人間はとても欲の深い生き物です。たとえ自分が何かを持っていたとしても、自分が持っていないものを他人が持っていれば、それが欲しくてたまらなくなってしまいます。
他人を見て、「なぜ自分はこうなのか?」と劣等感を感じることはありませんか?人は誰しも、持っているものと持っていないものがあります。そのなかで、自分の持っていないものを持っている人を見ると、羨ましく感じますし、劣等感を感じるでしょう。
劣等感とはうまく付き合っていかなければいけません。「なぜ自分は…」と考えてばかりでは、現状を変えるのは難しいでしょう。この記事では、仕事の劣等感との付き合い方や、現状を変えるための考え方について紹介していきます。
もくじ
「劣等感」は「嫉妬」「妬み」そして「敗北感」 人間の欲深さが劣等感を招く
劣等感の原因は、他人に対する嫉妬や妬みにあります。持っていないものに対する執着が、人の持つ欲深さを目覚めさせるのです。
「なぜあの人はできるのに自分はできないんだ」
「あの人は成功しているのに、自分はなぜできないんだ」
「なぜ自分はこうなんだ」
と、他人と自分を比べたときに、自分に持っていないものに着目し、他人に対して嫉妬や妬み、敗北感を感じてしまいます。他人と比べることで、『持っていない自分』が顕在化し、劣等感を感じてしまうのです。
しかし、「なぜ自分は…」と劣等感を感じてばかりでは、現状を変えることは難しいです。このままでは、劣等感をずっと感じたまま仕事を続けることになります。なので、仕事で劣等感を感じたのであれば、劣等感を正しく追い払う必要があります。
劣等感は欲しがりすぎた時に訪れる あなたが本当に欲しいものは何?
先ほどお伝えしたとおり、劣等感の原因は他人に対する嫉妬や妬みにあります。他人と自分を比べることで、『持っていない自分』や『できない自分』が顕在化し、劣等感や敗北感を感じてしまうのです。
人は誰しも、欲しいものが尽きません。その欲は際限がなく、自分が興味のなかったものですら欲しがるほどです。
今あなたが求めているものは、本当にあなたの求めているものでしょうか?持っている人が羨ましく、劣等感から欲しくなっているだけではないでしょうか?
「もっと」と求めるものは、今まで充分足りていたもの
今あなたが求めるものが、「もっと〇〇が欲しい」ということであれば、それは本当に必要なものでしょうか?「もっと」と求めるものは、今まで十分足りていたもののはずです。
もちろん、仕事において成長することは必要です。「もっと〇〇が欲しい」と考えることは、何も間違いではありません。しかし、求めるものが『あなたにとって必要のないもの』であれば話は別です。求める理由が、「他人が持っているのが羨ましいから」ではいけません。
他人と比べることで、あなたに必要のないものを求めてはいませんか?それは本当にもったいないことです。改めて、「それは自分にとって本当に必要なことなのか?」と考えてください。あなたにとって『本当に必要なもの』を見失わないようにしましょう。
「あったらいいのに」と思うものは、今までのあなたに必要なかったもの
あなたの求めているものが、「〇〇があったらいいのに」ということであれば、それは今までのあなたには必要なかったものではないでしょうか?他人が持っているのを見て、ただ羨ましく感じているだけかもしれません。
「〇〇があったらいいのに」と思うのは、あなた自身の成長において大切な考え方です。しかし、それが原因で劣等感を感じれば逆効果で、あなたにとって必要のないものまで追ってしまう危険性があります。先ほどと同様に、「自分にとって本当に必要なことなのか?」と考えてみてください。
当たり前ですが、すべてを持っている人なんてどこにもいません。たとえ他人が持っていたとしても、あなたにとって必要のないものはたくさんあります。「あったらいいのに」と感じた原因を、改めて考えてみましょう。
仕事の劣等感を力に変えるための最善策!「なぜ」から「どうすれば」への変換とは?
