職場の悩み

モラハラの手法とモラハラ人間の特徴4つを研究すれば問題は攻略できる

職場におけるモラハラは、どれだけ大きな社会問題になっても減ることがない厄介な問題です。社内での評価が高くて一見誠実そうな人がモラハラをすることも多く、実態が表面化しにくいのがその一因かもしれません。

モラハラをする人は、相手が苦しめば苦しむほど喜んでしまう気質を持っていることが多く、改善はなかなか難しいのも事実です。被害を受け始めると、悪いのは自分だと思うようになってなかなか解決に進まなくなるということもあります。

「今辛いのはモラハラが原因かもしれないと」思ったら、今受けている被害とモラハラの手法を比較してみてください。

もし、モラハラ被害に遭っていると気づいたなら、モラハラをする人とその手法について研究してみましょう。そうすることで、辛く苦しい状況から自分自身を解放してあげることができます。

もくじ

モラハラとは心だけを傷つける卑怯な大人のイジメ手法

モラハラは、モラルハラスメントを略した言葉としてすっかり世の中に定着しています。モラハラをわかりやすいひと言で定義するとしたら「大人のいじめ」に他ならず、卑怯行為そのものです。暴力で人の体を傷つけることはしませんが、言葉や態度で相手の心を深く傷つけます。

無視や理不尽な叱責など、誰が見てもわかるようなやり方は、今やモラハラのスタンダードです。怖いのは、優しく接しているようで実は処理しきれないほどの仕事を押し付けたりするなど、圧力のかけ方が巧妙になっているという点です。

職場のモラハラは、教育といじめの境界線があいまいになりやすく、被害を受けている本人ですらモラハラに気づかないことがあります。そうなってしまうと、モラハラはさらに過激なものへとエスカレートしやすくなります。

いかなる理由があろうともモラハラをするほうが悪い 

まず断言できることとして、モラハラは絶対にやってはいけないことであって、言い訳の余地は一切ありません。モラハラで人を苦しめることなど、社会人としてはもとより人間として恥ずべき行いでしかないのです。

ミスや態度、言葉遣いを注意するなど、モラハラのきっかけはちょっとしたことが多いものです。職場の上司や先輩として、部下を指導するために悪い点を注意するのは正しいことでもあります。

しかし、注意するネタがあるからこれ幸いとばかりにいじめに走る行為は、断じて許されるべきではないのです。

モラハラの渦中にいる被害者は、「自分が一番悪い」「原因は自分にある」と加害者に思い込まされていきます。そうして我慢して自分の感情を押し殺しているうちに、やがて心も身体も壊れていってしまうのです。

ここまで状況が悪化してしまうと、モラハラはいじめを通り越して立派な犯罪行為となります。

渦中にいると意外と気づかないことも多いモラハラの特徴とは?

ひどいモラハラを受けている人は、心身がとことん追い詰められてしまい、自分がモラハラの被害者であることに気づきにくくなります。

これを防ぐためには、モラハラによくある特徴を把握し、客観的に自分自身の状況を見てみる必要があるでしょう。普段からミスが多く、叱責されてもしょうがないような要因が本当にあるとしても、一旦そのことは横に置いて考えてみましょう。

先にも述べましたが、いかなる理由があってもモラハラはやってはならないことなのです。

暴言を吐くことによって相手の自信を失わせる

数あるモラハラ行為の中でもわかりやすいのが、暴言を浴びせ続けて自信を奪うという行為です。「使えない」「お前は何をやってもダメだ」「もう来なくていいよ」など、人格を否定したり尊厳を傷つけたりする言葉は暴言です。

言われたことに対して自分でもそうだと思い込んでしまうと、暴言を浴びせられていることに気づけないので注意が必要です。また、ミスを誘って叱られる状況をわざわざ作り出してくる加害者もいるということを覚えておきましょう。

人前で必要以上に叱責することも暴言であり、そのほとんどは叱責を目的としたものではなくいじめが目的です。良識ある上司なら、本当にわかってもらいたいことがあるときに、わざわざ人前でひどく叱責することはありません。

まるでその場にいないかのように完全無視をする

無視をするという行為は、モラハラの特徴としては代表格であり、子どもの世界にもよくある典型的ないじめの手口です。あいさつはもちろんのこと、業務上必要なコミュニケーションまでできなくなると、仕事に支障が生じてしまいます。

話しかけても返事がなく、そこにいてもまるでいないかのように振る舞われることは、心理的に大きな負担となります。人が集まれば、気の合う人とそうでない人は必ずいるものですが、あまり話をしないのと完全無視では全く意味が異なるのです。

モラハラの加害者は、被害者を無視して孤立させることに快感を覚えている場合があります。暴言を浴びせるなど、相手に対して「何かをする」というのではなく「何もしない」という手法でターゲットを孤独へと追い込みたいのです。

