社会人として働いていると、多かれ少なかれ会社に対する不満が蓄積していくのが自然です。我慢できる範疇なら良いのですが、それが限界を超えると耐え難いものとなってしまい、そのせいで転職を考えてしまうこともあるのではないでしょうか。
この記事では、会社に不満を感じた際の対処法を見ていきたいと思います。不満の種類によって対処法も異なるため、まずは自分がどのような不満を抱えているかをしっかりと見つめる必要があるでしょう。
もくじ
感じている不満の種類によって対処法は異なる
会社への不満と一口に言っても様々なものが存在します。「給与が低い」や「福利厚生が不満」といった待遇面によるものから、「人間関係が煩わしい」「仕事内容が不満」といった実務面まで、人の数だけ不満があると言っても過言ではありません。
会社に不満を感じている場合、まずはそれを棚卸しして、自分はどのような面に不満を感じているのかを正確に把握する必要があります。あらゆる問題を瞬時に解決できる万能な解決法はありませんし、実行したら100%不満が消える対処法も存在しません。
そのため、自分が抱えている不満をしっかりと分析し、適切な対処法を考える必要があるでしょう。問題が発生している場所にはその原因も潜んでいることが多いので、なるべく原因そのものに目を向けて対処法を考えたいものです。
給与面や福利厚生等の待遇面に不満がある場合の対処法は?
それでは、まず給与面や福利厚生等の待遇面に不満がある場合の対処法を見ていきたいと思います。給与等の待遇は会社の規定で定まっていることが多いため、例外的に一人だけ待遇を変えるといったことは難しいでしょう。
そのため、待遇を定めている規則自体は変わらないという前提で物事を考える必要があります。会社の規則というのは傍から見ると意味の分からないようなものもあるかもしれませんが、それを一社員の力で変えることは大変難しいものです。
変えるのが難しいところを無理に変えようとするのではなく、ひとまず下記のような事柄を試してみてはいかがでしょうか。
収入を上げるだけであれば副業という方法もある
給与等の金銭面に不満を抱いているのであれば、副業を行い給与以外の収入を得ることで不満が小さくなることが期待できます。最近は副業解禁を公言する企業も増えてきており、世の中の流れとしても副業を推奨する方向へ舵を切りつつあります。
そして、副業の種類も様々なものが選べる時代になっており、在宅でできるものもあれば本業と同じ雇用契約を結ぶアルバイト等を選択することも可能でしょう。自分に合った副業を行い、給与以外の収入を増やすことで収入面での満足度も向上するのではないでしょうか。
しかし、会社が副業を禁止している場合はその限りではありません。会社に黙って副業を行うという方法もありますが、もしバレてしまった際の責任は誰も取ってくれませんので、副業を行うかどうかはしっかりと検討した上で決めた方が良いでしょう。
待遇面は改善される可能性も。時には長期的な目線を持つことも大事
待遇面は規則として定まっていることが多いため、一社員の力で変えるのは大変難しいものです。しかし、規則として定まっているからこそ、長期的に見て規則そのものが変更される可能性はゼロではありません。
規則というのはどれだけ下らないものに見えても、当初は何かしらの意味があって作られているものです。そのため、余程のことがないと削除されたり変更されることはありませんが、余程のことが生じればその限りではないでしょう。
しかし、短期的に自分の都合の良いように規則が変更されるのは期待しない方が良さそうです。待遇面の改善は長い目で見て、時には我慢しつつ期待しすぎず長期的に待つことが求められるでしょう。
それは簡単なことではありませんが、もし仕事内容にも人間関係にも不満がなく待遇面のみに不満を感じているような場合には一考の余地があるのではないでしょうか。
人間関係や仕事内容等の実務面に不満がある場合の対処法は?
