職場の悩み

職場の挨拶って必要?磐田市役所の事例にみるあるべき職場の形とは

仕事で取引先を訪れると、受付の人がにこやかに対応してくれます。明るい声で挨拶をしてくれます。非常に見慣れた風景ですが、この対応がもしこうだったらどうでしょう?取引先の受付に立っても、こちらが何か声を掛けるまで受付の人はニコリともせず無言。声を掛けたらやっと口を開いたけれど、低いトーンで最低限のことしか話しません。実際そんなことはありえないのですが、職場ではこのようなことがありえます。会社の受付と社内では状況が違う、と言う人もいるかもしれませんが、本当にそうでしょうか?

もくじ

たかが挨拶されど挨拶、挨拶の重要性を再認識する

私たちは小さい頃「挨拶をしましょう」と教えられました。「おはようございます」「こんにちは」「さようなら」「ありがとうございます」「ごめんなさい」と言うのが当然であり、そうしないと注意されました。それが、社会人となったらいつの間にか忘れてしまったのか、特に職場では挨拶を疎かにしている人もいるようです。職場は仕事をする場所だから、仕事だけすればいい。人にニコニコ愛想よくする必要はない。別に挨拶なんてしなくてもいい。そう言う人は一理あると思っているのでしょうが、職場は自分ひとりで仕事をする場所ではありません。

職場は周りとのコミュニケーションを図り、業務を円滑に効率的に行う場所です。個人プレーではなく、周りとの協力が求められます。また、ある意味公共の場です。私情を持ち込む場所ではありません。嫌な事があったから、イライラしているから、挨拶する気分ではない。そんなプライベートな感覚で行動するのは社会人として良くありません。社会人として、社外向けだけではなく、職場においても挨拶をすることは基本中の基本です。最低限のマナー、エチケットです。たかが挨拶、されど挨拶。社会性、協調性が求められる職場での挨拶の重要性を今一度考えてみましょう。

挨拶は売込みではなく良い関係を結ぶきっかけ

挨拶にはいくつものメリットがあります。エレベーターで外国人と乗り合わせた時、顔見知りでもないのに、相手が「ハロー」「ハイ」と言ったり、降りる時に「サンキュー」と言ったりするでしょう。外国人慣れしていない日本人の中には戸惑う人も多いですが、言われて悪い気はしません。この挨拶がコミュニケーション、相手と関わる最初のステップなのです。しつこい売込みはお断りですが、挨拶は売込みではありません。自ら言葉を発することは相手と良い関係を結ぶきっかけとなります。また、挨拶をすると、自分に良い影響を与えることができます。

面白いもので、私たち人間は明るい表情をしてみると気分も明るく、暗い表情をしてみると気分も暗くなります。挨拶する時に、笑顔を意識してみてください。笑顔で挨拶するのを習慣にしていってください。すると、前向きな元気な気分になっていきます。笑いは百薬の長ということわざがあるように、笑い、笑顔は体にも良い影響を与えてくれるのです。そして、笑顔の挨拶は相手にも良い影響を与えます。人と顔を合わせた瞬間、相手が笑顔で「おはようございます」と言ったら、嬉しいですよね。これが逆の立場になって、あなたが相手に笑顔で「おはようございます」と言うと、相手が嬉しく感じるのです。相手と関わるきっかけとなり、自分にも相手にも良い影響を与える挨拶を使わない手はありません。

職場において挨拶するとしないではこんな違いがある

新入社員のA君、元気があっていいよね。朝は大きな声で「おはようございます」と言いながら会社に入ってくるし、仕事を教えた時には「ありがとうございます」とはっきり挨拶できる。礼儀正しくて信頼できるな。それはそうと、もう一人の新入社員のB君は、仕事ができないわけではないけれど、何だか覇気がない。声も小さいし、反応が今一つ。どこか調子でも悪いのかな?これが、職場で実際に起こっていることです。あなたが挨拶をすることはあなたの信頼度を上げ、評価を上げるきっかけとなります。考えてもみてください。相手も人間です。同じ仕事の能力を持った人が二人いたら、間違いなく元気で明るく信頼できる人の評価が上がります。

