職場の悩み

よい会議とはどんな会議か?悪い会議との違いと質を上げる取り組み

どんな会社に勤めていても、避けられないのが会議でしょう。会議をしている途中で退屈すぎて眠ってしまったり、もっと効率よくやれるのに!と腹立たしい思いをしている人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、よい会議とはどんな会議なのかについて紹介します。よい会議とはどんな特徴を持っているのか?そしてよい会議にするための具体的な方法は何か?その疑問を今日、解決しましょう。

もくじ

多くの人がうんざりしている会議…本当に必要?

今、企業に所属して、会議に出席したことがある人の中で、「素晴らしい会議だった!」という気持ちで会議を終えたことがある人はいるでしょうか。

おそらくは、そのような人は少数派であり、多くの人は「今日も時間の無駄だった…」「会議する時間があるなら、仕事を終わらせて早く帰りたい…」と考えているのではないでしょうか。

会議の目的は、集団で合意を得るためのものもあれば、ブレーンストーミングのようにとにかくアイディアを出すためのもの、そして定例会議のように状況報告をする目的のものもあります。

会議のタイプによっては、よい会議になれる可能性が高い会議もあるのですが、その企業で古くから使われてきた「顔を突き合わせて会議する」という方法に縛られているうちはよい会議になるのは難しいでしょう。

まず、会議の目的によって、本当に会議を行う必要があるのかどうかを見極めるところから始める必要があります。

こんな会議はイヤだ!悪い会議の特徴

よい会議とは何かを知る前に、反面教師としてこんな会議であってはいけない!という例を紹介します。あなたが日常的に行っている会議の中にも、以下に紹介するような特徴があるかもしれません。

この時間、何の時間?誰も発言しない

会議の中で訪れがちなのが、参加者の誰もが発言を行わない「無言」の時間です。次に進行していくべき人が話をよくきいていなかったり、参加者のうちの1人が暴走した発言をして引いてしまったり、アイディアを出すように言われたのに事前に誰も考えてきていなかったり…。

無言の時間が流れてしまう原因は複数あります。日本の企業の多くの会議では、煮詰まると無言になったり、誰かが率先して意見してくれという指示に対して無言になるという状況はよく見られるものです。

発言しない時間が長くなればなるほど、次のタイミングで口火を切る人のプレッシャーが強くなるため、発言がさらにしにくくなってしまうという悪循環もあります。

この時間は、一体何の時間なのか?次に話すべきは誰なのか?無言のままに責任を押し付け合っている会議の中で、とびぬけたよいアイディア、よい結論が待っているとは思えません。

話がすぐにそれて雑談に時間をとられる

アットホームな職場によくありがちなのが、会議中の発言はあるものの、すぐに会議の本筋から脱線してしまうという事態です。

”アットホームな職場”といえば聞こえはいいのですが、馴れ合いが生じやすく、お互いのプライベートにも関知していることが多いので、仕事に没頭にしくいというデメリットがあります。

会議の名目で集まったのはいいものの、子どもが何歳になった、奥さんの実家でこんなことがあった…など、仕事にまったく関係のない話にそれてしまい、結局本筋に戻るまでの時間が長く、その日はそれで会議が終わってしまうということもあるでしょう。

これでは近況報告会なのか、本当に詰めて話をしていく会議なのか、参加者の中でも会議の意図が明確ではなくなるため、よい会議とはいえません。

会議という名の落ちこぼれをいじめる会

会議という場は、複数の社員が一同に会する場所ですから、その特性を利用して話し合いをするどころか、「できない人」を追い詰める会議に成り果ててしまうこともあります。

「いかにして業績を上げるか」というような目的の会議で見られがちなのが、業績向上の足を引っ張っていると思われる社員をやり玉にあげて、「この社員のこういうところがいけない」「こんなことをしているから業績が上がらない」など、本来の会議の目的ではない、「業績向上に至らない原因をつぶす」ことが会議の目的になっているということです。

営業職でも、その月や季節によって、業績が一定ではないことはよくあることなのに、「どうしたら〇〇さんの営業成績が伸びるか」などの個人をやり玉にあげるような会議は、よい会議とはいえません。

実施する意味がある!よい会議の特徴

では、実施することで企業や社員にメリットが生じる、もしくは効率的に会議が行えることで個人および企業のの生産性がアップするよい会議とは、どのような会議なのでしょうか。

よい会議とは、会議の目的・目標が明確である

よい会議を実現するためには、なぜその会議を行うのか(行う必要が本当にあるのか)、そして会議のゴール(目標)をあらかじめ設定する必要があります。

効率のよい会議に近づくためには、そもそもどうしても顔を突き合わせて意見交換をする場が必要かどうかの精査が重要です。

現代では、チャットやビデオ通話などを使用することによって、直接全員がその場に居合わせる必要はなくなりました。もしもそれぞれが考えてきたアイディアを披露することが目的であるなら、チャットでも十分なはずです。

会議に出席するためにわざわざ遠方から会社に戻ってくる必要があるなら、ビデオ通話での会議参加も許可すれば、その社員は会議後も遠方でも仕事を引き続き行うことができ、時間も労力も節約できます。

