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退職理由はどう伝える?面接で聞かれる意図や伝えるときのポイント

面接で必ず聞かれるといえる“退職理由”。面接で聞かれたとき、あなたはどのように答えるでしょうか?

もちろん、前職を退職したということは、何かしらの理由があってのことでしょう。人間関係のトラブルや仕事内容のズレ、残業過多、休日出勤など、人によってさまざまであるはずです。

しかし面接では、退職した理由をそのまま伝えればいいわけではありません。面接官が退職理由を聞く意図を把握し、伝え方を工夫することで自身をアピールする気持ちが大切です。

そこでこの記事では、面接で退職理由を聞かれる意図や、伝えるときのポイントについて具体例を挙げながら紹介していきます。

面接や書類にて“退職理由”はなぜ聞かれるのか?

そもそも、なぜ企業は面接にて“退職理由”を聞くのでしょうか? それは「前職を辞めているけど、うちの会社では辞めてしまわないか?」という不安を解消したいから。ほとんどの会社では社員に長く働いてほしいと考えており、辞めてしまうリスクを事前に排除しておきたいと考えています。

つまり面接官は、退職理由を聞く際には“ポジティブな転職理由”を求めているのです。たとえば、以下のような理由を伝えたとしましょう。

  • 人間関係のトラブルがあったから
  • 前の仕事がつらかったから
  • 給料が少なかったから
  • 残業や休日出勤が当たり前だったから

などを面接官に伝えたらどうでしょうか? おそらく相手は「うちの会社でも同じように辞めてしまうかも…」「仕事そのものより待遇を優先する人か…」などと受け取ってしまうでしょう。それでは評価も上がりませんし、企業からの採用が遠のいてしまいます。

さらに、転職回数が多かったり退職までの時間が短かったりする方は、より前向きかつ具体的な理由を伝える必要があるでしょう。「なぜ転職回数が多いのか?」「なぜ短期間で辞めてしまったのか?」という問いに対して、明確な“答え”を用意しておく必要があります。

退職理由を面接で伝えるとき大切な4つのこととは?

退職理由を伝える際には、できるだけポジティブな伝え方を意識する必要があります。しかし「面接で退職理由を聞かれたらどう答えよう…」と悩む方は、おそらく何かしらの“ネガティブな理由”で転職を決意したのではないでしょうか?

人間関係や待遇面、残業過多、休日出勤など、前職への“不満”が原因かもしれません。もちろんこれらは正式な“理由”ですし、なんら問題はありませんが、これらをすべて正直に伝えられないのも事実です。

そこでここでは、退職理由を伝えるときのポイントや、ネガティブな転職理由の伝え方について紹介していきます。

ネガティブな退職理由でも“嘘”は絶対にNG

前職をネガティブな理由で退職した場合、どうしても「隠したい……」という思いが強くなるはずです。しかしネガティブな理由を隠したいがあまりに、“嘘”をつくことは絶対にやめましょう。

もちろん、ネガティブな理由をすべて話す必要はありません。しかし、伝え方を工夫してオブラートに包むことと、何かしら別の嘘をつくことでは意味が違ってきます。嘘をつくことでその場は乗り切れるかもしれませんが、嘘がバレてしまった場合、たとえ採用されていたとしても後のことはどうなるかわかりません。最悪の場合、“解雇”などの処分も十分に考えられるでしょう。

大切なのは、退職理由の“伝え方”です。そのまま捉えるのではなく、視点を切り替えて“ポジティブ”に感じられるような伝え方をすることを心がけましょう。

ポジティブに転職していることをアピールする

面接で退職理由を聞かれるのは、企業側が持つ「すぐに辞めてしまわないか?」という不安を払拭するためである場合がほとんど。面接では、できるだけポジティブな伝え方を工夫して「自分はポジティブに転職しているんだ」ということを伝えましょう。

もちろん、嘘を話したり話を大きく膨らませたりする必要はありません。たとえネガティブな理由で退職していたとしても、面接での“伝え方”でカバーするべきです。

たとえば、人間関係ならば「前職は連携を取らずにひとり黙々と仕事をするスタイルだったが、周りとコミュニケーションを取る仕事をしたくて」、待遇面であれば「(具体例を出しつつ)前職は結果を出した人が評価されない会社であったが、成果に対して適切な評価をしてもらいたい」など、できるだけポジティブな言い方を工夫してみてください。

