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燃え尽き症候群で仕事に身が入らない… 3つの段階と5つの対処方法

燃え尽き症候群、別名バーンアウト・シンドロームと呼ばれるものをご存じでしょうか?最近ではこの燃え尽き症候群は広く知られるようになってきており、言葉として知っている人は少なくないでしょう。オリンピック選手などがそのスポーツ人生において最大の目標を成し遂げて虚脱感を覚えた時などに使われていることも多いですが、これは本来の燃え尽き症候群の意味するところではありません。本来の意味での燃え尽き症候群とはどんなものなのか、またその症状や対策はどのようなものがあるのかを見ていきましょう。

突然なってしまう可能性がある燃え尽き症候群に注意

本来の意味での燃え尽き症候群は先述のような虚脱感のことを指すものではなく、れっきとした精神疾患の1種です。考え方によってその立ち位置は変わってきますが、うつ病の中の1つのカテゴリーとして捉えることもあります。

なんの障害もなく、順風満帆に仕事に向き合い、成果を上げているように見えていた人が、ある日突然やる気を失ってしまい、燃え尽きたかのようになってしまう疾患のことを本来は意味しています。様々な影響を及ぼす可能性がありますが、仕事に関して言えばやる気が無くなることで以下のような実害が生じることが考えられます。

  • やる気が無くなり、成果が著しく低下する
  • 達成感を感じることができなくなる
  • 新たな目標を設定することが難しくなる

これらのことが代表例として挙げられます。これが続いていくと仕事に対しての情熱が失われ、最終的には休職や離職などにも繋がってくることになります。基本的には真面目な人や几帳面な人がなりやすい傾向がありますが、誰でも突然なってしまう可能性があることは留意しておくべきです。

あなたは燃え尽き症候群の3つの段階を知っていますか?

燃え尽き症候群には大別すると3つの段階があるとされています。これはアメリカの社会心理学者であるマスラックが、燃え尽き症候群の重症度を判定するために作ったMBIマニュアルというものの中で定義されたものです。これらはあくまでも大別した場合の話であって、実際の症状においてはここまでハッキリと分けることは難しいでしょう。初期段階と次の段階は被っている場合もありますし、必ず順序通りに症状が進行していくとは限りませんから、あくまでも1つの指針として捉えてください。

燃え尽き症候群の段階その1、情緒的消耗感とは

症状の1つである情緒的消耗感とは、仕事やプライベートにおいて情緒的に全力を尽くした結果消耗してしまった状態のことをいいます。心にゆとりが無くなり、心身共に疲れ果ててしまっている状態であると考えてください。このような状態になってしまうと、綺麗なモノや感動的な場面に出くわした時でも、全く無感動、無関心になってしまいます。要するに心が動かなくなってしまうのです。

もともと心が動きにくい、あまり感情が動きにくいという人はこのような状態でも燃え尽き症候群ではないでしょう。しかしそれまでは感情の動きがあった人が、ある日を境に突然このような状態になってしまったのであれば、それは燃え尽き症候群になってしまっている可能性も考えられます。

燃え尽き症候群の段階その2、脱人格化とは

燃え尽き症候群の初期症状ともいえる情緒的消耗感に晒される中で、人間に初期段階で備わっている防衛本能が働くようになります。この防衛本能の働きによって、相手との情緒的なコミュニケーションを避けるようになっていき、その終着点としてこの脱人格化に至ることになります。脱人格化は他人との関わり方を一定の決まったパターンで行うようになり、まさに情緒的なコミュニケーションが難しくなります。このコミュニケーションのパターンは人によって違うものですが、対人関係に対する煩わしさが原因の1つとなっていることから、他人に対しての態度が非常に無関心で、突き放したものになることも少なくありません。

情緒的消耗感は自身の中で完結している状態でしたが、脱人格化になってしまうとそれが他人に対しても起こっている、表面化している状態といえます。そのためこの段階になると周りが燃え尽き症候群ではないかと気づくこともできるようになってきます。

