比較的甘く見られがちな寝坊。ですが社会人になると寝坊は色々な問題を孕んできます。寝坊が常習化してしまい勤怠に乱れが生じたり、その分周りに負担をかけてしまい士気が下がったりと何も得がありません。しかし頭で分かっていてもつい繰り返してしまうのが寝坊の恐ろしい特徴でもあります。
今回は寝坊にまつわる失敗例や、寝過ごした時に気を付けなければいけない謝罪のポイント、そして寝坊を未然に防ぐための対策方法をご紹介していきます。
もくじ
寝坊してしまう原因
寝坊は主に、十分な睡眠時間を確保できていない時に起こります。個人差はありますが、一般的に必要とされる睡眠時間は7時間から8時間程度が目安とされており、あまりにも短い時間だと質の低い睡眠しかとれないため、肉体の疲労回復が満足に出来ず寝坊のリスクが高まるのです。
寝坊の失敗談
学生時代ならまだしも会社組織に属する場合、寝坊は同じ職場の同僚達に迷惑がかかるだけでなく、社内の評価や昇進にも影響を及ぼします。社会人にとって笑い話にならない寝坊、どんなケースがあるのか失敗談をいくつか挙げていきましょう。
「出張時に寝坊してしまい、関係者を足止めしてしまった。」
「設定していたアラームではなく会社の上司からの電話で目覚めた。」
「早朝ミーティングで寝坊してしまい、会場入りが丁度社長の入場と重なり気まずい思いをした。」
「寝坊して急いで出社したら、誤ってスニーカーを履いていた。」
「入社して間もない頃、寝坊による盛大な遅刻で先輩社員に悪い印象を与えてしまった。」
寝坊した場合、最初にする事は?
まず会社の人間に謝罪と状況の報告です。もしかしたら先に勤務している人達は事故や病気を心配しているかもしれません。寝坊でロスしてしまった時間は取り戻せませんが、キチンと謝ることで、今回の寝坊も大目に見てくれるかも知れません。
謝罪時の注意点
気をつけなくてはいけないのが寝坊した後に行う謝罪の仕方です。どんな理由があれ、誠心誠意謝るというのも社会人としての義務です。ですが、謝り方を間違えてしまったら遅刻する事以上に相手を怒らせかねません。ここでは相手に連絡する時のポイントと注意点を書いていきます。
寝ぼけ声は厳禁
「起きてタイマーを見たらもうこんな時間に!急いで電話しないと!」という焦る気持ちは分かりますが、起きてすぐの声というのは覇気が無く聞き取りづらいものです。そのまま電話をかけてしまうと、相手に不快さを与えてしまうかもしれません。まずはコンディションを整えてから連絡しましょう。
大体の到着時刻を伝える
相手が先に知りたい情報は「なぜ寝過ごしたか?」より「いつ会社に着くか?」です。もちろん理由を聞かれたら嘘偽りなく話す事が大事ですが、まずはおおよその到着時刻を検索してその旨をちゃんと伝えて安心させましょう。
言い訳は控えよう
「寝坊したという事実をそのまま伝えるのが恐い。」という気持ちはあると思いますが、逆に下手な言い訳は相手の神経を逆撫でさせます。万が一信じてもらえたとしても、社内にいる間、その言い訳を貫き通さないといけなくなりますし、一日中そんなものに縛られると、仕事に集中出来なくなってしまいますよ。
開き直るのは言語道断
寝坊という事態に陥ったのは自分自身のミスです。ですから非がある事を認め、どんな事を言われても受け止める必要があります。しかし、絶対に開き直った態度はしてはいけません。相手にとっても自分にとっても何の得にもならない上に、社内での評価が悪化してしまうだけです。
メールやLINEの報告はNG
まだ社会に出たばかりの若い方にありがちですが、決して電話は気が重いからといって、寝坊・遅刻の報告をメールやLINEで済ましてはいけません。“急いでいるのに文字を打つ余裕があるのか”と相手を怒らせる可能性が大いにあります。「謝罪の報告は電話で!」これも社会人の常識です。
会社で改善策をきっちり話す
本格的に寝坊の改善策を話す場合、まずは会社に到着してからにしましょう。二度と過ちを繰り返さないための案を考え話す事で、信頼の回復にも繋がります。最初の謝罪の電話で一気に話してしまうと、情報量の多さに相手は混乱してしまい上手く内容が頭に入らない恐れがありますので注意しましょう。
寝坊を繰り返すのは病気の疑いが…
ちゃんと睡眠を取っているはずなのに毎回寝坊してしまうのは病気の可能性があります。もし充分な睡眠時間を確保しているのに寝坊が何週間も続くようであれば、専門の医療機関で診察してもらいましょう。
うつ病
寝坊を繰り返すだけでなく、就寝時に途中で起きてしまう中途覚醒や立ちくらみ、寝起きの悪さや倦怠感といった症状が現れている場合はうつ病の可能性があります。
周期性四肢運動障害
睡眠中に膝や足がピクピクと反応したり、勝手に蹴りあげるような動きをしてしまう睡眠障害です。これによって中途覚醒をしてしまい睡眠の質が下がって、結果的に寝不足へと繋がります。
ナルコレプシー(過眠症)
充分な睡眠を取っているにも関わらず、昼間に強烈な睡魔に襲われ、起きるのが困難になる症状です。仕事中でも何度も居眠りしたくなる程の眠気を引き起こす睡眠障害なので、集中力や持久力が損なわれる事が多くなります。
寝坊を防ぐためにすることは?
