これまでに転職を一度も考えたことがないという方は少ないのではないでしょうか。やりがいや待遇面などを色々な理由はありますが、中でも多い転職理由が職場での人間関係というもの。
しかし人間関係が本当の転職理由だったとしても、面接の際の転職理由として正直に伝えることはオススメできません。なぜ人間関係が転職理由では敬遠されてしまうのか。
そもそも人間関係で転職を決断することは正しい決断なのか。今まさに人間関係を理由に転職使用とされる方に、面接の際に好印象を持たれるオススメな転職理由3つを紹介します。
もくじ
なぜ転職理由が人間関係では印象が悪くなるの?
転職理由が人間関係の場合、採用する側からの印象は悪くなります。なぜ悪い印象を持たれてしまうのかというと、「嘘ではないかもしれないが、周囲だけでなく本人にも問題があるのでは?」と受け取られるからです。
また「我慢ができない人」「コミュニケーション能力が低い人」「自分に非があるのではなく、他人に責任があると考える人」というマイナスの印象を持たれてしまう可能性も高くなります。
特殊な職種でもない限り、他人と関わりを持ちながら仕事をしていかなければなりません。そして関わる全ての人が自分と相性が良かったり、仲良くなれるなんてケースは、ほぼありません。
採用する側は、なんとか折り合いをつけて周囲と協力して仕事ができる人材を望みますから、転職理由が人間関係という方への印象はどうしても悪くなってしまうのです。
そもそも人間関係で転職するのはどうなの?
人間関係を理由にして実際に転職してしまうという行為は、正解なのかどうかと気にしている方もいることでしょう。結論からいえば、人間関係を転職理由にして行動に移した場合、ジョブホッパーになる可能性が高いです。
ジョブホッパーとは「仕事をコロコロと変える人」という意味で、転職をしてもスキルの向上や待遇の向上がなく、むしろ下がっているような状態の方のことを言います。
人間関係を転職理由にして行動をする前に以下の2点のことを心に留めておくようにしたいところですね。
一人で働く仕事じゃない限り人間関係はついて回るもの!
少し触れていますが特定の職種でもない限り、たった一人で働くという仕事は、なかなかないものです。つまり現在の職場で人間関係を転職理由にした場合、転職先でそれが解消できる保障はどこにもありません。
同じように自分に対して辛くあたってくるような上司や同僚が存在しているかもしれませんし、その度合いが高くなってしまう可能性だってゼロではないのです。
ですからセクハラやパワハラが誰の目から見ても明らかであり、精神的に追い込まれて心の病気になってしまうようなヒドイ状況でもないなら、距離の取り方を見直してみるべきでしょう。
何の努力もせずに転職をすることは、転職先でもちょっとした人間関係のすれ違いなど起こってしまった場合、それを理由にまた転職を繰り返すことになります。
人間関係をまた1から構築する覚悟はある?
転職理由になるほど人間関係に悩んでいるという状況はツライことでしょう。しかし転職先で働くことになれば、また1から人間関係を構築していく労力が待っています。
もしも現在の職場で人間関係に不満があっても、ある程度の距離の取り方を知っていたり、言ってはいけない言動や取ってはいけない態度を把握できていませんか。
転職先では、これらの情報を1から収集する手間が掛かります。また、どうして現在のような状況になってしまったのか理由は分かっているでしょうか。
転職先でも人間関係を悪くしてしまうような働き方や態度を取ってしまうと、同じような状況に再び追い込まれる可能性だってゼロではありません。失敗を糧にして新しい人間関係を作っていく覚悟がないと転職をしても何も変わらない可能性が高くなります。
好印象を与えられるおすすめの3つの転職理由
人間関係を転職理由に実際に行動に移すのは、あまりオススメできないものですが、それでも精神的な病気になってしまうくらいなら転職をすべきです。
ただし転職理由を「人間関係が悪かったので」とそのまま伝えることは、前述のとおりでマイナスの印象を採用する側に与えてしまいます。その結果、転職を不利にしてしまいかねません。
そこで転職を決めた場合、本音の人間関係を転職理由にはせず、採用する側に好印象を残して転職成功に導ける3つの転職理由を紹介していきます。
人間関係という本音の理由をポジティブ変換する
転職理由が人間関係というのは、マイナスのイメージが持たれますが、そこでプラスのイメージへと自分で変換してみるのはどうでしょうか。
人間関係を気にしているということは、仕事というものはチームワークが大事であり、それが構築できることで仕事がスムーズに進めていけると考えている証拠です。
このプラスのイメージを転職理由にしてしまえば、同じように人間関係のことを言ってもマイナスに評価されることはありません。例えば「個人で完結する仕事より、チームワークによって成果をあげられる仕事に就きたいと思いました」とすれば隨分印象が違ってきます。
このようなプラス変換の方法は、転職サイトなどを利用してキャリアコンサルタントに相談をするといくらでも教えてくれるものです。個人でプラス変換できない方は利用をしてみるのも一つの方法と言えるでしょう。
どのスキルをどのように伸ばしたいのかを伝える
オススメの転職理由の定番とも言えるのが「スキルアップのため」という理由です。しかし単純にスキルアップと言われても、抽象的すぎて採用側には伝わりません。
面接官も過去に何度もこの手の模範回答を聞かされているため、インパクトも薄くなり、その他大勢のうちの一人にされてしまいます。採用する側が聞きたいのは「どのくらい自社に貢献してくれる人材なのか」です。
ですから、どんなスキルを身に着けたくて転職を決断したのか。現在のスキルはどの程度のものなのか。何のためにそのスキルを身に着けたいと考えているのか。
そしてそのスキルを利用して将来どのようなことをしたいと思っているのかなどを具体的に伝えることが「スキルアップ」を転職理由にしても受け入れてもらえるポイントです。
転職理由と志望動機はリンクを持たせるのが基本
人間関係という本当の転職理由をプラス変換できないのなら、そこには触れないようにすることも一つの方法です。そこで前述のスキルアップのためというのは使えますが、絶対に忘れてはならないポイントがあります。
それが転職理由と志望動機をリンクさせておくこと。例えば「営業で培ったスキルを活かしたくて転職を決断した」という転職理由を言ったとしましょう。
それにも関わらず、「御社の商品開発に携わりたかったので」という志望動機では、営業をしたいのか商品開発がしたいのか、一体何をしたいのかが伝わりません。
「営業職時代に培った情報収集力とマーケティングリサーチスキルを元に開発職にキャリアチェンジしたくて転職した」という転職理由なら、前述の志望動機でもリンクが取れ、説得力を持たすことが可能です。
まとめ
転職理由を人間関係にしてそのまま面接時に伝えることは、転職の際にはマイナスイメージを抱かせることになり、できれば避けるべきです。
また実際に転職を決断する場合も人間関係の再構築の手間や、たった一人でできる仕事はほぼなく、人間関係はついて回るものと考えて慎重に動くべきでしょう。
人間関係を転職理由として伝える場合には、決してマイナスに取られないようにプラス変換をして伝えることが大事であり、できればスキルアップなど触れない理由を使うこと。
またその際には転職理由と志望動機が矛盾しないようにリンクさせるように心がけることがポイントになります。このような転職のコツを把握している転職サイトを利用するのも転職成功の確率をあげる方法といえるでしょう。