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ネガティブなのは反芻思考が原因かも。その特徴と4つの改善方法

「反芻思考」という言葉をご存知でしょうか?人間の脳というのは、今現在危機的状況に置かれているわけではなくとも、過去のトラウマや未来の不安を現在の憂鬱感として認識し、考えれば考える程にそれを膨らませてしまう傾向があるようです。

この記事では、「反芻思考」という言葉の意味やその特徴、そして改善方法等を見ていきたいと思います。日々繰り返される思考のループですが、それがポジティブなものであるかネガティブなものであるかによって、人生に大きな違いが生まれるのではないでしょうか。

もくじ

反芻思考とは、ネガティブなことを延々と考えてしまう思考

反芻思考とは、主にネガティブなことを延々と考え続けてしまう思考のことであり、ネガティブな思考のループと言い換えることもできるでしょう。人間というのは日々何かを考え続けながら生きているものであり、その思考の大半は雑念に費やされていると言われています。

ということは、その雑念がポジティブなものかネガティブなものかによって毎日の過ごし方が変わり、ひいては人生も変わってくるのではないでしょうか。

なんとなく楽しいことや嬉しいことばかりを考えている人となんとなく辛いことや悲観的なことばかり考えてしまう人とでは受けるストレスが大きく異なり、対人関係や仕事面に様々な影響がありそうです。

反芻思考は、基本的にネガティブなことを繰り返し思考し続けてしまうという意味で使われる言葉です。何もしないのに何故か疲れてしまう、ストレスがかかってしまうという場合には、反芻思考を疑ってみるのも良いかもしれません。

反芻思考を行うことによるデメリットには何がある?

それでは、反芻思考を行うことによるデメリットをもう少し具体的に見ていきましょう。ネガティブな思考のループによる弊害としては、やはり性格や佇まいまでネガティブになってしまうこと、そしてその結果様々なことに興味を抱けなくなるという点が挙げられます。

生きていると人生のポジティブな面とネガティブな面を両方味わうことになりますが、反芻思考に囚われてしまっている人は特にネガティブな面に心を寄せられてしまうのではないでしょうか。その辺りを詳しく見ていきたいと思います。

負のループから抜け出せなくなってどんどんネガティブになる

反芻思考に囚われることによって、自分の力で負のループから抜けだすことが困難になり、物事の捉え方や表情、佇まい等が全てネガティブな方向に引きずられてしまいます。それによって仕事やプライベートにおける人間関係に悪影響が出たり、抱えているタスクを消化できないといった弊害が懸念されるでしょう。

正直なところ、社会にはネガティブな性質が歓迎される場所はほとんどなく、大半のケースにおいてポジティブであることが推奨されます。その良し悪しを判断することはできませんが、ネガティブであることは自分を苛むだけではなく、自分の居場所すら失ってしまうことに繋がるかもしれません。

そして、そのような出来事が起こった際には更に嫌な記憶が積み重なることになり、反芻思考の材料が増えてしまうでしょう。

ネガティブになった結果、様々な物事に興味を抱けなくなる

反芻思考に囚われて思考がネガティブ寄りになってしまうと、何かに興味を抱くことが困難になってしまいます。もしかしたら、憂鬱になってしまったせいで元々好きだったものがそうでなくなってしまったという経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

何かに興味を抱くことのできる気持ちのことを好奇心と呼び、好奇心は様々なアイデアやモチベーションの源泉となります。好奇心があるからこそ人は何かを勉強したり、誰かと深く関わったり、何かを成し遂げようとする面があるのではないでしょうか。

しかし、反芻思考によって好奇心が弱まってしまうと何かに興味を抱きにくくなってしまいます。それにより、あらゆる人間関係が面倒くさくなってしまったり、仕事に対するモチベーションが低下してしまうということが懸念されます。

反芻思考を改善するための方法にはどんなものがある?

様々な弊害が生じてしまう反芻思考ですが、次にその改善方法を探ってみたいと思います。反芻思考を行うことによるメリットはほぼ皆無と言っても良く、できればそのような思考を繰り返すことなく毎日をポジティブに過ごしたいものです。

そのコツとしては、マインドフルネスという言葉が挙げられるでしょう。マインドフルネスとは、「今この瞬間に集中すること」であり、今現在発生していることを注視しようといった考え方です。

