最近コミュ障という言葉をよく耳にします。
コミュ障とはインターネット上で生まれたいわゆるネットスラングでコミュニケーション能力が低い、もしくは苦手な人を指す言葉です。コミュニケーション能力は近年では仕事に必須の能力として認識されており、多くの企業が入社試験の際に注目しているポイントです。
このコミュ障とは一体何に起因して引き起こされるのでしょうか?
また、どうすればコミュ障を克服できるのか?
今回はコミュ障の素朴な疑問についてご紹介します。
もくじ
仕事にも悪影響を与えるコミュ障を引き起こす原因
コミュ障と言えば、コミュニケーションが少しばかり苦手な程度からコミュニケーション能力が極端に低く、障害と言えるレベルまでも含まれます。どちらかと言うと恣意的、つまりその場の思い付きで使われる場合が多いです。
コミュニケーション能力が低い場合には、克服も可能となりますが、障害レベルになると克服は専門家でないと難しいと思われます。
実際に、重度のコミュ障は先天性の障害に起因しているケースも多く、例えばよく言われるアスペルガー症候群や注意欠如・多動性障害いわゆるADHDや自閉症などが挙げられます。
アスペルガー症候群の症状も重度から軽度まで多様であり、軽度ならば十分に克服可能となります。このような先天性の障害に由来するケースでは一般的にその場の空気を読むことが難しいとされています。
その他にも精神的な問題で人と接するときに強い不安感を感じたり、人格障害と言いますがパーソナリティ機能が偏っていたりするケースもコミュ障に陥りやすいです。
他にもよくあるのがコンプレックスからくるコミュ障です。例えばどもってしまうので話すのが苦手になってしまった場合や発音が上手くできずにしゃべることが恥ずかしいと感じてしまうようになってしまったなどです。
このようにコミュ障には様々な要因が考えられ、その要因の数だけ様々な対処法も存在しています。
内向的な性格からくるコミュ障は仕事では辛い思いをしがち
仕事は社員たちがオフィスなど一つの場所に集まり各グループに分かれて行いますので、どうしても他人と顔を合わす機会が増えてしまいます。こういう環境は内向的な性格の方々にとってはつらいかもしれません。
本来、自分の性質とは合わない環境ですが、仕事を行うための同調することを求められ、業務に支障が出ればその性格を改善することが求められる場合もあります。このような場合は仕事というよりも職場にいること自体が苦痛に感じられてしまうかもしれません。
しかし、生きていくために仕事をしなければならないので、頑張って克服していくことも大切になります。克服できなければ仕事を辞める必要も出てきますし、最悪なケースではその状況に耐えきれずに心労から心や身体を壊してしまう恐れも出てきます。
内向的な性格からくるコミュ障とはこのようなケース
内向的なコミュ障の方の中には、自分に自信がない方が多くいらっしゃいます。
自分に自信がないから自信のない話し方をし、話す声も小さくなり優柔不断で決断力にも乏しくなってしまいます。この原因は小さな頃からそうだった、トラウマがあるなど各人各様ですので何とも言えません。
仕事においては質問しても欲しい答えが得られなかったり、どうしたいのかはっきりしなかったりしますので質問している方もストレスが溜まってしまいます。
さらに、この状況が続くと意思疎通ができない人と看做されてしまい、コミュ障のレッテルが貼られてしまうのです。
また、パニックになってしまう方や極度のあがり症の方も時に見かけますが、落ち着きがなく突然話を振られたときにはあたふたと慌てふためいて言葉が出てこないなどとなってしまう場合もあります。
仕事においては仕事の情報のやり取りが行われていますので、その情報のやり取りが止まってしまうとどうしても業務に支障が出てしまいます。
軽度のコミュ障でも情報のやり取りが出来ていれば、こういう人も中にはいる、という程度であまり気にも留められないでしょう。しかし、業務に支障が出るレベルとなりますとやはり克服して改善していく必要があるのです。
空気が読めないコミュ障とはこのようなケース
内向的なコミュ障と違って、空気が読めないことからくるコミュ障もあります。こちらは現在ではアスペルガー症候群などと関連付けられて見られている傾向がり、空気が読めなければアスペルガー症候群のレッテルを貼られてしまう場合も出てきています。
