転職を決意する“キッカケ”というのは人それぞれですが、ほとんどの人に共通している転職の考え方は「できる限り早く転職したい」ということだと思います。
「今の仕事を早く辞めたい」「次の仕事に早く就きたい」など、転職において“スピード感”を重視する方は多いでしょう。
しかし、転職というのは人生における“大きな分岐点”となります。せっかく意を決して転職をするならば、できるだけ良質な求人が多い時期に転職をするべきでしょう。
実は、転職市場では「求人が多い時期とライバルが少ない時期」が存在するのです。そこで今回は、転職を考えている人が「転職するべき“時期”と、時期に関係なく求人がある“業界”」について紹介していきます。
もくじ
転職市場の求人が増える時期は?おすすめは?
転職というと“焦り”を感じる方が多いと思いますが、転職において焦りは禁物です。せっかく転職を決意したのであれば、自身が希望する業界や職種への転職を実現させるために“万全の準備”をするべきでしょう。
転職するうえで、「どの時期に何をすればいいのか?」と悩む方は多いはずです。ですので、ここでは「転職するうえでのおすすめ時期」について見ていきます。
転職するべき時期がわかれば逆算して行動を起こせますので、まずは適切な時期を把握してあなたなりの“転職計画”を立てていきましょう。
求人が増えるのは2月と10月!募集の質も上がる時期
まず、転職市場において求人が最も増えると言われている時期は「2月と10月」になります。2月は新年度を迎える4月への準備のため、10月は下半期に向けた準備のための採用活動が活発になるのです。
求人の量も質も上がる時期になりますが、その一方で「ライバルが多い」ということも覚えておきましょう。また、この時期は求人が増える一方で、転職のために退職する人が増える時期でもあります。
ボーナスが支給される6月や12月に合わせて退職する人が多く、そこから2月や10月の求人に照準を当てて活動するケースが多いのです。
一般的に、転職活動に必要な期間は“3カ月前後”と言われています。ですので、求人が活発な時期に転職をしたい場合は「転職希望時期の3カ月前頃」から、情報収集や自己分析などを始め、実際の応募へつなげる動きが必要です。
ライバルが減るのは5月と6月!落ち着いた環境で戦う
転職市場において、ライバルが減る時期というと「5月〜6月」と言えるでしょう。
なぜなら、求職者としては4月入社を希望していた人が採用を決めて、企業としては4月の配置転換や人事異動などで不足した人員を補充したいニーズが出てくるからです。つまり、求職者は減りつつも企業の人材ニーズがまだ残っている状態と言えます。
とは言っても、求人の量と質ともにピークの時期と比べると劣ることは確かです。特に、あなたが転職を希望する仕事が“普段求人が少ない業界・職種”であった場合は、その傾向はより顕著に出てしまいます。
また、夏頃まで転職に時間をかけてしまうと、お盆休みなどで企業の動きも止まり、転職活動の動きが鈍くなってしまうので注意しましょう。
このライバルが減る時期での転職を希望する場合は、まず2.3月頃から情報収集や自己分析を始め、求人が活発になる3月頃から面接の経験を積みましょう。そのうえで本命である5月の求人に臨み、内定をつかめるようにしてください。
時期に関係なく求人がある業界や職種の特徴とは?
ここまで、転職するうえでの“おすすめ時期”を紹介してきました。「今の会社は辞めたいけど、いつ転職に踏み切っていいのかがわからない…」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
しかし、「いますぐ仕事を辞めて転職したい」と考えている方もいるでしょう。そのように悩んでいる場合はどうすればいいのでしょうか?
