メンタル

これって五月病ですか?悪化する前に取り組みたい予防策3選

なんかやる気が出ない、会社や学校などに特に大きな理由があると感じているわけでもないのに行きたくないと思うってしまうこと、誰にでもよくあることと言えばよくあることですよね。五月病などと言われるこの症状ですが、実際のところ何故そうなってしまうのかをあなたはご存知でしょうか?

誰にでもよく起こる症状であるとはいえ、あまりに軽視してしまうのも考えものです。五月病とはなんなのか、またその原因や対策方法にはどのようなものが考えられるのかなどを知っておきましょう。

もくじ

五月病とは新社会人に多い心身の不調!こんな症状を感じたら五月病を疑おう

一般的には五月病と言われるこの症状ですが、これは俗称であり「適応障害」というのが正式な名称です。適応障害は環境の変化によって発生するストレスが心身に影響を及ぼすことで障害が発生し、社会生活に支障をきたしてしまう状態のことです。

代表的な精神症状としては気分が晴れなかったり、特になにがあるわけでもないのにやる気が起きなかったりする抑うつ気分や、大きな理由があるわけでもないのに不安に襲われてしまうなどの精神的な症状があります。

また身体症状には極端に食べる量が増減する、食べたものを吐き出してしまうなどの症状がある摂食障害や、けいれん、頭痛などの症状が現れることもあります。行動面においては無断欠勤や虚偽発言などの目に見えて分かる症状が現れることも少なくありません。

新社会人や進学などで大きな環境の変化を感じる立場にあり、その中でこれらの症状を感じているのであれば、注意をしておく必要があります。適応障害は誰にでも起こるものですから、それほど重く考えることもありませんが、先述の症状がいつまでも良くならない、酷くなっていくようであればその原因に対してしっかりと対処していくべきです。

五月病の原因とは?まじめな人や完璧主義の人ほど要注意

五月病の原因の大きな要因の1つとして挙げられるのはストレスです。新しい環境はあなたに新鮮な刺激や経験を与え、成長するための糧になってくれるものです。ですが、その中で知らず知らずの内にストレスを溜め込んでしまっているケースも少なくありません。

本来、人には防衛機制という自分を守るための機能があり、これによってストレスなどから精神が守られているのですが、その許容量が限界を越えると適応障害などの疾患として症状が現れます。では、具体的にはどの様な状況や性格の人が五月病になりやすいのか考えてみましょう。

春に新社会人・人事異動など自分の環境に大きな変化があった人は五月病になりやすい

新しく社会人になることや、職場の環境が全く新しくなることは、人生の岐路の中でも非常に大きなものです。そのことから得るもの、期待感や希望などは人生を彩るための非常に重要なスパイスであることは間違いないでしょう。

しかし、その正の感情とは裏腹にあなたの心の中にはそれと同等の不安や恐怖などの負の感情が生まれます。本来はこの正と負のバランスは取れているものですが、時と場合によってはこれが負の方向に傾いてしまうこともあります。

特にこの新社会人、人事異動などの環境変化においては、「自分ができると思っていたこと」と「実際に自分ができること」のギャップ、理想と現実の壁に当たってしまうことも多々あります。これは心を負の感情に傾ける大きな要因の1つになりますから、志や理想が高い人ほど注意しておくべきです。

春にプライベートで大きな変化があった人は五月病になりやすい

春は出会いと別れの季節でもあります。環境が変われば付き合う人も変わるのは当然ですし仕方のないことですが、そうした新たな出会いが必ずしもあなたのプラスであるとは限りません。世界が広くなれば自分と馬の合わない人と出会い、付き合う可能性は高くなります。人付き合いがストレスの大きな要因になってしまうケースは決して少なくはありません。

これらのことに加えて、引越しなどの住環境の変化なども重なることが多いのが春という季節です。あなたの側には特別大きな変化の要因がない場合でも、周りが変わることでストレスが発生することもあります。近所に新しく引っ越してきた人がモンスター隣人だったりする可能性も0とは言い切れません。そうした春に始まったストレスが溜まり、ゴールデンウィークという長期休暇を引き金として五月病の症状が発症してしまいますのでプライベートの大きな変化があった場合には、少し注意しておきましょう。

まじめな人や完璧主義の人は五月病になりやすい

まじめな人や完璧主義な人というのは、自分に対しても他者に対しても高いレベルの成果を望んでしまう傾向が強いことが多いものです。これ自体は全く悪いことではありませんが、その高い志やまじめさは時としてあなた自身を傷つけてしまうこともあります。やる気を持って新しい環境に飛び込んでみたのに、周りの人は何となく仕事をしていて、熱意をぶつけると逆に邪魔な奴だという態度を取られてしまう。人それぞれ考え方があるのですから、これもある程度は仕方のないことだと諦めることができれば問題ありませんが、まじめで完璧主義の人はこの妥協が苦手です。

あなたが悪いわけではないのに、あなたの方が妥協しなければならないというのは、なんとも腑に落ちないことだと思います。しかし、それを原因としてストレスを溜め込んでしまい、五月病などの適応障害を起こしてしまうことはもっと腑に落ちません。時には妥協をすることも必要です。誰のためでもなくあなた自身のためにです。