特に空気が読めていないことにご自身が気付いておらず、このため場違いな発言を繰り返したり、物事に執着したりして周囲との関係悪化を招いてしまいます。
また、落ち着きがなく衝動的である場合はADHDの可能性が考えられ、こちらも扱いにくく上司の手を焼いてしまう場合が多いです。
アスペルガー症候群は知的障害を伴わない自閉症とされ、知能は人並みなにありますがコミュニケーションに難がある場合が多いです。
一方で、特異な才能を発揮する方も多く、著名人でもアスペルガー症候群とされている方はいらっしゃいます。
空気が読めないことは実は他人と感性が異なっているという側面を持っており、他人とは違う視点で物事を考えたり、また興味を持っていることに驚異的な集中力を発揮したりする場合があります。これが創造性に繋がればクリエイティブな仕事として評価されます。
つまり、空気が読めないことを逆に武器にすることで仕事に活かすことが出来る場合もあるのです。
コミュ障を克服して仕事を円滑にすすめましょう
コミュ障を克服する、これは言うほど簡単ではありません。なぜならコミュ障の原因がその人の生まれ持った性質に根差していたり、深い精神的な傷に根差していたりしますので治すには専門家と共に長い年月が必要になります。
コミュ障の対策は、まずはご自身を見つめてみることが大切なのではないでしょうか。そして周りの様子を観察することから始めてみてはいかがでしょうか。
このようなケースでは周りのコミュ力の高い人たちはどのような受け答えをしているのか、など非常に参考になります。なるほど、と思うようなケースがあれば、その方法を受け入れて使ってみましょう。
また、自分の発言で相手がどういう反応を示しているか、という点もしっかりと観察しましょう。相手が嫌な顔をしていたらその場に合わない発言であったとして次の発言には気を付けたいですね。
つまり、場の空気を読むというよりも、相手の反応を通してこの発言はその場の空気に適していたのかどうかを推し量ります。このような工夫の積み重ねで次第に自分なりのコミュニケーション方法が確立されていきます。
大切なことは、しっかりと自分を理解し、その自分を受け入れて少しずつ改善の努力を積み重ねていくことです。完璧になる必要はありません。
仕事においては最低限のコミュニケーション、つまり周囲から受け入れられる程度のコミュニケーション能力が身につけば仕事も続けていけると思います。
仕事においてのコミュ障の克服は自分を守るため?
コミュ障の方は悲しいことですが、職場では様々なターゲットになりやすいです。何かあれば引き合いに出され、挨拶ができない、はっきり喋らないので何を言っているのかわからないなど、心に突き刺さる言葉を浴びせられることもあるかと思います。
相手の方も悪気があって行っているわけではない場合もあるとは思いますが、このような環境で仕事をすることは精神的に辛いですね。
このターゲットになりやすいということは職場でのいじめにもつながりかねず、人知れずお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。そのような方々にお伝えしたいのですが、コミュ障を克服するという見方よりも、ご自身を守る術を身に着けるという見方に変えてみてはいかがでしょうか?
つまり、コミュ障であってもそれを受け入れた上で、どのようにすれば自分の身を守れるのか、という方法を考えてみることも大切です。
苦手な挨拶をするのは身を守る一環であるので最低限、余裕があればもう少し頑張った挨拶をする、または会話中ではコミュ障とならない最低限の対応を頑張って行う、という考え方です。
このように別な見方で物事を見る事もコミュ障の対策として有効かもしれません。ご自身の身はご自身で守るしかありませんので、参考になれば幸いです。
まとめ
コミュ障の方は周囲との折り合いが悪くなりがちで何かと傷つくことが多い場合があると感じます。一方で意図せずに他人を傷つけていることがあることも事実です。このため、自分を知り、そして自分自身をコントロールするということが大切になります。
仕事ではコミュニケーションが非常に大事ですので、仕事に支障をきたさないためにもしっかりとコミュ障を克服したいですね。
さらに、これは生きていく上でも大切なことですが、コミュ障の方は仕事においてご自身を守ることが必要になる場合も出てきます。
このためにもコミュ障の方は最低限の立ち回りを覚えて実践してみましょう。このような日々の努力がコミュ障の克服へと繋がります。