燃え尽き症候群の段階その3、個人的達成感の低下とは

燃え尽き症候群の最終段階ともいえるのが、この個人的達成感の低下です。ここまでの2つの段階を経て至るわけですから、あらゆる事に対して心が動かない状態になっているといえます。こうなってしまうと、仕事はおろかプライベートも含めた多くのことに対してどうでもよくなり、やる気が起きなくなってしまいます。仕事であれば遅刻やミスの頻発などの実害が発生するようになることもあり、それに対して注意をされてもモチベーションが無いので反省する気も起こりません。そのような状態が続いてしまえば、休職や離職という結末を迎えてしまうことも想像に難くないでしょう。

比較的軽度で済むことも多い燃え尽き症候群ですが、この段階まで進んでしまうとそう簡単ではなくなってしまうこともあります。またこの段階まで進行すると、生きること自体に対してもモチベーションが保てなくなることもあり、そうなれば他の精神疾患を併発する大きな要因ともなります。精神疾患は併発すればするほど、原因の特定が難しくなり治療に伴う時間と苦痛が増えてしまう可能性が高いので、燃え尽き症候群であってもこの段階に至った場合は早急に治療に取り掛かった方が賢明です。

仕事で燃え尽き症候群になった時の対処法を考えませんか?

基本的には精神疾患であり、うつ病の中のカテゴリーの1つである燃え尽き症候群ですから、それに対する対応策として考えられるものはうつ病などと似通う所が多いです。うつ病などに比べれば燃え尽き症候群が与える影響は軽度なものである場合も多いですが、これをキッカケとして他の精神疾患を併発し、重度化してしまうと生きる意欲も低下してしまうことなども考えられるので、あまり軽く考えすぎない方が良いでしょう。

急を要する場合は少ないですから、燃え尽き症候群に対してはまず以下のような自己対策を行ってみてから、専門機関に相談しても遅くはないですが、併用すると治るまでの期間が短くて済む場合もありますから、状況に応じて上手く活用してください。

燃え尽き症候群になった時の対処法1、規則正しい生活

仕事や家庭に追われている中で、この規則正しい生活を送るということは実は現代人にとって非常に難しい問題かもしれません。難しいことは百も承知ながらも、少しでも気にかけていくことは大切なことです。睡眠は非常に重要です。体を休めるためだけであれば、睡眠の導入がスムーズならば3時間程度でもある程度の効果は見込めますが、成人であればできれば7時間程度の睡眠を心がけましょう。

また適度な運動も必要です。ジムに行くことや運動のためにわざわざ時間を捻出することができるならばそれが理想ですが、それは難しい場合も多いですし続けられるかどうかも微妙です。ですから意識的に階段を使う、1駅は歩いてみるなどの生活の中に溶け込んだ、無理のない運動習慣をつけるようにしてください。

燃え尽き症候群になった時の対処法2、バランスの良い食事

健全な精神は健全な肉体に宿るといいます。体が健康でなければ心も元気ではいられないものです。1日3食を基本に考えるべきですが、食が細い人は無理して3食にこだわらずに、腹6分目ぐらいの食事を4~5回摂るなどの工夫をしてみましょう。また、3食の場合は朝と昼をしっかりと食べて、夜は軽めにしておきましょう。

朝はしっかりと食べて1日のスタートを切るためのエネルギーを捻出しなくてはなりませんし、昼は午後からの仕事を精力的にこなすために必要です。朝は軽めもしくは食べない、昼は適当に腹が満たされれば良い、夜にガッツリと食べるという食生活を送っている人が非常に多く見られます。

しかし、夜にガッツリと食べることはオススメしません。夜は消化器官の活動も朝方に比べて低下していて、そのために消化吸収効率が落ちて胸焼けや胃腸の不調の原因になったり、脂肪がつきやすくなったりとあまり良いことがありません。食べる時間と栄養バランスを意識し、食事だけでのバランス調整が難しければサプリを併用するなどして良い食生活習慣を目指しましょう。

