年齢を重ねると、色々な人が世の中にはいて、感情にも沢山の種類があることを理解していきます。そのため、子供の時は大丈夫だったのに、徐々に人と関わることが怖くなり、人見知りになってしまうことがあります。
しかしそんな大人の人見知りさんも、「克服して人間関係をうまく築くことができるのなら、人生楽しいだろうな」と思うことが多いはずです。人と関わることの多い仕事だと、なおさら克服願望は強いと思います。
習慣の積み重ねで人見知りが増幅していることが多いですが、新たな習慣で塗り替えていくことで、誰でも克服できます。今回は、人見知りが起こるメカニズムを解説し、克服するための会話習慣を5つ紹介していきます。
もくじ
自分の人見知りの原因を分析してみよう 内面の克服法
まずは、自分の人見知りの原因を分析してみましょう。
こちらでは、一般論で語らせていただきますが、人見知りで自分を出せず、言葉がうまく出てこない時の脳内は「盛り上がらなかったらどうしよう」「変なことを話して嫌われたらどうしよう」などの、不安や恐怖で占められていることが多いです。
ご自身が一歩前に踏み出せない時の脳内イメージを、ちょっと振り返ってみてください。いかがでしょうか。
不安と恐怖は、人にとって不快なものです。人見知りだと、不快な感情に至らないために、どんどん人を避けていくようになるのです。
しかし不安や恐怖は、放置しても消えることはありません。更に悪いことには、避けて通ったツケで、どんどん巨大化して膨らんでしまいます。
そうしているうちに、恐怖は実体のないものですが、到底乗り越えることが困難に思えてしまうのです。
これがハードルとなって乗り越えにくくなっている人見知りは、とにかく場数を踏んで、慣れるしかありません。どんな会話も練習だと思って、チャレンジするに尽きます。
「失敗だ」と思い込んで不快感情が出てきても、数をこなすうちに、どんどん開き直ってくるものです。
たいていの人は、一度うまく行かないと、不快な感情を持ちたくないので、挑戦もしなくなります。ですから、人見知りを克服できるかどうかは、諦めないかどうかと言っても過言ではないのです。
小さいことでOK! 慣れるための積み重ね5つとは?
人見知りの現状では、どこから手を付けたらよいのか、見当もつかないと思います。人見知りにとっては、会話の1つ1つが「本番」のように感じますから、なかなか気軽に声を発することも難しいでしょう。
でも、慣れるまでは「練習」という解釈で、積み重ねていくしかありません。
小さいことで大丈夫なので、まずは以下の5つの習慣を意識して始めてみてください。続けるうちに会話の幅が広がって、恐怖心を小さくすることができます。
毎日の「挨拶」が話しかける習慣をつくる 経験値アップ
まず、その日の出会い頭に交わす挨拶は、絶好のコミュニケーションチャンスです。
「おはようございます」や「こんにちは」、時間を問わない「お疲れ様です」など、決まりきった言葉ですが、これも立派な会話として成立しています。特別に言葉を紡ぐ必要もなく、とにかく口に出せばクリアです。
挨拶が不快に思われるというのは、ごくまれです。人見知りの人が抱えがちな恐怖や不安が発生することもありませんから、安心して挨拶から始めてみましょう。
稀に無視されることもあるかもしれませんが、そこは気にせずに、挨拶だけはやめないでもらいたいです。
挨拶は練習。練習相手にもならない人を気にしては、人見知り克服なんてできませんよ。
声に出しての挨拶に慣れてきたら、笑顔を心がけたり、ハキハキとした明るい声を意識したりして、好印象へお近づきになれるように工夫していきましょう。
一文は短くて良い トーク上手な人ほどテンポを重視
人見知りだと、文章を組み立てることにも苦手意識があるのではないでしょうか。更に「何言っているか、よく分からない」などという指摘が追い打ちをかけて、ますます言葉を話さなくなってしまった例があります。
会話に慣れていないと、「伝えたい!」という気持ちが先行しすぎて、一文に情報を詰め込み過ぎる傾向があります。主語と述語、目的語がゴチャゴチャになって、結果伝わらないということになるんですね。
でも、会話上手な人の言葉を聞いていると、驚くほど一文が短いことが多くあります。そして会話を短く区切ることで、その間に相づちを挟む余地が生まれ、テンポの良い会話が出来上がるのです。
「会話はキャッチボール」とはまさにその通りで、相手と一緒に作り上げるもの。トーク上手な人ほどテンポを重視します。味気ないから話すのをやめようと思わずに、まずは発してしまうのがオススメです。
最初から完璧を求めない うまくしゃべれなくても大丈夫
「沢山話さないと」という焦燥感から一文を長くしてしまうのと同じく、「うまく話さないと」という意識が高すぎて、人見知りの克服が長引く可能性があります。
会話は、脱線してしまうこともあれば、言い方が変なってしまうこともあります。安心していただきたいのは、それは失敗ではなくて、個性として会話のスパイスになるということです。