実は、業界によっては「時期に関係なく求人を出している業界・職種」があるのも事実です。これを聞くと「常に求人を出している会社は印象が悪い…」と感じる方がいると思いますが、そうとは言い切れないのも事実です。
ここからは、転職市場において「時期に関係なく求人が出ている業界や職種」を紹介していきます。
人手不足が慢性化!常に人材が足りていない業界
世の中には本当に数多くの職業があります。実はそのなかには「常に人手が足りていない業界・職業」があるのです。人手不足が慢性化している業界では、時期に関係なく求人が出されている傾向にあります。
例として、医療・介護関係や飲食関係、建築関係の仕事が挙げられるでしょう。これらの業界は常に人手不足で悩まされており、人材ニーズが常に高い業界とも言えます。人手不足で悩む会社は未経験者でも転職がしやすく、しっかりと熱意を伝えれば採用されるケースも多いようです。
ただ、注意したいのが、人手不足の業界は「社員一人ひとりの仕事量が多く、負うべき責任も大きい可能性が高い」ということ。このことを考えずに転職してしまうと、「仕事がつらい」と挫折してしまう可能性も考えられます。
需要が高い!世の中から求められている業界
“世間的に需要が高まっている業界”は人材に対するニーズが高く、時期関係なく求人が出されている傾向にあります。新規事業の開拓や会社規模の拡大などの活動のため、多くの人員が必要になるのです。
例として挙げられるのは、AI業界や介護関係、運送業など。技術革新や人口の推移などの社会の変化と連動して、“社会から求められる仕事”というのも変化していくのです。
また、同様に「急成長している業界」も人材のニーズが高く、時期関係なく求人が出されていると言えるでしょう。
AIの分野はもちろん、インターネット広告やネットショップの分野など、現代では急成長している業界が数多くあります。転職を考えるうえで、現代における社会の動きにも注意が必要になるでしょう。
人材の入れ替わりが激しい!離職率が高い業界
業界として、退職する人が多く人材の入れ替わりが激しい業界・会社は、時期関係なく求人が出されています。
当然のことですが、会社として、人が少なくなれば人員を補充しなければなりません。人材の入れ替わりが激しい業界の例として、IT業界や飲食・サービス業、不動産業界が挙げられます。
“入れ替わりが激しい会社”と聞くと、前向きな印象を持たない方も多いと思います。もちろん、業界によっては「仕事がつらいから」「待遇が悪いから」などの理由で入れ替わりが激しくなっていますが、必ずしも「入れ替わりが激しい=ブラックな業界」というわけではないのも事実です。
例えば、エンジニア職やベンチャー企業などは入れ替わりが激しくて“当然”と言えます。キャリアアップのための転職が頻繁に行われるため、人材の入れ替わりが激しくなってしまうのです。
ですので、「入れ替わりが激しいからあの業界は避けよう」と考えるのではなく、「なぜあの業界は入れ替わりが激しいのか?」ということを考えたうえで検討するようにしましょう。
転職する時期はその後のキャリアにも影響する
転職において、求人が多くなる時期やライバルが少なくなる時期があるのは事実ですが、それはあくまで“一般的な例”として考えるようにしましょう。
先ほどお伝えした「時期関係なく求人がある業界」があるように、転職する業界や職種によって“転職するべき時期”は異なります。
「企業の求人が多くなる時期」というのは、言ってしまえば「人材が必要となる時期」とも言えます。当然のことですが、業界によって“繁忙期”と呼ばれる時期は違いますし、それにより求める人材の数も異なるでしょう。
ですので、「転職市場の求人が増える時期に転職すれば安心」と考えるだけではなく、「自分が希望する業界・職種は、どの時期に人材ニーズが増えるのか?」という視点も必要になります。
いくら「早く転職したい!」と考えているとはいえ、突発的に会社を辞めたり、深く考えずに転職活動を進めたりするのは辞めましょう。転職する時期というのは、あなたにとって今後のキャリアを決める重要なことです。今後のキャリアにおける“長期的な目線”も踏まえつつ、転職について判断するようにしてください。
まとめ
転職について、「早く今の会社を辞めたい」「すぐに次の仕事を見つけたいと考えている方は多いと思います。しかし、その“転職のスピード”を重視するあまりに、転職したことを後悔してしまう人は少なくありません。
繰り返しますが、人生の分岐点とも言える転職において“焦り”は禁物です。世の中の流れや転職市場の動向などにも注意を払って、自分自身が求める転職を実現するための“時期”を見極めなければなりません。
世の中には数多くの業界や職業がありますが、それぞれ人材を必要とする時期やタイミングが異なります。そのタイミングを逃してしまえば、せっかくのチャンスをつかめない可能性も十分に考えられるでしょう。
ですので、まずは自分自身が求める業界・条件に合った時期を知り、その“ゴール”から逆算した転職計画を立てて後悔のない転職を実現させるようにしてください。