ここでのポイントは「前職の経験を教訓としつつ、視点が“次の仕事”に向いているのか?」ということ。「〇〇だったから退職をした」ではなく、「前職は〇〇だったが、自分は△△な仕事がしたいから退職した」など、前向きに転職活動をしているアピールをするのがベストです。

退職理由と志望動機との間に一貫性を示す

退職理由とともに、面接で必ず聞かれるのが“志望動機”でしょう。実はこのふたつは強い関係にあり、「〇〇が理由で退職した、次の仕事では△△がしたい」という“一貫性”がなければいけません。

そもそも転職とは、自分が働く環境を変えるためのものです。もし「前職では仕事内容が合わずに退職をした、次も仕事内容は同じでいいけど残業や休日出勤が少ない会社を希望している」となれば、かなり矛盾や違和感を覚えませんか? おそらく面接官も「なぜうちの会社に応募したの?」と疑問を感じてしまうでしょう。

つまり志望動機は、退職理由を改善するためのものでなければいけません。たとえば「前職では〇〇の事務として働いていた」→「しかし〇〇の営業職としてお客様と直接話せる仕事がしたかった」→「前職では異動の申請をしても断られた」→「〇〇を取り扱い、△△の経験ができる御社の営業職に応募した」という流れであれば、一貫性があり話の筋も通ります。

ですので、もし先に志望動機を決めていれば、その志望動機に着地できるような退職理由を逆算して考えるのもひとつの方法と言えるでしょう。

他人に責任を向けるような理由は避けるべき

人間関係や待遇面、残業や休日など、働く環境が劣悪だったことが原因で転職を決意した方は少なくはないでしょう。しかし、それらを「周りのせいだ!」とストレートに面接で伝えることだけは避けましょう。

悪いのは周りの人や環境だったはずです。その環境と戦い続け、疲れ果てて転職を決意した方もいるでしょうし、そのことを正直に面接官へ伝えたくなるのも無理はありません。しかし、それを正直に伝えてしまうと、相手にマイナスイメージを与えてしまう可能性があるのも事実です。

  • 上司の考え方がおかしくて仕事にならなかった
  • 自分は仕事をしているのに評価されなかった
  • 会社の将来性に不安を感じた
  • 残業を当たり前のようにして働く環境だった

などと伝えると、事情を知らない面接官は「この人は周りに責任を押し付ける人かもしれない…」「自分は解決しようと努力しなかったのか…」と感じてしまいます。それではあなたが不利になるだけですし、「退職したのは周りのせい!」という伝え方は極力避けましょう。

退職理由をどう伝える?シチュエーションごとの例

ここまで、面接における退職理由の伝え方について具体例を含みながら紹介しました。最大のポイントは「前向きかつ周りの責任にせずに、志望動機との一貫性を示すこと」です。これさえ気をつければ、面接でマイナスイメージを与える可能性は低くなります。

しかし中には、転職回数がかなり多かったり前職をかなり短期間で辞めてしまったりと、“特殊な事情”を抱えている方もいるはずです。そういった方は、退職理由に対してより気を使う必要があるでしょう。

そこでここからは、特殊なシチュエーションを持つ方がするべき退職理由の“考え方”を紹介していきます。

転職回数が多い場合はより具体的な理由を伝える

転職回数が多い場合は、それぞれの会社を退職・転職した理由をより“具体的”にする必要があります。一つひとつの転職とあらためて向き合い、当時持っていた気持ちや考え方を整理しておきましょう。

「転職回数が多い」という判断の基準は企業によって異なりますが、一般的には20代だと2.3回、30代だと3~5回転職を経験していると、企業側も「転職回数が多い」と判断する傾向にあるようです。もしあなたがその基準に該当するのであれば、それぞれの転職についてより具体的に考え直す機会が必要になります。

なぜなら、転職回数が多い求職者に対して企業側は「うちでもすぐに辞めてしまわないか?」「継続力がない人なのか?」と不安を感じてしまうから。できるだけ早くその不安を解消しなければ、あなたが採用される可能性はかなり低くなると言えるでしょう。