寝坊を直すには、まず日課、生活習慣を見直すことから始めて下さい。寝坊の基となる原因を必ず見落としているはずです。自分では深く考えず行った事が、後になってアナタを寝坊という形で悩ませているのかもしれません。睡眠という行為は、何も肉体を休ませるだけではありません。ちょっとした日頃の行動が、脳にストレスを与えそれが蓄積されていって、「眠れない」あるいは「まだまだ眠っていたい」という気持ちを生んでしまっているのです。
以下では質のいい睡眠を取るための手段と、寝過ごし防止策を紹介していきます。
寝る前は照明を落とす
就寝前に明るい光を浴びてしまうと、睡眠ホルモン「メラトニン」が分泌されず、眠気が来なくなってしまいます。ですから眠る一時間前には照明を落とすか、夕暮れの様なオレンジ色の温かみある色に変えておきましょう。
就寝前は飲酒喫煙を控える
体内でアルコールが分解されたら生まれる「アセトアルデヒト」という物質は、睡眠を浅くさせる要因でもあります。そしてアルコール自体にも利尿作用があるため、夜中トイレに行く頻度が増え、眠りの妨げになってしまいます。
また、煙草に含まれる「ニコチン」は、脳を目覚めさせる効果があるので、スムーズに睡眠を取れなくなってしまいます。眠りにつく約一時間前には煙草を吸わないようにしてください。
長時間の仮眠を避ける
5分や10分程度の眠りなら特に問題はないのですが、20分以上を費やす仮眠は、脳が深い睡眠に移行してしまうため控えましょう。仮眠は20分以内がベストと言われています。
日中に軽い運動をしてみる
質の良い睡眠には運動が効果的です。自転車でなら手軽に運動ができますし、普段運動する機会の少ない社会人の方にオススメです。また、電車と違い自転車だと通勤時間が長くなるため、早起きする習慣も身に付けられますよ。
複数のアラームを用意
目覚ましを一個だけ用意するのではなく、時計でもスマホでも何でもいいので同じ時間にセットした目覚ましを複数セットしてみましょう。一個だけだとアラームが鳴ったらすぐ消して二度寝という可能性がありますが、複数なら全部のアラームを止めなければいけないのでオススメです。
また目覚ましには、設定した時間毎に再度アラームが鳴るスヌーズ機能がありますが、人によっては体内リズムが崩れ疲労感が増し、逆に体調が悪くなる事があります。
モーニングコールをお願いする
もう自分の力だけでは厳しいと感じたのなら、いっそ家族や友人などにモーニングコールをお願いしてみるのもいいでしょう。着信音で目が覚め、電話をすることで段々と意識もハッキリしてくるはずです。それに並行して目覚ましをセットしておけば、寝坊の可能性は大分低くなります。
寝坊脱却はまず意識の改善から
いかがでしたか?寝坊に悩んでいた人もここまで読んで思い当たる節が幾つかあったと思います。寝坊は確かに辛いですが、直そうと思えば簡単に直せるのです。しかしそれにはまず生活習慣そのものを見直す必要があります。「たった一度二度の寝坊くらい」と慢心せず、寝過ごす理由を解明して解決を図ってみて下さいね。