加してみるといったことがこれにあたります。誰しも自分の趣味であったり、興味がある分野や専門に勉強してきたことがあると思います。
自分の得意分野であれば話題のネタも考えやすく、また相手にとっても興味のある分野ですので、会話を増やすにはうってつけです。
共通の話題を見つけるため情報のアンテナを立てる
会話に迷ったら「まず天気の話題」と言われるくらい天候の話は定番のネタですが、なぜ天気のネタが鉄板と言われるのでしょうか?それは天気の影響を受けずに生活をすることはできず、みんなが日々意識していることだからです。
ですので、相手の興味のあることを話題として出せることは話術において重要です。優れたビジネスマンほど新聞の情報やネットの話題に敏感に反応し日々収集に努めています。
もちろん、どの場所において何の話題を出すのかは見極めなければなりませんが、相手が興味あることについて自身が知っていれば、会話を広げるチャンスとなります。
まとめ
一口に話術といっても、コミュニケーションの方法はひとつではありません。自身が目標とする姿を決めて、それに向かって何が足りないのか、何を補うことで達成できるのか。周りの人を参考にしながらひとつひとつ達成していくことで理想の姿に近づきます。
話術を鍛えることは、ビジネスシーンだけでなく、プライベートでも関係性の改善の役に立つことですから、積極的に取り組んでみましょう。