ただ、その不安に対して「過去の転職にはしっかりとした理由がある」ということをアピールできれば、不安は解消され転職回数の多さがデメリットとならないでしょう。

退職までの期間が短い場合は正直に伝える

続いては、前職をかなり短期間で辞めてしまったケースです。短期間での退職というのは何かしらの“大きな原因”があるはずですので、その原因をできるだけ正直に伝えるのがベストでしょう。

ただ、ここで気をつけたいのが「原因だけを理由にしないこと」です。というのも「面接時に説明を受けていた仕事内容と違った」とだけ伝えれば、退職理由が伝わるだけでアピールにはなりません。そこを「面接時に説明を受けていた仕事と違い、上司に事情を説明して異動の申請をしたが通らず、やはり仕事内容が合わなかったので転職を決意した」と伝えれば、あなたの主体性や行動力をアピールできるでしょう。

つまりは、原因だけを伝えるのではなく「問題に対してどう改善しようと動いたか?」という部分を一緒に伝えることが大切になります。この部分をうまく伝えられれば、面接官も「自分で考えて動ける人材だ」「問題を解決しようと努力する人材だ」などと、好意的に受け取ってくれるかもしれません。

もちろん嘘は絶対にいけませんが、前職で起きた問題に対して何かしらの“アクション”を起こしているはずです。そのアクションをできるだけ前向きに伝え、ネガティブな要素をポジティブな要素に変換できるようにしましょう。

ただの退職理由だけではなく“深堀り”を意識する

ここまで、面接における退職理由の伝え方やポイントについて紹介しましたが、ポイントやテンプレートに注意して準備した退職理由がすべての面接で通用するわけではないのも事実です。退職理由に限らず、すべてにおいて“深掘り”を意識しなが準備を進めておきましょう。

というのも、面接官の中にはかなり“いじわる”な質問をしてくる方もいますし、近年は人柄を判断するために“雑談方式”の面接を採用している会社もあります。もしあなたがテンプレート通りの回答だけを用意していれば、いじわるな面接官の質問や雑談方式の面接には対応できません。

これらの“特殊な例”に対応するためには、セルフディスカッションによる“深掘り”をすることをオススメします。具体的には、自分が用意した退職理由や志望動機に対して「なぜ?」「これはどうなの?」といじわるな面接官になったつもりで質問をしていき、それらに回答していくという方法。

たとえば、退職理由が「仕事の内容」だった場合。

「営業の仕事が自分に合っていない」→「なぜ合っていないと思ったの?」→「仕事にやりがいを感じなかった」→「なぜやりがいを感じなかったの?」→「たとえ仕事を獲得できても喜びを感じなかった」→「周りからは褒められたと思うけど?」→「運がいいと言われただけだった」

というように、どんどん自分に質問を投げかけて深掘りを進めてみてください。また、このセルフディスカッションによる深掘りは、紙に書き出しながら行うのがオススメです。紙に書いておけば客観的に見られるようになりますし、いつでも振り返られるようになるので有効に活用しましょう。

まとめ

退職理由というのは面接において必ず聞かれることのひとつであり、過去の転職についても聞かれると考えておいたほうがいいでしょう。退職理由の伝え方次第で面接官はあなたに対する印象や考え方などを判断するため、伝える内容には十分な注意を払ってください。

そのために大切なのは“事前の準備”であり、この準備にすべてがかかっていると言っても過言ではありません。転職を志す際には自身の過去や考えと向き合い、できるだけ深い部分まで言葉として表せるようにしておきましょう。

「準備をしておくべき!」と聞くと、少し面倒に感じたりプレッシャーを感じたりする方がいるかもしれません。しかし準備をおろそかにしたまま、ガチガチに緊張しながら面接に臨むよりかは「まだマシだ」と感じませんか?

と言っても、面接の準備はそこまで難しいものではありません。なぜなら、退職理由も志望動機もすべてはあなたの中にあるから。転職という大きな分岐点にいるいまだからこそ、あらためて自分自身と正直に向き合ってみてください。

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