会話が完璧すぎると、事務的で味気ない印象になりますから、むしろ歓迎されるでしょう。
「話したい」「伝えたい」という気持ちは相手に伝わりますので、不快に思われることはないでしょう。
会話上手の相手であれば、あなたの言葉がうまく伝わるまで待ってくれますし、逆にお互いに会話に苦手意識があるようであれば、共感して一緒に成長していける仲間になるわけです。
最初から完璧を求めると、言葉を発することも、行動することもできなくなります。誰しも、最初はできなくても、繰り返しで成長していきます。まずは声に出すところから始めましょう。
どこでも使える自己紹介ネタを用意しておけば場に馴染みやすい
初めて会う人とは、特に人見知りを発揮して、声も出せなくなるという方は多いと思います。そんな時のためには、自己紹介の鉄板ネタを用意されることをオススメします。ネタと言っても、相手に笑ってもらう必要はありません。
「○○な、△△(名前)です」というように、ほんの一言で大丈夫です。趣味や出身地、特技でもなんでもいいので、特徴的なものを話すことをオススメします。
もしも余裕があったら、相手と共通点のあるようなことを含めると、更にその後の会話がはずみますよ。
人は共通点が見つかると、グッと心の距離が近くなります。はじめは難しいかもしれませんが、会話に慣れてくると、どんどん先を見越して話題を提供できるようになってきます。
沈黙も怖がる必要なし! 会話ではよくあること
会話の途中で、話が途切れて沈黙が訪れることがありますよね。沈黙が来ると、相手が不快になってしまったのではないかというように、どんどん不安が大きくなって、パニックに近い状態になることもあるでしょう。
沈黙を極度に恐れて話過ぎて空回りするか、そもそも会話すること自体しなくなるか、という状況に陥ります。しかし、そこまで沈黙は気にしなくて大丈夫なものだと覚えておきましょう。
沈黙が訪れたからいって、相手の感情に異変が起きたとは限りません。多くは、話題に一区切りついて、一休みというパターンが多いです。
沈黙は、いずれ訪れる会話の終わりであることもあります。沈黙を「気まずい」と決めつけずに、よくあるものと思ってどっしりと構えておきましょう。
トーク上手な人に注目してみよう 良い技は自分に取り入れる
少し会話に慣れてきたら、トーク上手な人の会話に注目してみましょう。オススメは、テレビ番組の司会者や、雑誌のインタビュー記事です。
司会者やインタビュアーは、ゲストの魅力を引き出すように、様々な角度から言葉を投げかけています。
質問をするにしても、イエス・ノーで答えられる「クローズドクエスチョン」や、答えが無限に存在する「オープンクエスチョン」などを、多彩に使い分けているのです。
クローズドクエスチョンだと、相手にとって選択肢が2つしかないので、答えやすいもの。しかし、深堀するとなれば、オープンクエスチョンで、具体例を挙げてもらうことになります。
また、相手が話しやすいように、相づちを打ったり、大きなリアクションで応じたりと、色々と気を配っていることが分かります。
プロの技で、自分でも良いと思ったものは、どんどん取り入れてみましょう。手札が沢山あると、自信がつきますよ。
小さな挑戦を積み重ねれば人見知り時代は終了を迎える
人見知り克服までのステップは、何を試すにしても最初は勇気が必要だと思います。
でも、一度思い切ってやってみると「意外と出来る自分」を発見できるはずです。徐々に自信がついてきて、次からは躊躇なく、自分を発揮していくことができます。
ここまでご紹介した5つの挑戦は、小さなものかもしれません。しかし、小さな挑戦を積み重ねることが、人見知りの改善につながるのです。慣れたら、もう自分のものになった証です。
どんなジャンルの職人も、繰り返し鍛錬することで、技を習得していきますよね。人見知りも、繰り返していけば、絶対に克服することができるものです。
恐怖心なく会話できるようになったのであれば、もはや職人と同じで「技」を取得したようなものです。諦めずに、小さな挑戦を積み重ねていってくださいね。
まとめ
人見知りを克服すると、今まで「人見知りだから」という理由で狭まっていた行動や視野が開けてきます。対人への恐怖も徐々に減少していくので、恐らく、生きやすい状況になっていくことでしょう。
人と関わる仕事で苦労している方も、人見知りを克服することで、日々感じるストレスも軽くなってくることと思います。
人見知り時代に抱えていた恐怖は、実体のないもので、思えば思うほどに、どんどん膨らんでいくものです。
色々な挑戦は、最初は苦しいものです。でも、その痛みを乗り越えれば、日々の苦しみから解放されることは間違いありません。
やるかどうかは個人の自由です。でも、早い段階で克服していた方が、人生のストレス総量が大幅に減り、健やかな毎日を送ることができるようになりますよ。