仕事をするにあたって失敗は避けられないものであり、失敗するからこそ学びがあるという見方もできるでしょう。しかし、仕事の失敗から自己嫌悪に陥ってしまい、そのせいでますます失敗を繰り返してしまうといったケースもあるようです。
この記事では、自己嫌悪というものの正体や、自己嫌悪に繋がる失敗を防ぐための方法を見ていきたいと思います。失敗をゼロにすることはできませんが、少なくとも同じミスを繰り返すのは避けたいところです。
もくじ
「どうして自分を許せないんだろう」自己嫌悪に働く心理とその原因は?
自分を許すことができず自己嫌悪という気持ちを持ち続けていると、自分に対する自信がどんどん失われてしまいます。自信を失ってしまうと人間関係も仕事も上手くいかなくなり、そのせいで更に自信を失うといった悪循環に陥ってしまう恐れがあるでしょう。
それを防ぐためにも、何故自分で自分を許すことができないのかという部分を分析してみてはいかがでしょうか。そこから自己嫌悪の原因を探り、自分に起きている問題をしっかりと整理しないと前に進むことはできません。
それでは、その原因となり得るものを具体的に見ていきたいと思います。
「もっと上手くできるはず」という慢心 その失敗を想定することができていない
まず、「もっと上手くできるはず」という自分に対する慢心が原因として挙げられます。誰しも自分のことを高く評価し自分に可能性を見出して生きていきたいものですが、それが度を過ぎてしまうと逆に自分を苦しめてしまうこともあるようです。
また、自分の能力や才能に対して慢心を抱いていると努力を怠ったり、できもしないことを引き受けて周囲に迷惑をかけてしまう可能性もあるでしょう。そんなことを繰り返していては他人からの信頼も得られず、人間関係や仕事に悪影響を及ぼしていまいます。
自分に自信を持つことは良いことですが、それが慢心に繋がってしまうと様々な弊害があるようです。しっかりとリスク管理を行い、失敗を想定しながら物事に取り組みましょう。
「あの時もっとやっていれば」という後悔 やった方が良いことを理解できていた
次に原因として挙げられるのは「あの時もっとやっていれば」というような後悔です。そのような思いは大半の人が抱いているものですが、その結果として自分の人生に大きな悪影響を及ぼしてしまった場合、後悔の念に囚われて自己嫌悪に繋がってしまうこともあるでしょう。
当時、それをやった方が良いことを理解していたのであれば尚更自分を責めることになり、過去の自分に怒鳴りたくなってしまうかもしれません。あるいは、過去の自分の選択のせいで現在の自分が良くない状況に置かれてしまっているのであれば、過去の自分のことをどうしても許せないといった気持ちも生まれるでしょう。
過去の自分に対して憤りを抱いても仕方ありませんが、だからといってその気持ちを今すぐ消すこともまた難しそうです。そのような感情から自己嫌悪に陥ってしまっている場合も多いのではないでしょうか。
「次もできなかったら」という不安 自分が失敗したことの原因を知らない
何かを失敗してしまった際、その原因を正しく突き止めることができないとまた同じミスを繰り返してしまう恐れがあります。そのため、もし原因を究明できず適切な対策を講じられない場合は「次もできなかったら」という不安に襲われてしまうのが自然でしょう。
多くの言葉で語られていますが、失敗というのは必ずしも悪いことではなく、むしろ失敗したことで成功に一歩近づくことができると言われています。しかし、失敗の本質を掴むことができないと、同じミスを恐れて何もできなくなってしまうということもあるようです。
原因さえ正しく突き止めることができれば、失敗は自分を成長させてくれる財産にもなるでしょう。しかし、それができなければ、失敗は自己嫌悪に繋がる第一歩になってしまうのかもしれません。
時間は戻って来ない!同じ失敗を繰り返さないためにできることとは?