それを含め、反芻思考の改善方法には下記のようなものが挙げられます。

自分の好きなことをして反芻思考から目を背けよう

自分の好きなことをしてネガティブな思考から目を背けてしまうことで反芻思考の改善に繋がるようです。

自分の好きなことをしている時というのは誰しも夢中になるものであり、余計な雑念や思考が入る余地が少なくなるのではないでしょうか。

そもそも、人間というのは暇だから余計なことを考えてしまうと言われており、毎日を忙しなく過ごしていたら憂鬱な気分も吹き飛ぶという説もあります。

全てが全てそうであるとは限りませんが、少なくとも自分の嫌なことをしているよりは好きなことをしている時間の方が反芻思考から目を背けやすいものでしょう。

反芻思考はネガティブな思考を繰り返すことによって、脳にネガティブな記憶を焼き付けてしまうといった悪手です。そのため、なるべく好きなこと等で気を紛らわし、ネガティブな思考のループを少しでも停止させることが大切です。

普段とは異なる視点「他者視点」で物事を眺めてみよう

反芻思考に囚われてしまっている際には、とにかく自分視点で物事を眺めがちであり、なかなか広い視点で物事を見ることができません。そのため、一旦その狭まった視点を広げ、より広い視点で物事を見ることが大切になります。

とは言え、視野が狭まった状態から一気に広げるというのも難しいため、まずは特定の誰かの視点になって物事を眺めてみることをお薦めします。特定の誰かという制限を設けることで立ち位置を想像しやすく、それを考えるだけでも気が紛れるのではないでしょうか。

大切なのは、凝り固まってしまった自分視点を少しでもほぐすことです。しっかりとした自分視点を持つことも大切ですが、それだけに頼るのはリスクが高く、いざという時の考え方に柔軟性を欠いてしまう恐れがあります。

自分の中に少しでも他者視点を取り入れることで、今までとは違った物の見方ができるようになるでしょう。同時に、辛いのは自分だけではないということに気付くきっかけにもなるかもしれません。

「今ここにあるもの」だけに目を向けてみよう

反芻思考に囚われてしまっている時には、今現在起きてもいない過去のことや未来のことに頭を悩ませがちです。それを防ぐためにも「今ここにあるもの」や「今この瞬間」に意識を集中させ、ひたすらに「今」という状態を強調してみることをお薦めします。

今という状態に意識を集中させて強調することで、自然と過去のことや未来のことに意識が囚われなくなり、反芻思考の改善にも繋がるでしょう。これはマインドフルネスと呼ばれるものであり、様々な有名企業や教育機関等で取り入れられている手法です。

マインドフルネスを行うことによってストレスの軽減や集中力アップ、自律神経の回復といった効果が期待できると言われています。そのため、反芻思考に囚われて頭の中がネガティブ因子でいっぱいになってしまっている状態に効果が見込めるのではないでしょうか。

あまりに酷い場合は専門家に相談した方がいいかも

反芻思考の改善方法には自分で試すことのできるものも多々存在します。ですが、それらを取り入れても改善が見込めない場合は専門家に相談することも検討してみましょう。

人間の精神というのはまだ完全に解明されているわけではなく、素人が下手な取り扱いを行ってしまったために悪化してしまうということもあるかもしれません。

心というのは一度壊れてしまうと修復が難しいものですが、私達が生きているこの世界では心が磨り減る出来事が毎日のように発生します。

それに対してどのように付き合うか、そしてどのように対処するかは原則的に自分で考えなければなりませんが、時には専門家によるアドバイスや治療が功を奏することもあるでしょう。

思考のクセというのは自分で分かっていても改善するのは難しいものです。そして、改善プロセスや結果についても個人差が大きいため、「こうすれば必ず治る」という手法は存在しません。

しかし、専門家に直接相談することで、個々の状態を見て有効な手法をアドバイスしてもらうこともできるのではないでしょうか。

まとめ

ネガティブ思考というのは一般的に悪いものとして取り扱われることが多く、大半の場合はポジティブであることが推奨されます。確かに日々をどんよりと生きているよりは、毎日はつらつと過ごし、充実感や満足感を得ながら生きていく方が自分にも周囲にも良い影響を及ぼすでしょう。

しかし、ネガティブな思考というのは本人が望んで得たものではなく、日々起きた出来事によって蓄積されたものに過ぎません。同様に、ポジティブな思考に関しても同じことが言えますが、それにしては両者の違いはあまりにも大きすぎるのではないでしょうか。

しかし、蓄積されてしまったのは自分の責任ではないにせよ、改善に導けるのは恐らく自分だけでしょう。反芻思考を改善するのは並大抵のことではありませんが、日々の中に少しでも幸せを見つけ、その種をゆっくりと大切に育てていくことをお薦めします。

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