必ず顔を突き合わせて参加者が勢ぞろいする必要のある場合のみ会議を行い、その他はチャットツールなどで代替することで、無駄を省いたよい会議が実現できるでしょう。

また、会議の目標は必ず会議の最初に、参加者全員で確認するようにしましょう。

この議題を決定まで持っていくのか、それともペンディングでもよいから意見交換ができればよいのか、目標をはっきりさせることで、会議後の達成感も実感することができます。

よい会議とは、全員が時間に対する意識が高い

大手企業のGoogleの会議でも実行されていることですが、「time is money(時は金なり)」をあらわすかのように、会議場所に大きなデジタル時計を設置し、参加者全員が時間を常に意識しながら会議に参加することも大切です。

残り時間が明確にわかるので、参加者は危機意識を持ちながら参加するため、謎の沈黙の時間や、無駄話をしている時間などないことが視覚的にわかるからです。

時間を意識することで、参加者は積極的に発言するようになり、しかも他者の意見を否定するような非建設的な意見よりも、建設的な意見を出して目標時間内に終わらせようとするでしょう。

よい会議とは、場所や方法への固定観念が少ない

よい会議とは、「会議とは、こういうものであるべきだ」という固定観念がない会議だともいえます。

前述したように、本当に顔を突き合わせないといけない目的のある会議なら別ですが、なんとなく開催している定例会議などは、会議を開かずともGoogleのスプレッドシートなどを活用し、メンバーの状況、抱えている問題などを共有することで、会議を開く必要はなくなります。

また、会議を開く場所がいつも同じだと、新しいアイディアも出にくいという理由で、中にはウォーキングをしながら会議をしたり、アイスクリームを食べながら会議をしたり(アイスブレイクとの言葉掛け)、立ったまま会議をするという企業もあります。

いずれも、「よい会議とは何か」を突き詰めた結果、こうあるべきという姿にとらわれない場所や方法の選び方をしていることがわかります。

柔軟な発想は柔軟な会議から…という思いが、会議のあり方に多様性をもたせているのでしょう。

よい会議にするためには、参加者の意識が大切

よい会議にするためには、場所や方法を工夫してみても、それだけではまだ足りません。会議を構成しているのは何といっても参加者です。この会議の参加者の意識を変えなければ、よい会議に近づくことは難しいといえます。

では、どうしたら参加者の意識を変え、よい会議を実現することができるのでしょうか。

惰性で行っている会議は今すぐにやめよう

あなたが所属している企業には、「昔から何曜日の何時から行われている会議」がありませんか?いわゆる終礼・朝礼も含め、曜日や時間帯を指定して定期的に行われている会議は、「集まること」に意義を持っていることが多いものです。

確かに社員同士のコミュニケーションを考えると、集まって顔を合わせることも大切かもしれません。しかし、集まって顔を合わせ、大した結果も出ないようなものは、果たして継続する意味があるのでしょうか。

誰にきいても「何のために集まっているのか分からない」ような会議は、「やめる」という決断を下すことも必要です。それを一社員が言い出すのは非常に勇気のいることですが、誰かが口火を切らなければ、永遠に無駄な会議が継続されていきます。

無駄な会議はやらない、という英断ができる上司がいる職場は、むしろ作業効率がよく、たまに行われる会議では有意義なものにしようという意識も高まり、生産性もアップするでしょう。

参加者の意識づけは会議のためだけに行ってもムダ

会議に参加する社員の意識を高くする…とは言っても、会議に出席する時だけ意識を高く持つのは非常に難しいことです。会議は、日ごろの仕事の園長にあるわけですから、むしろ「仕事に対する意識」を高めることが大切なのです。

仕事に対する意識の高い人は、自分が社内で使う時間を常に意識しています。効率よく、業績を残すための工夫が自らできる人は、仕事に対する意識が高いということです。

では、どうしたら仕事自体に高い意識を持てるのでしょうか。それは、仕事を好きであることに尽きます。誰もが好きなことを仕事にしているわけではありませんが、仕事をイヤイヤこなしていれば、決して意識を高く持つことはできません。

仕事をどうしても好きになれなければ、もちろん収入をモチベーションにしてもよいでしょう。どちらにせよ、仕事に対する意識を高く持てる人は、会議にも必然的に高い意識を持って参加しますから、よい会議の実現に一役買うことでしょう。

まとめ

よい会議とは、本当に会議を行う意味がある場合に、参加者が目的や目標を持って、そして貴重な時間を費やしているということへの意識を持って行われるものです。

そのためには、惰性で行っている会議は省き、または方法を変えて行い、参加者全員が会議に対する統一されたゴールを意識しながら進めることが大切です。

日本人は昔から顔を合わせて話すことが好きですが、場合によってはチャットで済ませたり、直接会わなくともビデオ通話などで参加することも認め、時代の流れに沿った「よい会議とは何か」という自問自答を、会議のリーダーが深く考えることも大切なのではないでしょうか。

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