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ビジネス心理学をマスターして成果を上げる8つのテクニック

ビジネスの場で役に立つ心理学として行動心理学が注目されています。人間の行動を観察して、そこから心理を知るというもの。あ

商品を販売する営業職でも、サービスを提供するホテルマンでも、行動心理学を利用すれば、もっと成果を上げることができます。今回はビジネスで役立つ8つのテクニックをご紹介します。

まずは8つ全てを読んでから、今の仕事で使えそうなものから実践してみてください。上手く使うことができれば、きっと役に立つものばかりです。

もくじ

ビジネスに役立つ行動心理学とは

行動心理学とは、心理学者のジョン・ワトソン氏が日常生活に役立つ心理学として提唱した考え方です。その名前の通り、人間の行動を観察することで、その心理を知ることです。

それまでの心理学は、学問として学ばれることが多く、一般的に利用されることが少ないものでした。しかし、ワトソン氏によって、心理学が日常生活に役立つ形で利用され始めました。

ビジネスでも行動心理学が注目されています。人の行動から心理が分かれば、その心理を元に、もっと売れるような商品の陳列方法を考えることができます。購入してもらうために、どのようなテクニックを使えば効果的なのかが分かります。マーケティングで販売ターゲットを決める際にも、行動心理学を利用することができます。

顧客の立場になって考えることで見えてくる

この商品、このサービスを売りたいと思う売り手の立場からだけ考えていては気づかないことがあります。顧客の立場になって考えることで見えてくることがあります。

顧客の立場になるというのは、自分が何か物を買う場面を想像するとわかりやすいでしょう。物を買いたくなるお店はどんなお店でしょうか?店員同士のやり取りがギスギスしていたり、店員を怒鳴り散らしているようなお店では居心地が悪いと感じるでしょう。

信頼できるセールスマンとはどんな人でしょうか?自社製品のアピールばかりで悪い点は一切言わず、他社製品の悪口ばかり言っているような人からはあまり買いたくないでしょう。

自分が心地よいと感じるお店作りだったり、セールスする際の会話の仕方だったりがあるでしょう。迷ったときは自分がお客様になったつもりで、見方を変えてみましょう。

ビジネスで使える行動心理学―8つのテクニック

注目されている行動心理学は、ビジネスで使えるものがたくさんあります。今回ご紹介するのは8つのテクニックです。

セールスマン必見、聞き役に徹するのが1つ目。2つ目は、自分の言動を操作するテクニック。3つ目は、お返しをしなければならないと感じる心理を利用したサンプル提供。4つ目は、割引やキャンペーンを利用するアンカリング効果。5つ目は、ザイオンス効果。6つ目は、悪い点も伝えることで信頼感アップ。7つ目は、一緒にランチのランチョン・テクニック。そして最後はヒトラーに学ぶ夕方作戦。どれも上手く使えば必ず役に立つものばかりです。

聞き役に徹して相手の話をしっかり聞く

営業やセールスなど、商品やサービスを勧めるときに、一方的に話をしてしまいがちです。実際は、聞き役に徹する方が売り上げが良いという営業マンがいます。それは聞き役に徹して相手の話をしっかりと聞くことで、お客様の求めているものが分かるからです。

お客様の中には、もともと自分の欲しいものが分かっている場合と、セールスマンとの会話の中でそれが見えてくる場合があります。どちらの場合でも、セールスマンが一方的に話しているだけでは、見えてきません。

そして、自分の話を聞いてもらえたと感じると、相手に好印象を持ちやすくなります。これは仕事だけでなく、男女の関係でもいえることです。

セルフ・マニュピレーション

自分自身を操作するという意味で、自分の言動をコントロールして自信があるように見せることです。自信に溢れた態度で勧められると、そうでないのと比べて、相手は説得されやすくなります。

プレゼンテーションの例を見てみましょう。人前で話をするのは誰もが緊張するものですが、堂々とした態度で発表すると、まわりの反応が違ってきます。

大きな声でハッキリと言うので、伝わりやすくなります。聴衆とアイコンタクトをして、理解度を見ながら話しを進めていくので、途中で興味を失う人が少なくなります。

プレゼンテーションが終わった後、この人と話がしてみたい。安心感があって頼れそう。と思うのは、きっとセルフ・マニュピレーションで自信に溢れた人でしょう。

お返しをしなければならない心理

人は誰かに何かもらったり、何かしてもらったりすると、その人にお返しを返さないといけないと思います。この心理をビジネスで利用しているのが、サンプルを無料で配布したり、無料相談を提供したりすることです。