それでは、次に人間関係や仕事内容といった実務面に不満がある場合の対処法を考えてみたいと思います。実務面に不満がある場合は環境を変えるというのが一番てっとり早い改善方法となるのですが、それが許されるケースばかりではないでしょう。
環境を容易に変えることができない場合は自ら対応していく他なく、時に我慢を強いられることもあるかもしれません。仕事というのは誰かと一緒に行うものである以上、自分の我儘が100%通ることはまずないでしょう。
そのため、もし会社に対して実務面の不満を抱いているようであれば、下記のような方法で自衛を試みた方が手っ取り早いのではないでしょうか。
人間関係に不満がある場合は、まず自分から心を開いてみよう
会社の人間関係に不満がある場合、まずは自分から積極的に心を開いてみましょう。人間関係が上手くいっていない際には相手を信頼することができず、互いに疑心暗鬼になっているケースが多いものです。
それではいつまでたっても良好な人間関係を構築できませんので、まずは自分から心を開いて接することをお薦めします。黙っていても相手から心を開いてくれる可能性は稀であり、環境を容易に変えることができない場合は自分から対応していく他ありません。
自分から積極的に心を開いて接することで、徐々に相手の態度も軟化し、いつの間にか良い関係が築けているということもあるでしょう。人と人の関係というのは数字やデータで測ることができない大変複雑なものです。
であるからこそ、自分に許容される範囲でベストを尽くすことが求められるでしょう。それは人間関係の構築のみならず仕事全般に言えることであり、それができるかできないかによって将来的な伸び幅が決まると言っても過言ではありません。
仕事内容に不満がある場合は、上司や人事に相談してみよう
人間関係ではなく、仕事内容そのものに不満がある場合は直属の上司や会社の人事に相談してみるのも手です。会社としては社員に向いてない業務をやらせるよりは向いている業務に取り組んでもらい、しっかりと成果を上げてほしいという思いがあるのではないでしょうか。
そのため、上司や人事に自分が今現在抱えている仕事内容への不満及び改善点を相談することで便宜を図ってもらえる可能性があります。仕事内容への不満を抱いている場合、仕事内容そのものを変えてしまうのが根本的な対処法と言えるでしょう。
しかし、ただ単に「今の仕事が嫌」というだけの主張であれば耳を傾けてもらうのは難しいようです。上司や会社としてはその主張が正当なものなのか、それともただの我儘なのかを見極めなければならず、もし後者なのであれば一々聞き入れることはできません。
そのため、もし仕事内容への不満を主張したい場合は、何かしら客観的な証明や具体的な改善方法を添えて相談した方が良い結果に繋がるのではないでしょうか。
スキルを磨き目に見える成果を出すことで改善される場合も
人間関係や仕事内容といった実務面に不満がある場合、自分磨きをして目に見えるような成果を出すことで改善される場合もあります。目に見えるような成果を出すことができれば自分も充実感を得られますし、周囲からの評価も高くなるでしょう。
仕事内容そのものには興味を抱けなくても、誰かから期待されることでモチベーションが沸くという場合もあります。そして、自身が周囲から高い評価を受けることで自然と周りの目も変わり、良好な人間関係も築きやすくなるでしょう。
もしかしたら、人間関係や仕事内容といった実務面の不満というのは、自分が思ったほど評価されていないことに起因するのかもしれません。そうであるならば、しっかりとしたスキルを身に付け、目に見える成果を出すことで改善が見込めるのではないでしょうか。
どうしても我慢できない場合は思い切って転職してみるのも手
会社への不満を感じた際に試してみたいことをいくつかご紹介させて頂きましたが、どうしても我慢できない場合は転職という選択肢を検討するのも良いかもしれません。転職を行うことで環境が変わり、あらゆる面が一新されることでしょう。
それが必ずしも自分の望む方向に変わるとは限りませんが、少なくとも待遇面に関しては入社前に確認することができます。そのため、もし待遇面に不満を感じているのであれば、転職することで改善を図ることは十分に可能でしょう。
しかし、実務面に不満を感じている場合は慎重になった方が良さそうです。人間関係や仕事内容といった部分は実際に入社して働いてみるまでは分からないものであり、下手をしたら今より悪くなってしまう可能性もあります。
ひとまずは現状でできる限りの改善を試み、それでもどうしようもない場合には転職を検討するという形が良いのではないでしょうか。
まとめ
一昔前に比べると転職することが一般的になり、働く環境を変えやすくなりました。労働市場の流動性が高まることで労働者はより良い環境を追い求めることができ、良い環境を得ることができれば仕事を通して充実感を得ることができるでしょう。
しかし、現状の不満をよく分析しないままに転職してしまうと、転職した先でも同じような問題に見舞われてしまう可能性があります。それでは何のために転職したのかが分からなくなってしまうので、ひとまず現状で起きている問題をしっかりと把握しておく必要があるでしょう。
そして、その原因を見据え、一度はできる範囲での改善に努めてみることをお薦めします。結果として転職という選択肢を選ぶことになったとしても、その経験はいつかどこかで活かされるかもしれません。