更に、元気で明るい挨拶の声は職場の雰囲気を良くします。あなたが元気な挨拶をすると、その影響は職場中に及びます。逆に、どんより暗く重たい雰囲気の人が職場にいるだけで、何だかひどくイヤな空気が職場中によどんでいることを感じたことがありませんか?風邪のウイルスが伝染するのと同じです。同じ伝染ならば、やる気が出る活発な雰囲気を伝染させませんか?職場全体の雰囲気が良くなると、仕事の効率も上がり、成果が出ることは間違いありません。

挨拶しても返してもらえない時はこう考える

挨拶の大切さを理解して、自ら実践することを決めました。いざ、出社して出会った同僚に「おはようございます」と言うと、素通りされてしまいました。こんな時はどうしましょうか?やはり、挨拶が返ってこないと寂しい気持ちになるでしょう。どうして自分が挨拶したのに、相手は挨拶しないのだろう?と思うでしょう。相手は、挨拶をするという礼儀も知らない人かもしれません。虫の居所が悪く、言葉を発する気持ちになれなかったのかもしれません。挨拶なんて職場には必要ないと思っているのかもしれません。挨拶が聞こえなかったのかもしれません。自分に挨拶されたと気づかなかったのかもしれません。急に挨拶されて驚いて、言葉が出なかったのかもしれません。

ただ、相手がどんな理由でどんな反応をしても、そこに惑わされることはありません。あなたはただ、挨拶を続ければ良いのです。何故、挨拶が返ってこないと寂しいのでしょうか?それは自分が認められていないと感じるからです。でも、あなたは挨拶した相手に認めてもらうためだけに挨拶していません。もっと大きな理由で挨拶をしています。挨拶をすることは、職場のため会社のため、ひいては自分のためになります。

職場に挨拶を徹底的に導入し、目に見える効果を上げた磐田市役所

研修講師の方に伺った話ですが、静岡県の磐田市役所における挨拶の徹底ぶりは半端ないそうです。発端は2009年に磐田市長に当選した渡部修氏の意向でした。全職員対象に、人事評価に挨拶を導入するのに加えて、挨拶運動を始め、現在も続いています。具体的に言うと、年2回、4月と10月に各1週間ずつ、部長と課長が朝8時から15分間、市庁舎の玄関に立ち、出勤する全職員に挨拶をします。その効果は?市役所全体の空気が明るくなりました。職員各自のモチベーションも上がりました。窓口での苦情が減り、クレームが発生しても肥大化しなくなりました。市民の方々からお褒めの言葉を多くいただくようになりました。

確かに市役所の方の対応というと、ぶっきらぼうで愛想がないイメージがありましたが、このイメージを見事覆したのが磐田市役所です。もちろん簡単に根付いた習慣ではありません。まず市役所のトップである市長の強い意志があって始まりました。それから部長や課長が自ら挨拶を実践したことも職場全体に挨拶が浸透した大きな理由です。挨拶が大事と頭ではわかっているようでも、上辺だけの取り入れ方では職場に浸透しません。挨拶することはとても簡単であるだけでなく、とても効果があります。真の意味を皆が理解できると、職場の挨拶が自然なことになるでしょう。

まとめ

挨拶されて気を悪くする人はいません。社会人として基本中の基本である挨拶は、職場で周りとのコミュニケーションを図り、業務を円滑化するための大切な要素です。また、挨拶は相手と関わる最初のステップです。挨拶すると、自分も相手も気持ちが良くなり、体にも良い影響があります。職場の雰囲気も明るくなり、周りからの自分に対する信頼度、好感度も上がります。なかには挨拶しても返してくれない人もいるかもしれませんが、それは相手の問題です。気にする必要はありません。実際に職場での挨拶を徹底して、目に見える成果を上げている市役所もあります。職場での挨拶は周りの人のため、会社のため、会社に関わる人のため、ひいては自分のためになるものなのです。

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