お客様の立場からすると、無料で何かもらえてラッキーだと感じます。無料なら一度試してみるのも良いかもと思うでしょう。

例えば、化粧品のカウンターで無料サンプルを配っているのを受け取ったとします。サンプルを試してみて、気に入ったファンデーションや口紅があって購入することにします。前から欲しかった商品に限らず、無料サンプルを試したことで、お返しをしなければならない=購入しなければならない。という心理が働いています。

割引やキャンペーンはアンカリング効果

私たちは割引やキャンペーンという言葉に弱いものです。ビジネスではこれをアンカリング効果と呼んでいます。

商品についている値段が1つだけの場合と、元の値段と割引後の値段がついている場合とでは受け取り方が違ってきます。割引されているほうがお得だと感じて購入します。

例えば、洋服のタグで6980円から3980円に割引されていると、これはお買い得!と感じることが多いでしょう。英会話学校の入学金が今なら0円といったキャンペーンでも同じようなことが言えます。

どうしても売りたい商品、お勧めの商品がある場合は、このアンカリング効果を利用してアピールするのも1つの方法です。

何度も見るものに対して好感を持つザイオンス効果

アメリカの心理学者、ロバート・ザイオンス氏が提唱した考え方です。この考え方は、人は何回も見たり聞いたりするものに対して好感を持つというもの。彼の名前をとってザイオンス効果と呼んでいます。

テレビで最近よく見る女優さんが雑誌の表紙にも出ているというのは、この効果を利用しています。メディアの1つの媒体で見るだけよりも、テレビや雑誌、電車の中吊り広告などあらゆる媒体で見る女優さん。見る回数が多くなればなるほど好感を持ちやすくなります。

営業では、1度断られたお客様のところへ、2度目の訪問をしたり、電話をかけたりするのもこの効果を狙っています。

悪い点も隠さずに伝えて信頼性が高まる

セールスマンが自社商品の良い点ばかり説明するのはよくあることです。もともとその商品が欲しかったお客様なら、そのセールストークですんなりと買ってくれることもあるでしょう。しかし、商品が多様化し、お客様にたくさんの選択肢がある現代では、それだけでは不十分です。

セールスでは、良い点だけでなく悪い点も隠さずに伝えることで、お客様からの信頼を得ることができます。信頼関係を築くことができれば、多くを説明しなくても、この人なら信頼できると購入につながることがあります。

悪い点を述べる際は、「○○の点が他者製品と比べて劣っていますが、○○の点で自社製品は優れています。」のように、良い点と合わせて伝えることで、良い印象を与えることもできます。

ランチを一緒にランチョン・テクニック

心理学者グレゴリー・ラズラン氏が提唱した考え方です。昼食を一緒にとりながらの商談は良い結果に結びつきやすいというものです。

日本でも浸透しつつある考え方ですが、欧米ではずいぶん前から利用されている商談テクニックです。特に商談が難航している場合でも、お昼ご飯を一緒に食べる約束ができればチャンスになります。

食事をしているときは、誰でも少し緊張がほぐれるものです。雑談をしながら食事を楽しむことで、良い関係を築くことができます。その時に商談が成立しなくても、今後の話し合いを進めていく上で役に立つことがあるでしょう。

ヒトラーに学ぶ、営業は夕方が狙い目

ドイツのヒトラーは聴衆に向けた演説を夕方に行っていたと言われています。人は夕方になると、心理的ガードが弱くなります。そのため、夕方に演説を聞いた人々は、彼のスピーチに説得されやすくなるということです。

ビジネスの場でも、デパートなどでこの心理が利用されています。夕方は1日の中でも最もセールスに力を入れています。

仕事で疲れて家に帰る前にちょっと寄ったデパート。何も買うつもりはなかったけど、買ってしまったという経験がある人も多いでしょう。それは心理的ガードが弱い時間帯に買い物をしたことで、購入につながったのかもしれません。デパートのお惣菜コーナーでは、心理的ガードが弱くなっている時間帯に、思わず買ってしまいそうな商品が並んでいます。

まとめ

ビジネス心理学8つのテクニックをご紹介しました。人間の行動を研究した心理学、行動心理学を上手く利用することで、セールスが伸びるかもしれません。

売りたいと思う商品やサービスを効果的な方法でお客様に伝えることができます。思わず買いたくなる仕組みを作ることができます。

ご紹介した8つのテクニックを状況や相手に応じて使い分けてください。上手く利用できれば仕事できっと役に立ち、成果を上げることができるでしょう。

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