はじめて部下を持ったという方は、どんなふうに部下に接したらいいのか、とても悩ましいですよね。今まで自分が先輩や上司から教えてきてもらった通りにやっても、うまくいかないことが多いはずです。
自分の話を聞いているのかよくわからない、疑問があっても質問してくれない。部下が今何を考えているのかは、上司の自分からは見えてこないことばかりです。そうすると、ますます焦って空回りしまい、部下との溝がどんどん開いていくことになりかねません。
部下を教育する時には、実は押さえておくべきコツがあるんです。ここを押さえておけば、きっと部下の教育がスムーズになっていきますよ。
部下の教育に悩んでいる方は是非参考にしてみてくださいね。
もくじ
部下の教育が難しくなる理由とは?
まず、部下のことがわからないということで悩む必要は全くありません。あなたの部下は、当然あなたとは違う経験をしてきています。
経験が違うというのは、仕事の内容だけではありません。どんな家庭環境で育ったのか、どんな学校に通って何を勉強してきたのか、どのような交友関係があるのかなどあなたとは違うバックグラウンドを部下は持っています。
また、それだけではなく、あなたとは育ってきた時代の違いというのもあります。例えばあなたは友人の考え方をしっかりと理解することはできていますか?きっと友人でも考え方が分からないことはたくさんありますよね。それが年の離れた新しい部下ならなおさら分からなくて当たり前です。
今はまだ部下のことをうまく理解できなくても、それはあなたの能力が低いわけではないので、自分を責める必要はありませんよ。
部下の教育に悩んだときに知っておきたい5つのコツとは?
部下をどのように育てていけばいいのか、あなたにはいろいろな理想像が浮かんでいるかもしれません。あれもできるようになって欲しい、こんな風になってもらいたい、部下の成長を想像するのは楽しいですよね。
でもそれをどうやって実現すればいいのか、現実を考えると気持ちが落ち込んでしまいます。ついつい自分のやり方を押し付けてしまい、部下が動いてくれないという状況になっている方もいるかもしれません。
そんな部下の教育に悩んでいる方に、五つのコツを紹介しますね。ここの部分さえ押さえておけば、部下との距離がぐっと縮まるはずですよ
期待していることを伝えて、やる気を引き出そう
あなたが部下に対して、成長や成果を期待していることをはっきりと言葉で伝えましょう。人は他人から期待されて嫌な気持ちはしません。
ほかの人が自分のことを信じてくれていると思うと、嬉しくてやる気が湧いてきますよね。単に、「この仕事をやりなさい」と言われても部下のやる気はでません。「あなたは人の話を聞き出すのが上手いよね。それを生かせば新しいお客様ともすぐに関係性を作れると思うので、新規開拓の仕事を任せたい」というふうに期待を伝えていきましょう。
部下は、自分が認められている、期待されているという気持ちがあれば、前向きに努力して仕事に取り組んでくれるはずです。部下のやる気を維持するためには、できるだけこまめに期待を伝えていくのが大切ですよ。
目標は部下と一緒に話し合いながら決めよう
仕事をするうえで、毎月の目標や半期の目標など色々な目標を決める機会がありますよね。あなたの部下の現在の目標は誰が決めたものでしょうか?もしかして、上司のあなたが一人で部下の目標を決めてしまっていませんか。
人は押し付けられた目標には、やる気が湧いてこないものです。お前の目標は、半年間で5件の新規顧客と契約をとることだ、と指示されても本気で取り組もうという気持ちはでてきません。
そうではなく、できるだけ部下と一緒に話し合いながら目標を決めていくようにしましょう。部下がどんなことをやりたいと思っているのか、どんな気持ちを持って仕事に取り組んでいるのか、話し合いの過程でいろいろと聞き出せるはずです。
部下の考えと、上司のあなたの考えをすり合わせながら、一緒に目標を立てていくことが重要です。自分がやると決めた目標であれば、部下は自発的に頑張っていけるようになりますよ。
部下から上司のあなたに話しかけやすい雰囲気を作ろう
上司のあなたには、部下は一人だけというわけではなく、何人もの部下がいるかもしれません。複数の部下の教育を行い、自分自身の仕事も進め、きっとあなたは忙しい毎日を送っているはずです。
一人の部下にずっと付きっきりになって指導するということはできないですよね。ただ、上司のあなたから見ればたくさんいる部下の一人でも、部下から見れば上司はあなたしかいません。