劣等感を感じると、「なぜ自分は…」「なぜあの人は…」と考えやすくなります。これでは劣等感が強くなるだけで、あなた自身の成長にはつながりません。
ここで大切なのが、「なぜ」ではなく「どうすれば」と前向きに考えることです。「どうすれば自分は…」と考えれば、具体的な行動に落とし込めますし、現状を変えることができます。
つまり、劣等感を前に進む力に変換する必要があります。そのために必要な考え方を2つ紹介しますので、できることから実践してみてください。
今の自分を受け入れる!「不完全だから」こそあなたには伸びしろがある
劣等感を感じる人のほとんどが、「自分は不完全である」と考えています。だからこそ、他人と自分を比べ、嫉妬や妬みを感じてしまうのです。
しかし、人は誰しも完全ではありません。何をしようがどう生きようが完全にはなれない、と言えるでしょう。なので、まずは『不完全な自分を受け入れること』から始めてみましょう。
不完全とは、裏を返せば『伸びしろがある』とも言えます。不完全な自分を悲観せず、前向きに捉えることが大切です。
不完全な自分を受け入れたうえで、「どうすればいいのか?」や「自分に必要なものは何か?」と考えてみましょう。そうすることで、あなたが本当に求めるべきものが分かってくるはずです。
物事と自分を分けて考える!「自分だから上手くいかない」ではない
また、過去の失敗や現在に繋がる後悔は「自分だから起きたことではない」と考えるようにしましょう。そういう物事に遭遇したのが、偶然あなただっただけです。
自分を基準に考えすぎると、自分の至らなさを責めてしまい、劣等感がより強まってしまいます。自分を責めてしまえば、それこそ『なりたい自分』が遠のくことになりかねません。まずは自分を責めるのではなく、物事が起きた原因に目を向けるようにしましょう。
過去の後悔や失敗については、「自分はどうすればいいのか?」ではなく、「このことについてどうすればいいのか?」を基準に考える習慣を身につけることが大切です。そうすることで、具体的な解決策を考えることができるはずです。
「どうすれば」がわかったら・・劣等感はあなたにとってやっと「使えるもの」になる
先ほど、「なぜ」から「どうすれば」への変換が大切とお伝えしました。このことを心がけていれば、具体的な行動に落とし込めて、やる気や目標につながっていきます。
つまり、劣等感を『目標に向かうための力』に変えることができるのです。そうすれば、劣等感に対して罪悪感を抱える必要はなくなりますし、劣等感を持った甲斐があるとも言えるでしょう。
劣等感と前向きに付き合うことで、『あなたが持っているもの』にも気がつけるはずです。
「これならあるけど」は、あなたにとって大切なもの
「どうすれば?」と考える習慣を身につければ、あなたの持っているものと持ってないものが冷静に判断できるようになります。そうすることで、「自分も〇〇なら持っている」と自信を持てるでしょう。
「〇〇ならある」という自信は、あなたにとって強力な武器になります。あなたにとっては当たり前のことかもしれませんが、周りにはその武器を持っていない人がたくさんいます。仕事でもプライベートでも同じですが、自分が持つ武器を正しく把握し生かすことが大切です。
劣等感と聞くと、かなりマイナスなイメージがあるでしょう。しかし、劣等感に対して罪悪感を抱える必要はありません。劣等感とうまく付き合うことで、自分が持っている武器を把握できますし、目標へ進む力を得ることができます。
まとめ
劣等感とは、誰しもが少なからず感じてしまうことです。自分が持っていないものを他人が持っていれば、「羨ましい」「欲しい」と感じるのは自然なことです。劣等感を無理に抑え込もうとすると、罪悪感や無力感を抱えてしまって、あなたが疲れてしまいます。
劣等感を無理に抑え込もうとはせず、うまく付き合っていくことを心がけましょう。劣等感とうまく付き合えれば、劣等感を目標に向かう力に変換することができます。
劣等感を感じたら、
- 本当に必要なものなのか?
- どうすれば求めるものが手に入るのか?
- 自分にあるものとないものは何か?
と考えてみてください。
そうすることで、劣等感とうまく付き合えるはずです。劣等感を目標に向かって進む力に変え、あなたのペースで『なりたい自分』に向かっていきましょう。