五月病の予防方法とは?分かりやすい3つの対策ポイント

誰でもなってしまう可能性があり、そう重症になることは少ない五月病ですが、ならないで済むならそれに越したことはありません。どういった気質の人がなりやすく、どのような状況におかれた場合により一層発症しやすくなってしまうかについてはここまで見てきた通りです。どんな気質、状況であったとしても大きな要因がストレスであることに変わりありませんから、予防するためにまず考えるべきことは、如何にストレスを溜めない様に生活を送るかということになります。具体的な対策法を3つご紹介します。

何でも話せる人を作っておこう!ストレスを溜めず不満を解放しよう

人は会話をするだけで基本的にはストレスが軽減されることが多いものです。当然、会話の相手がとても緊張する人や、生理的に嫌いな人などの場合は逆にストレスを溜めることになってしまいますが、気の置けない仲の人とお喋りをすることはストレス解消において、とても有用な手法の1つであると言えます。

とはいえ、いくら有用な手段であっても肝心の話し相手がいざという時に居ないのではどうしようもありません。

何も友人という形だけにこだわる必要もありません。恋人や上司、職場では一切関わらない人でも良いでしょう。取り留めのないことを話せる人を作るように普段からコミュニケーションを取るように心がけることが寛容です。ストレスは溜めると爆発してしまいますから、許容量を超えないように小出しにして解消しておきましょう。

健康的な食事をしよう!ストレスに強くなる食生活

ストレスに強い精神を身につけるためには、健全な肉体が必要不可欠です。その肉体を作り、維持していくためには食事がとても重要な要素になってきます。食べることしか楽しみがないからと言って、ストレス解消の意味も込めて暴飲暴食をしてしまうと、一時しのぎ的にストレス解消ができたとしても、根本的な解決にならずに、負のループが続いてしまうこともあります。二日酔いや胸焼け、胃痛などの状態でどれだけストレスを感じるかは皆さん経験のあることだと思います。

ストレス軽減に効果があるとされる栄養成分にはカルシウムとマグネシウム、ビタミンB、C群が良いとされています。実際の食材としては、ブルーベリーやバナナなどを代表とする果物、ほうれん草や人参などの野菜などが良いとされています。小魚などもカルシウムが豊富で良いでしょう。朝は食事を受け付けないという人もいますが、朝の食事はとても大切ですから必ず摂るように心がけてください。上記の食材などをスムージーにして飲むだけなら手軽ですから、オススメの手法だといえます。

規則正しい運動をしておこう!ストレスを溜めない体づくり

運動はとても大事です。疲労困憊になってしまうほどの激しい運動はあまりオススメしませんが、ジワリと汗が滲む程度の運動を習慣的に行うことが重要です。思い立った時にだけ、突発的に運動をしてそれ以外はしないというスタイルよりは、規則正しく運動を繰り返す方が効果を見込めます。だからと言って、決まった日時にわざわざジムに行って運動をすることは理想ではありますが、仕事がある以上少々難しいかもしれません。

日常の中に運動を取り入れることを心がけましょう。通勤、通学などの1駅分を毎日歩く、家事をする間はつま先立ちを意識する、デスクワークの間はバランスボールに乗ってみるなど、少し考えればあなたのライフスタイルを変えることなく、適度で規則正しい運動の習慣をつけるための方法が沢山思い浮かぶと思います。そうした手軽な運動を規則正しく続けていくことがストレスを溜めない体づくりにはオススメです。

五月病の解決方法とは?悪化するとうつ病になることもある

ここまで書いてきたように五月病は誰にでも起こるが、それほど重症になることは少ない適応障害の1種です。ですが、この五月病などを引き金としてうつ病や不安障害(神経症)などの重い精神疾患に発展してしまう場合も0ではありません。このラインまで症状が進行してしまうと、自力での回復が難しくなってしまう場合も少なくありませんので、あなた自身や周りに五月病のような症状から長期間抜け出せずに、どんどん症状が重くなっているような状況が見て取れる人がいる場合には、早急に心療内科などの専門機関を受診することをオススメします。

これをすればスグに完治するといった類のものではありませんが、基本的にはここまで書いたような状況や対策方法に注意しておけば問題はありません。

まとめ

基本的には五月病をそれほど危険なものだと考える必要はないでしょう。新しい環境や人付き合いが発生すれば誰にでも当然のように起こる症状です。新しいことにチャレンジしている証拠の1つとして、気軽に捉えるようにしましょう。またその対策もそう難しいものではなく、日常の食生活や運動習慣に少し手を加えて心身ともに疲れにくい状態を目指すだけで十分です。

しかし、軽視し過ぎることは絶対にやめてください。何度も書いていますが、うつ病や不安障害などの軽くない精神疾患の入口になる可能性は少なからずあります。五月病だからといってすぐに心療内科を受診してくださいとは言いませんが、長く続くようなら1度受診することも考えてみてください。放っておいて重症化してしまうと治療や社会復帰に多大な時間を要してしまう場合もありますので、可能な限り早く対策を打つことがとても重要です。

あわせて読みたい!