自己嫌悪に陥ってしまう原因をいくつかご紹介させて頂きましたが、続いてその対策を考えてみたいと思います。自己嫌悪に陥ってしまっている人は失敗を極度に恐れる傾向がありますが、失敗というのはしたくないと思うほどしてしまうものという一面があります。
同じ失敗を何度も繰り返してしまうと周囲からの評価も下がってしまいますし、自分も余計に自己嫌悪に苛まれてしまうでしょう。そうならない内に一度した失敗を大いに活用し、同じ失敗を繰り返さないための対策に力を入れた方が効率が良さそうです。
失敗から目を逸らさない!詳しく分析することで見えてくる自分の弱点
基本的には起きてしまったことはどうしようもないので、自分が失敗したことを可能な限り活用する姿勢が大切になるでしょう。失敗というのは誰しも避けたいものですが、前述した通り失敗というのは成長へ繋がる道にもなり、それを上手く利用できるかどうかで人生は大いに変化するのではないでしょうか。
もし失敗してしまったとしたら、何故失敗したか、そしてどのようにしたら防げたのか等を詳しく分析することをお薦めします。初めてのことに対する一度目の失敗は大目に見てもらえることが多いですが、二度同じミスを繰り返してしまうと周囲からの信頼が揺らいでしまいます。
失敗をしてしまった際には徹底式に分析し、そこから自分の弱点を把握し、同じミスを繰り返さないためにはどうすれば良いかを洗い出しましょう。
メモを取りすぎない!読み返してもわからないメモは自分を動揺させる
分からないことを教えてもらった際には必ずメモをとるのが社会人の基本として声高に叫ばれています。メモをとっていれば教わったことを忘れてしまっても見返すことで再度学習することができ、同じことを尋ねる手間が省けます。
しかし、自己嫌悪に陥っており失敗を極度に恐れてしまっている場合は、逆にメモを取りすぎない方が良いかもしれません。失敗を怖がるあまりに教わったことを事細かくメモにとっていると、その分量は膨大なものになり必要な時に必要な箇所を参照しづらくなってしまいます。
また、慌ててメモをとることにより文字が乱雑になってしまったり、メモをとることに意識を集中しすぎて肝心の話を聞くことができないという弊害もあるでしょう。読み返しても意味の分からないメモは余計に自分を動揺させることになりますので、メモは最低限要点のみを記載するよう心掛けた方が良いかもしれません。
リフレッシュに力を入れる!忘れる時間を設けることは欠かせない
失敗を振り返ることは大事ですが、時には失敗してしまったという事実から目を反らすことも大切です。失敗して誰かから怒られることもありますし、周囲に迷惑をかけて白い目で見られてしまうこともあるため、そう簡単に忘れることはできないかもしれません。
しかし、長い人生の中でそのような経験をしていない人の方が稀であり、極論を言えば本当の意味で致命的な失敗というのはそうそうありません。そのため、反復を避けるための振り返りや反省が終わったら、起きてしまったことは一旦忘れ、リフレッシュに力を入れてみてはいかがでしょうか。
四六時中失敗したことばかりに意識が集中していると健康にも悪く、体調が良くない状態で仕事をするとまた失敗を引き寄せてしまう恐れがあります。そのため、やるべきことをやった後は、思いっきりリフレッシュして引きずらないよう努めるのもまた大切なことでしょう。
失敗には必ず理由がある!自分の失敗の傾向を知ることが唯一にして最大の対策
失敗を繰り返さないための方法をいくつかご紹介させて頂きましたが、それらを実践することによって一度頭と心と体をリセットさせることが大事です。そして、一度冷静になった状態で自分の失敗の傾向について改めて考えてみましょう。
人にはそれぞれ向き不向きがあり、個々人で異なった特性を有しています。それに基づき、自分は一体どのようなシチュエーションで失敗をすることが多いのかを分析し、意識的にそのような状態にならないよう気をつけてみてはいかがでしょうか。
「慌てるとミスをする」のであれば必ず納期に余裕を持つ、「強く言われるとミスをする」のであればその旨を上司に伝えてなるべく柔らかい口調で指示してもらう等が挙げられます。自分の傾向さえ掴んでしまえば問題の半分は解決したようなものという見方もできますので、とにかく自己分析を怠らないよう努めましょう。
まとめ
仕事上の失敗は場合によっては人を自己嫌悪に陥らせてしまうものであり、そのような状態になってしまった人は意欲的に仕事に取り組むことは難しいでしょう。さらなる失敗を恐れて及び腰になってしまったり、せっかくのチャンスをふいにしてしまうということもあるかもしれません。
そのため、もし仕事上の失敗が原因で自己嫌悪に陥ってしまっている場合は、なるべく早い内に改善する必要があります。失敗を繰り返さないための対策は勿論、傷ついてしまった自分の心を癒やしたり、失敗そのものを軽く考えるといったことも時には大切です。
自己嫌悪に対する有効な対処方法は、とにかくあまり深く考えすぎないことになるのかもしれません。なるべく自分を苛むことなく、自分を嫌悪することなく健やかに人生を送りましょう。