話をしたことに対してすべて否定で返してくる

暴言も無視もしませんが、全てのことにおいて否定で返答することによるモラハラもあります。そのような場合、何かを提案したり意見を述べたりすると、それがどんなに正当な内容でも否定されます。否定され続けている人は、自分の提案や意見がおかしいのだと徐々に思うようになってしまいます。

決定権のある加害者は、否定で相手の心を潰すことが比較的容易にできてしまうかもしれません。どんなに良い意見だったとしても、自分が却下すればそれで済んでしまうことだからです。もし否定ばかりされると感じたら、それが本当に否定に値することなのかを客観的に考えてみましょう。

もし否定されているのが自分だけで、同僚に対してはそのような態度を一切取らないということがわかったらそれはモラハラです。否定され続けていると自信をどんどん失ってしまうので、信頼できる人に相談してバランスを取り戻しましょう。

妨害目的で仕事を意図的に増やしたり減らしたりする

モラハラをする人は、ターゲットとしている人が置かれている状況をよく観察しています。今抱えている仕事がどのぐらいあるのか、暇なのか忙しいのかを密かに把握しています。そして、どうしたらターゲットが一番困るのかを考えて仕事を調整するので、ある意味高いマネジメント力があります。

抱えている仕事が片付かないうちに、次から次へと仕事を頼んでくる人がいるなら、自分を意図的に困らせようとしている可能性を疑いましょう。明らかにこなしきれない量の仕事を押し付けることは、モラハラ体質の人がよく使う手口です。

その一方で、仕事を与えないことで困らせようとするケースも少なくありません。与えたとしても簡単な雑務で、本来発揮したい能力を一切発揮させないように画策します。まるで「お前の能力など必要ない」と言わんばかりに、ターゲットを惨めな気持ちに追い込もうとするのです。

モラハラに対処するために今すぐはじめたいこととは?

自分がモラハラ被害に遭っていることに気がついたら、今すぐに行動を開始しましょう。「自分が我慢していれば」「ことを荒立てたくない」などと考えるなら加害者の思うツボです。ただし、ずる賢くて警戒心が強い相手に立ち向かうためには、慎重に行動する必要があります。

問題をひとりで抱え込まないよう、信頼できる人に相談しておくことも大切です。ただし、社内の人は情報漏れの恐れがあるので、家族や友人など職場から遠い人に相談しましょう。そして、残せる証拠はしっかり残し、最後の切り札とできるよう周到に準備しましょう。

会話やメールを文章、音声でできる限り記録する

モラハラを撃退するためには、会話やメールなどのやりとりをできる限り記録する必要があります。メモ書き程度でいいので、5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を意識するのがポイントです。

メールなどのやりとりには、自然とモラハラをしている人の雰囲気が反映されるものなので、証拠としてスクリーンショットで保存します。強力な証拠を残すなら、対面での会話や電話での会話などを録音しておくようにしましょう。

メモ単体ではなく、メールや音声などの証拠があることによって、モラハラの確かな証拠を残すことができます。モラハラを受けながら証拠保全のために動くのは大変ですが、現状を打開するためできることだけでも実行してみましょう。

徹底的に証拠を集めて行動すればモラハラは打開できる

一度モラハラのターゲットになってしまうと、そこから抜け出すことは容易ではありません。しかし、どんなにひどいモラハラ行為であっても、明白な証拠を突きつけられればもう逃げられません。しっかりした証拠を集めることができたなら、陰湿なモラハラに勝つまであともう少しです。

モラハラが続いたことによって心身の不調を感じているならば、その点についても記録しておきましょう。うつなどにかかって心療内科や精神科を受診しているようであれば、医師の診断書をとっておきましょう。

診断書だけでモラハラが原因と証明することはできませんが、他の証拠と合わせることで立証につながります。

中途半端なやり方でモラハラに対抗すると、強力な反撃に遭ってしまう可能性があるので、やるならば徹底的に準備をしましょう。また、何が何でもモラハラに立ち向かうのではなく、自分を守るために逃げるという選択がベストな場合もあるでしょう。

まとめ

平気でモラハラをするような人が、急に改心していい人になる可能性はほとんどありません。しかし、いじめられるままひたすら耐えてしまうなら、状況はさらに悪化してしまうかもしれません。反抗してこない相手だと思っているからこそ、どんどん意地悪をエスカレートさせてくるのです。

多くの企業がハラスメント対策に乗り出す中、状況が改善されたかというとそうではないのが現状です。モラハラ被害者は、自分が会社にとって必要ない者かのように思わされてしまいますが、本当に会社にとって害なのはモラハラ加害者です。

モラハラを受け続けることは辛くて苦しいものですが、必ずそこから抜け出すことができます。大切なのは、モラハラ加害者に思い込まされるまま自信を失うのではなく、強い気持ちを持って行動することなのです。

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