あなたがあまりにも忙しそうな様子では、部下が話しかけづらい、質問しづらいと思っているかもしれないですよ。あなたは、なぜ部下が質問を自分からしに来ないのかと憤る気持ちがあるかもしれませんが、部下はあなたが忙しいのを気遣って話しかけるチャンスがないだけかもしれません。
できるだけまずは、あなたから部下に声をかけるようにしましょう。自分にはいつでも話しかけても大丈夫だよ、と直接言うのもいいかもしれませんね。忙しい時こそ余裕を見せた対応するのがポイントですよ
細かく指示を出すのではなくまずは自由にやらせてみよう
あなたは、部下の仕事が心配なあまり、ひとつひとつ細かく指示を出しすぎてはいませんか。この資料はもう作ったのか、ここには連絡をしたか、会社訪問の準備はしたのかなど、一つ一つのステップに対して確認を取っている方がいるかもしれません。
あなたにとっては指導のつもりでも、部下は自分が信用されていないと感じて嫌な気分になっているかもしれないですよ。また、細かく指示されることに慣れてしまうと、指示がないと動くことができない指示待ち人間になってしまう可能性もあります。
いきなり部下に任せるというのは心配かもしれませんが、まずはある程度自由にやらせてみましょう。自分で考える範囲があることで、部下の思考力や判断力が伸びていくはずです。そうすると、自発的に新たな提案をしてくれるようになるかもしれませんよ。
重要なポイントだけはあなたが確認をして、あとは部下が考えて仕事を進めてもらいましょう。
ミスが起きた時は部下に改善点を考えさせよう
仕事をしていると、ミスをすることは必ずあるはずです。あなたは部下がミスをした時に、すぐに「今回はここが悪かった。次からはこうしなさい」と指示を出してしまっていませんか。
もちろん部下のミスのリカバリーをするのは、上司であるあなたの役割です。関係各所と調整して、対策を進めていかなくてはいけません。ただ、ミスが起きた時こそ、部下が成長するチャンスにもなります。
部下自身に、どうしてミスが起きたのか、次はどうすればミスが起きないようにできるのか、改善点を考えさせるようにしましょう。
自分で振り返り、問題点を考えることで、自分の足りなかった部分に気づくことができるようになります。
そうすれば、きっと部下は二度と同じミスはしないはずですよ。
部下も上司の考え方を知りたいと思っている
あなたから見ると、部下は何を考えているのかよく分からない存在かもしれません。ただ、部下から見ると、上司のあなたがどんな考え方をしているのか、よく分からないと思われているかもしれないですよ。
あなたは部下に自分の考えについて、話をしていますか。どうしてこのようなやり方で仕事を進めているのか、この取引先に連絡するときはどこに注意していてそれはなぜなのか、仕事の指示を出すだけではなく、その考えの背景を伝えるようにしていきましょう。
あなたの考え方が徐々にわかってくると、部下もあなたの考えに応じた対応を取れることができるようになってくるはずです。あなたが一方的に部下から聞き出すのではなくて、自分のことも話しながら関係性を作っていきましょう。
すぐに完ぺきにできる部下はいない!長期的な視点で教育しよう
あなたも新入社員の頃はミスをしたり、上司の考えが分からずに苦労したりしていましたよね。誰でも初めから仕事を完璧にできるわけではありません。いろんな失敗や苦労を乗り越えて成長していくはずです。
あなたの部下も、今のあなたから見ればまだまだ足りないところが多いかもしれませんが、これから必ず成長していきます。一つのミスに対して目くじらを立てるのではなく、そのミスを成長につなげていくにはどうしたらいいのかを考えてあげてください。
1ヶ月や2ヶ月という短いスパンで部下のことを評価するのではなく、この先10年20年後に立派な社会人として会社に貢献できるよう育てていくようにしましょう。
将来きっと部下は、あなたに育ててもらったという恩を思い出すようになるはずですよ。
まとめ
部下はあなたとは違う環境で育ち、仕事の経験も少ない状態なので、あなたが部下の考え方が分からなくて当然です。部下の教育に悩んだ時は、次の五つのコツを覚えておくと、部下の教育がしやすくなりますよ。
一つ目は、期待していることを伝えてやる気を引き出すこと、二つ目は、目標は部下と一緒に相談しながら決めること、三つ目は、部下から話しかけやすい雰囲気を作ること、四つ目は、あまり細かく指示を出しすぎるのではなくまずは自由にやらせてみること、そして最後は、ミスが起きた時は、部下に改善点を考えさせることです。
また、部下も上司のあなたの考えが分からず悩んでいるかもしれないので、できるだけ自分の考え方を伝えていくようにして下さい。
部下は必ず成長していきます。ぜひ長期的な視点で部下の教育を考えるようにしていきましょう。