燃え尽き症候群になった時の対処法3、気分転換

仕事だけ、家事だけなど何か1つにあまりに没頭してしまうと結果的に燃え尽き症候群のリスクを高くしてしまう可能性があります。没頭していたものが、ふとした瞬間に自分の手から離れると虚脱感に襲われ、それが引き金となってしまうことも少なくないからです。そうならないためにも、発症しないための予防的な対処法として、発症してからの対処法としても気分転換は必要です。

気分転換の仕方はなんでも構いません。なんでも構いませんが、過度な運動はあまりオススメしません。過度な運動は体内に疲労物質を生成、蓄積していきます。疲労物質が多すぎると、肉体的な辛さは当然のことながら、精神疾患全般に対して悪い影響を及ぼしてしまいます。あまり負荷の掛からない範囲で行うことが重要です。ここでいう負荷とは肉体的、精神的なことと共に、金銭面や時間的なことも含まれていますから、注意してください。

燃え尽き症候群になった時の対処法4、原因を究明する

燃え尽き症候群に限らず精神疾患の多くに言えることですが、無理のない範囲で原因を究明していくことも大切です。その場しのぎの対処療法を行うことでも症状を緩和することは可能ですが、精神疾患の場合の多くは外科的な手術などで病巣を取り除けるものではありません。ですから1度良くなっても根本的な原因が解決していない限りは、いつ何をキッカケとして再発してしまうか分かりません。急に問題の根本と真正面から向き合うのは非常にリスクが高いのでオススメしませんが、少しずつ様子を見ながらでも根本的な部分を改善していく必要があります。

幸いにして燃え尽き症候群における問題の根本は、他の精神疾患に比べてその根が深いものではない場合が多いです。そのため、この原因を究明するということが行われることで、あっという間に症状が改善することも決して少なくはありません。

燃え尽き症候群になった時の対処法5、いっそ気長に待つ

生活するための費用や環境がない場合はこんな悠長なことは言っていられないですが、もしもこれらのインフラ的な部分が整っているのであれば、いっそのこと全ての事柄から距離を置き、なんにもしないという日々を過ごしてみるのも手です。もともと仕事やプライベートに対して人一倍頑張り屋な人ほど、この燃え尽き症候群になりやすいわけですから、その人の生来の気質は何かしていないと落ち着かないタイプの人である場合も多いです。

そんな人は、なんにもしない日々が続いていくと勝手になにかしたくなってくるものです。なにかしたい、行動をしたくてウズウズするようになれば、後はそれを実行すれば良いだけです。ずっと特に目的もなく、なんにもしない日々を送るというのは想像以上に苦痛なものです。元々がとんでもない怠け者でない限りは、この手法で症状が軽くなり治ることも少なくありません。

まとめ

燃え尽き症候群は誰にでも突然起こりうるもので、それほど重いものではないことが多いですが精神疾患の1つと考えられます。このことをまずはしっかりと覚えておいてください。仕事やプライベートに真面目で几帳面なほど起こりやすいわけですから、常に何事にも全力投球というのも良いですが、少しリラックスして肩の力を抜いてみることも悪くないかもしれません。

対処法も1つではなく様々なものが考えられますが、何よりも大切なことは燃え尽き症候群になってしまった人自身が、その考え方や性格を見直してみることです。あなた自身がこういう悩みを抱いているなら、それは燃え尽き症候群という疾患であることを、あなた自身がしっかりと理解して向き合うことが大事です。

周りにこの様な症状を見せる人が居るならば、その人が自分自身で気づいているのか可能な範囲で気にかけてあげてください。もし気づいていないようであれば、それとなく教えてあげてください。何度も書くようにそれほど重大なことにはなりにくい症例ですが、歓迎できるものではありませんから、少しでも早く気づいて対策をすることが寛容です。

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